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KOKUKETU  作者: 夢乃マ男
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毎日

僕はどこにでもいる、ごく普通な人間である。

小説や映画にでてくるような特出したなにか才能を持ち合わせているわけでもない。


右の上の手を使い蛇口をひねりながら、右の下の手に持った歯ブラシを持ち、左の手の下で歯ブラシ粉をひねり出す。


歯磨きをしながらぼーっと考える。

今日もまた有り触れた一日を過ごすんだな。

漫画や映画みたいな一日が一生の内に一日くらいあれば良いのにな。


鏡に映る自分の姿を見て現実を写し出す。

どこにでもいる普通の人間。


何かになることなど想像も出来ない、

今日も、そこと呼ばれる場所に行き、なにか珍しい物を探す一日が始まって終わるのだ。


それを知っている鏡に映った自分の顔はやはり全てを察している。

左の上の手で、湯気で曇った鏡をタオルで拭き直してもその表情はより鮮明になるだけだった。


左の上の手でコップを持ち、その手を口に運び口内をお湯で満たし軽くうがいをして、吐き出す。

下の両手で顔を洗い、上の両手に持ったタオルで顔の水滴を拭き取る。


どこにでもある普通の日常が始まる。

映画や漫画みたいになにかおもしろい事が起こるのを望んではいるが、洗い水と共に排水口に流れ去っていくのだった。


今日も始まる普通の日々。

右の上の手でドライヤーの風を頭に拭き、左の上の手でブラシを使いながら、両の下の手でワックスを取りながら髪の毛をセットする。


それぐらいのカッコはつけたい。

特別な物語の主人公になれないのであるならば、普通に幸せな家庭くらい将来築きたいと思う、その礎になる出会いが今日訪れる可能性があるのだから。


身だしなみを整えて、底と呼ばれるソコに今日もお宝を探しに向かう。

一年過ごせるくらいのお宝に出会えればいいな。って気持ち半分、一生物のなにかを見つけられる事をさらに半分、そのもう半分は良き出会いを求めてソコに足を運ぶ。


イヤフォンを装着し、そこから流れてくる音楽のリズムに歩くスピードが自然に釣られてしまいながらソコへ向かう。

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