211話 くすぐり
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「ふーん、動けないんだ」
「……筋力極振りでも無理」
「助けなきゃ!」
「待ってラビリル、私に良い作戦がある」
「良い作戦?」
筋力極振りでも抜けないほどになかなかに深く埋まってしまったノア、そこにスノーピンクが意味ありげな顔で近づく
「……嫌な予感」
何かを感じ取ったノアがスノーピンクから逃げようとなんとかもがく、が足は抜けてくれない
『お仕置きタイムですね分かります』
『あーあ、さっき逃げるから』
『今すぐ土下座だ!……足埋まってるから土下座出来ねぇわw』
『いつも思うけどカメラワーク完璧なのおもろい、運営が直接操作してるんじゃ……』
確かに他の人が配信してるのとか見てると大体が背中の少し後ろ、戦闘中は少し離れたりするけど配信者が直接動かさない限りほとんどその位置固定のはず
なのに私のカメラは勝手に移動してなんだか絶妙な位置で撮影を始める
「……何する気?私はダメージ効かない、お説教も慣れたら意味ない」
「ふふ、ダメージは効かなくても攻撃判定じゃなければ触れるの知ってるから……!」
「……!まさか、バレてる」
両手を前に出してジリジリとノアに近づいていく
いやだからなんでカメラは私を無視してノアに近づくの?私の配信カメラだよね?
あとダメージ無し、お説教じゃないお仕置きって何するのかな
「……待って、それはダメ、せめてリアルで」
「これだけはいつも弱いもんねー、ゲームだと逃げられそうだからさっきはリアルでお仕置きって言ったけど逃げられないなら話は別かな」
スノーピンクはノアの両脇付近へ……
「ああ!くすぐり!」
「うん、これならダメージないしノアの弱点」
そう言いながらくすぐりを始めてしまう
「……ふ、ひぃ、うぅ」
「あれ?いつもは転がりまくって爆笑するのに耐えるね?カメラの前だから?」
いつも無表情のノアが爆笑とか想像出来ない、釣りとか魚の事話してる時は目はキラキラしてるけど表情は変わってないし
「……ぼ、防御極振り、くすぐり、効果あった――」
「うそ!それ効果あるの?!」
なんとノアは防御極振りしてくすぐり攻撃に耐えていた
『《悲報》くすぐり攻撃は防御ステータスが有効』
『いやステータス補正あるんかい!』
『ダメージなくても攻撃判定なんか?』
『極振りでなんとか耐えられてる……耐えられてるのか?これ』
ノアはくすぐられてもがき苦しむようにピクピク動いている、そしてなんと埋まっている足を手で掘り返し始めた
「……たしゅ、けて、くれない……なら、じひゅ、んでなんとか……する!」
「ろれつが回らなくなってきてるね!限界が近いんじゃない?」
「……ひょ、ひょんな、こと――にゃーい!」
結局、くすぐり攻撃はノアが地面を掘って抜け出す前にスノーピンクがセンシティブ?な警告が鳴って終わった
次回は31日、お昼12時に投稿します




