200話 見つからなかった
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「……見つからなかった」
「まあ、そうだよね」
しばらくしてノアを乗せた車が帰ってきたがサユは乗っていなかった
やはり見つからなかったらしい
「……諦めて山登る」
ノアはそう言って車をしまったと思ったらズカズカと山を登り始めた
私も後ろからついて行く
「ところでノアはどうして山に?釣り場を求めてたんじゃないの?」
「……山にも水辺はある。でもここは火山、溶岩で釣る」
「溶岩に魚……?」
ゲームだしあり得るのかな?
『溶岩の中にもお宝ありそう』
『小さなドラゴンとか釣れるんじゃね?』
『釣竿が燃える』
『溶岩釣りは盲点だった』
コメントの言う通り、釣竿はどうするんだろうね
ゴゴゴゴ……
「何の音?」
「……多分あれ」
ノアが指を指す方向から大きな岩が転がってきていた
って私たちの方向に転がってくるじゃん!
私は咄嗟に上に跳んで避けた
「……私も、あっ――」
ノアも私と同じように跳んで避けようとしたらちょうど足元が少し崩れてバランスを崩してしまう
そしてそのまま岩に轢き潰されてしまった
「あー痛そう」
完全にグチャッといっちゃったけど本当にあれでノーダメージなのかな……?
様子を見に潰された跡地に近寄る
「……うう、ミスった」
跡地にはノアがゴロンと転がって悲しんでいた
やっぱりというか予想通りというかしっかり生きていた
「……ステータス変え忘れた、筋力極振りのままだった」
筋力極振りだと身軽に跳んだり出来ないもんね、足元が崩れたもの力入れすぎたのが原因かな
「別にダメージ受けないなら避ける必要なく無い?あ、ダメージ無くても痛いとか?」
「……なんとなく?気分」
気分だったらしい
今気づいたんだけど筋力極振りならギリギリ転がってくる岩を受け止めれそうな気がする
「あれ?ノアどこ行った?」
考え込んでいたらそこら辺で転がっていたノアを見失った
周囲を見渡すと結構遠くの方にノアらしき人物ともう1人知らない人が見えた
「もうあんな所にいる……」
足速すぎ、そしてノアと話している人は誰だろう?
近づいて行くとなんか揉めているような声が聞こえてきた
「……あゆみ、見つけた」
「嘘でしょ、何でエレノアがこのゲームやってるの?!」
「……あゆみがこのゲームのPVに出てた」
「見たの?釣りにしか興味がないエレノアが?!」
ノアと揉めていたのはスノーピンクだった
次回は15日、お昼12時に投稿します




