188話　森林破壊

「ハンマーにしようかな、コメントでもそこそこの数いたし」

設定が完了するとちょうど準備時間が終わったみたいで視界が切り替わる

次に目にした光景は……森だった

「森かぁ、始めたての頃を思い出すね」

初めて戦ったモンスターはウルフくんだったっけ？苦戦してなんとか倒した時は凄く嬉しかったなぁ

『ラビリルちゃん！思い出に浸ってないで前見て！』

『早速モンスター現れたな』

『あれウルフじゃね？』

『レベル1でウルフは辛そう』

『ハンマーこんなデカかったか？』

『森でハンマーとか相性悪くて草』

『ラビリルが小さいからハンマーが凄く大きく感じるな』

そうそう、こんな感じでウルフが目の前に……目の前？！

「危なっ！早速、腕が無くなるところだった」

突進してきたウルフをなんとか跳んで避けた

慌てて避けたから凄くダサい避け方になっちゃった

ウルフ　Lv3

「レベルは3、弱めに設定してあるね」

初めて倒した時のレベルはどれくらいだったかな？10くらい？

なんとなく背負ってる感覚があるから背中にハンマー背負ってるよね？ほとんど重さを感じないハンマーって強いの……？

とにかく背中に背負ってるハンマーを手に取り両手で構える

「ハンマー大きいね、私の背より大きいじゃん！」

突進してくるウルフに向かってハンマーを振り下ろそうとしたのだがどこかの木に引っかかってしまう

その隙に私の身体に思いっきりウルフが噛み付いてきた

「いたあぁぁ！」

噛みつかれたことでゴリっとHPが削れるがステータスポイントを防御に半分振っていたおかげかまだ全然生きていける程度には残った

しかしウルフは私を噛みついて離さず噛みちぎろうと力を入れてくる

「いやほんと痛いから！」

私は咄嗟にウルフの目に指を入れて目玉を潰しにかかる

目を狙われたウルフはたまらず私から離れて悶え苦しむように転がる

「トドメの一撃！」

苦しんでいるウルフの頭を踏みつけると倒せたようで消えていなくなった

ドロップ品……ウルフの毛皮×1

『1戦闘で瀕死じゃん』

『防御上げといて良かったな』

『ハンマー使ってなくて草』

『なんで躊躇なく目を狙えるんw』

『やっぱりハンマー相性悪いな』

あ、ハンマーの存在を忘れていた

確かに大きいハンマーを振り回すにはこの場所は狭いね

「あはは、いきなりかなりのダメージくらっちゃった」

残りHPは3割くらい、イベント開始直後だからポーションも何も持っているわけが無いし自然回復……ってするのかな？

ずっとズキズキとお腹が痛むんだけど……

「とにかく怪我は私に出来る事ないしキャンプ場的なものを作ればそこからリスポーン出来るんだよね、どうやって作るんだろう？」

そう思ってメニュー画面を開いたらクラフトなる選択がある事に気づいた

キャンプ場……モンスターの素材を5つ、又は木材3つ

「モンスターの素材をなんでも5つでキャンプ場が作れるらしい、それか木材3つ」

さっきウルフの毛皮を手に入れたからあと4つだね

『かなり簡単だな』

『レベル1でモンスターを狩るの意外と大変だぞ』

『スライム探そうぜ』

『木材ってそこら辺にある木を切れば手に入る？』

『木材ならめっちゃあるじゃん』

木材はどうやって手に入れるんだろう？

「木を切る……っても刃物は持ってないしハンマーでへし折るとかあり？」

試してみよう、へし折れるなら邪魔な木が少なくなって動きやすくなるし

「えい！」

今度は引っかからないようにハンマーを横に振って木にぶつける

ぶつけた木は少し揺れた程度で折れる気配は全く無かった

『びくともしねぇw』

『筋力低いからw』

『ラビリルが貧弱なのか木が強すぎるのか』

『いつも通り拳使えば？』

ハンマーを思いっきり振ったせいで手が少し痺れてしまった

「そうか！拳で殴ればいつも通り壊せるじゃん」

コメントの言葉で思いつき早速行動してみることにした

ゴンッと鈍い音が響くが構わず殴り続けてみる

『見てるこっちが痛い』

『この自傷具合がまさに狂気』

『あの、ダメージエフェクト出てますよ』

『痛そうだけどめっちゃ笑顔なんだよなぁ』

『HP減ってるのをお忘れで？』

『誰だよ、拳使えばとか言ったやつ』

「あはは！何度やっても壊すの楽しいね！」

拳は凄く痛いけど楽しいから全然気にしない

そしてしばらく殴っているとついに木がミシッと音を立てて割れるように倒れた

ドロップ品……木材×10

「やったー！壊せた！」

なんと1本へし折るだけで木材が10個も手に入った

『ラビリル最高！ラビリル最高！』

『HP1割切ってますよ』

『死にかけで草』

『素手で木をへし折るなw』

『良い笑顔でした』

『ガチで折ってるw』

何故かコメント欄も大盛り上がりだった