212話 ……ママ
一日遅れてしまい申し訳ないです
「……し、しぬかと、思った」
スノーピンクのお仕置きから解放されたノアはぐでーっと力なく地面に寝転がっていた
「よしよし、頑張ったね」
可哀想に思えたので頭を撫でてみたらノアの方から私に寄り添ってきた
「……優しい、癒される」
そして気づいた時には膝枕の体制になっていた
『なんと流れるような動きで膝枕』
『しれっと膝枕してて草』
『ずるいぞ』
『俺らにもよしよししてくれ』
こんなゴツゴツの地面で正座してた私も悪いんだけど乗っかられるとちょっと痛いんだよね……でも離れてとも言いにくい
「……ママ」
「ん?なんかとんでもない言葉が聞こえた気がするんだけど」
私の事、ママって言わなかった?気のせいだよね?聞き間違いだよね?
『ママwwww』
『これは赤ちゃん』
『ラビリルママ〜』
『ばぶー!』
やっぱり聞き間違いじゃなかったー!
あとなんかコメント欄の皆んなまで幼児化して大変なことになってる
「……これ、どういう状況?!」
アイテム欄の整理をしていたスノーピンクが私の所に来て今の状況に驚いていた
その間、ノアは膝枕どころか私に抱きついてきていた
「……ママ、もっと撫でて」
「あ、うん」
「ママ?!」
なんかね、誰かさんと違ってノアは下心を感じないから普通に撫でちゃう
「ノア?あんた何歳だと思ってるの?中学生に甘えるの正直言って爆笑してるの見られるより恥ずかしいと思うんだけど……」
「……ノア3ちゃい、むずかしいことわかんない」
「もうダメだこれ、ラビリル頼んだ」
「任された……?」
ノアが復活するまで私は頭を撫で続けた
「しかしモンスターが一向に現れないね」
「たまに罠っぽいのはあるけどその罠もしょぼいから避けれるし……ノア以外」
「……戦闘初心者、ゆるせ」
山を登り続けても何故かモンスターは一向に出なかった
時折、岩とか転がってきたり落とし穴っぽいのがあったりしたけどすぐに見て分かったから回避出来た
ノアだけは毎回のように罠に引っかかって救出するのに時間がかかるから途中から私が抱っこして一緒に避けていた
「手も繋いじゃって完全にラビリルに懐いてるじゃん」
「……ママ優しい、スノピと違う」
私の呼び方がママになってしまったのは復活した後も変わらなかった
次回は9月7日、お昼12時に投稿します




