213話 溶岩釣り
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「ここが頂上……?」
「……真ん中溶岩」
「何にもないね」
ついに山の頂上に到着したのに溶岩があるだけで何にもない
あのかっこよさそうな燃えてる鳥はどこに行ったんだろう?
「……えい」
「いや、いきなり何してるの?」
崖に座り込んだノアが溶岩に釣竿を構え始めた
『ガチで溶岩で釣り始めたw』
『釣り糸燃えるだろ』
『モンスターいるなら釣れそう』
『何釣れるんだろう?』
少し様子を見るに燃えたりとかはなさそう、不思議だね
スノーピンクはお宝探しに周囲を歩き始めたし私もお宝探そうかな
「……手ごたえあり」
ノアがそう言って釣竿を引っ張り始める
どうやら何かしら獲物がヒットしたらしい
「……重い」
おそらく筋力極振りにしているだろうノアがすんなりと引っ張れていない、かなりの大物の予感
「私も手伝うよ!」
「……助かる」
苦戦しているノアを助けようと私は大きくしなっている釣竿に手を伸ばす
筋力にステータスポイント振ってない私がいてもそんなに変わらないかもしれないけどいないよりはマシなはず
「んー!全然引ける気がしない」
「……逆に引っ張られてる」
2人で思いっきり引っ張っているけどちょこっとずつズルズルと私たちが引っ張られていた
このままだと2人とも溶岩に落っこちちゃう
「お宝の影も形もな――って釣れたの?!」
「……スノピ、手伝え」
「助けてー!」
周囲を歩き回っていたスノーピンクが帰ってきてこの状況に驚きつつもすぐに助けに入ってくれた
「……3人ならいける」
「重た過ぎない?!」
「少しずつ引っ張れてるよ」
スノーピンクが加わったことにより引っ張れるようになった
しかしめっちゃ釣竿が曲がってるけど折れないものなの?
「少しでも気を抜いたら溶岩に落とされる!」
「……全力全開」
「声合わせて引っ張って行こう!せーのっ!」
3人で協力して引っ張ること数分、ついに獲物が見え始める
獲物は溶岩から顔を出した瞬間に飛び出してきた
フェニックス Lv15
獲物の正体は昨日見た例の燃えてる鳥だった
「カッコいい!」
「……釣れた」
「カッコいいとか釣れたとか呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ?!普通にボスじゃん」
スノーピンクと私はすぐに武器を構えて攻撃準備に入る
「……あ」
「ちょっ!どこ行くの?!」
「逃げちゃった」
戦闘が始まると思ったのにフェニックスは私たちをチラッと見てすぐに山の麓の方に飛んで行ってしまった
『緊急クエスト』
『プレイヤー名 ノア、ラビリル、スノーピンクの計3名がレイドボスモンスターを目覚めさせました』
『レイドボスは火山周辺平原にて向かい、手当たり次第にプレイヤーを攻撃します』
『討伐するか逃げるかは個人の自由です』
『*このクエスト報酬は全プレイヤーが対象です』
『*貢献度により報酬は変化します』
次回は14日、お昼12時に投稿します




