196話 不意打ちの一撃
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次の日
「よーし!今日はお宝沢山見つけちゃうぞー」
朝ご飯(焼き魚)を食べて元気いっぱいになった私は探索に出かけることにした
昨日は生活する事で精一杯だったけどショップの存在も教えてもらったし魚なら沢山手に入れたからお宝探しに専念できるようになった
「森は1日居て飽きたし湖は……うん、やめとこ」
探索する場所はここからでも見える大きな山?に行こう
山頂ならお宝の一つや二つあってもおかしくない、二日目だからもうないかもしれないけどね
私は山に向かうように森の中へと入っていった
そして数十分後――
「森が深すぎて山を見失った……」
奥へ奥へと行く度に木が高く多くなって日の光が当たらなくなり暗くなってきた
本当にここ何処……?
『これは分からんw』
『山どこいった?』
『完全に迷路』
『ここだけ夜みたい』
ガサガサッ
「はっ!モンスター?」
完全に迷子になったので諦めてコメントを読んでいたら近くの草むらから音がした
モンスターかプレイヤーかどっちだろう?
「ここ何処だ……?」
草むらから現れたのはつい最近、私に挑んできた初心者くん
名前は……えっと――
「そう!ユウスケじゃん」
「お、お前は僕の有り金ぶんどりやがった初心者詐欺!」
「いや、有り金の件は君が指定してきたんじゃん。私のせいじゃないでしょ」
ユウスケは私をみるや否や短剣を手に持って刃を向けながら話してくる
『会っていきなり喧嘩w』
『ユウスケじゃん』
『明らかに攻撃してきそうだけどそんなに近づいてラビリル大丈夫?』
まあ、イベント中は同レベルだし私に関しては武器すら装備してないからね
森の中でハンマーは邪魔だった
「ははっ!油断したな、この前の恨みー!」
案の定、攻撃してきた
ユウスケの攻撃に合わせて私は事前にアイテム欄から取り出しておいた水を顔にかける
「うわっ!」
目を瞑って攻撃が緩まったので余裕を持って避けてから短剣を持っている手首目掛けて回し蹴りをした
不意に攻撃されては短剣を握っていられず遠くの方までどこかに飛んで行った
「まだやる?」
首根っこを掴んで威圧的に話す
「こ、降参する……」
「意外と潔いね」
限界まで抵抗すると思っていたのに意外にもすぐに降参してきた
降参しなかったらこのまま首を締めて倒すつもりだったけど仕方ないから許してあげよう
手を離すとユウスケはすぐに私から少し距離を置いてきた
「と思ったか馬鹿め!短剣はもう一本あるんだよ!」
距離を置いたと思ったら隠し持っていたもう一本の短剣を手に持って私に襲いかかってきた
もう一本あるとは思っておらず対応に遅れた私は左腕に短剣が刺さってしまった
「痛っ……」
「やった!ついにお前に攻撃を当てられたぞ!」
確かに攻撃を当てられたし痛かったけどHPは2割程度しか減っていない
「うん、良い攻撃だったね。でも次の攻撃は出来ないよ」
「え……ぐふっ!」
喜んでいるからか隙だらけだったのでお腹に蹴りをいれるとユウスケはお腹を抑えてうずくまって苦しそうにしていた
痛みはないだろうけどお腹を強打は苦しいのかな?
とりあえず今のうちに深く刺さった短剣を引き抜いて適当にポイッと捨てておいた
「さっきは見逃してあげようと思ったけど2回も不意打ちするなんてもう許してあげないからね?」
「く、くそぅ……」
私はハンマーを取り出して振る構えをする
『やっちまえー』
『あーあ』
『ラビリルを楽しませちゃダメだぞw』
『ラビリルに一撃当てられたのは褒めてやろう』
そのままうずくまっているユウスケにハンマーを何度も振り下ろすとHPが無くなって消えていった
次回は23日、お昼12時に投稿します




