185話 覚えてろよー!
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「え?66レベル?」
決闘開始と共に攻撃してくるかと思ったら私のレベルに驚いたのか全く向かってこなかった。
「なんかバグってるぞ」
「バグってない、普通に私のレベルは66だよ」
私がそう言うと一瞬だけポカンとした顔になったと思ったらすぐに今度は納得した顔をし始めた
「嘘は良くないと思うぞ、お前なんかがそんな高レベルなわけないだろ?僕は始める前に調べたんだ!トッププレイヤーでもレベル60前後だって!」
「うん、だって私、自分で言うのもなんだけどトッププレイヤーだもん」
「は?こんなチビがトッププレイヤー?笑えない冗談だな!」
う……最近少し同級生より背が低いの気にしてるんだからそんなこと言うと怒るよ?
しかし最高レベル的なのを調べたなら紹介PVとか見たんじゃないの?あれに私いると思うんだけど……
『少年よ、女の子を罵倒するとモテなくなるぞ』
『ラビリルを怒らせるのはいかん』
『これだけレベル差あると攻撃受け続けても死ななそう』
確かに私は防御高めだから死なないとは思うけど多分、普通に痛い
「……で、攻撃してこないの?」
「初めの攻撃は初心者で6レベルのお前に譲ってやるよ」
なんか勝手にレベル6にされてる……あと私が初心者だとしたら君も初心者でしょ
『ラビリルが攻撃したら一撃だと思います』
『イキリキッズってうざいけど面白いよね』
『一周回って可愛く見えてきたぞ』
『やられたらやられたでもう一回とかただこねるやつ』
「じゃあ攻撃するけど死なないでね?」
軽めの攻撃をしてみよう、恐らく死なないはず……多分
私は適当に前に向かって走りユウスケに殴りかかった
「へ……?」
かるーくお腹を殴ったら結構な速度で吹っ飛んでいった、あれ……もしかして私、やってしまった?
よくよく考えたら力込めても込めなくてもステータス自体は変わらないね、それでも私のステータスは筋力低めだし死なないでしょ
『手加減不要パンチ』
『無慈悲な一撃』
『し っ て た』
『決闘エリアの端まで吹っ飛ばされてて草』
見事に飛んでいったけど生きてる?生きてるよね?
しかしそんな希望は無くエリアの端っこに叩きつけられたユウスケは消えてしまった
『決闘が終了しました』
『ラビリル WIN』
普通に死んでたー!一撃で倒しちゃったよ
「はっ!一体何が……!」
決闘が終わり、元の位置に戻される私とユウスケ
負けたことに気づいていないようだ
「あー、なんかごめん、決闘終わっちゃった」
「そんな……僕がこんなチビに負けた?」
チビチビうるさいなぁ、今度は本気で殴るよ?
いや、どうせさっきのを見ると痛みは無さそうだし……池にでも連れてって窒息死でもさせようかな?
痛みも苦しみも無くとも息をしないという違和感が不快に感じるはずだし
「な、なんかズルをしたんだろ!」
「ズル?こんな大勢の前でするわけないじゃん」
「大勢……?ってなんでこんなに人が集まってるんだ?!」
逆に今まで気づかなかったの?
大勢に見られていると分かったユウスケは途端に焦り始めた
「こんな人がいる中で僕はチビに負けるとかいう大恥を……!」
広場だけなら数十人程度だけど配信中だから5万人くらいに見られてるよ、良かったね
最初に配信してた時は5000人くらいだったはずなんだけどなんか凄い増えてる
「お……」
「お?」
「覚えておけよー!今度は絶対勝つからな!」
そして大勢に見られているのが耐えられなかったのか走って遠くに逃げてしまった
まだ有り金貰ってないんだけど今日のところは許してあげよう、可哀想だし
なんて思っていたらユウスケが走って戻ってきた
「これ、約束は守る」
これだけ言ってまた何処かへ走っていった
『ユウスケから500Gが贈られました』
こんな恥をかいたのに戻ってくるなんて良い子なんだね
「みんな、ちゃんとあの子から500G貰ったから見かけても揶揄わないであげてね?」
『約束を守る子は好きよ』
『500G……笑っちゃだめだw』
『初心者にしては大金だな』
『大丈夫、俺なんて所持金30Gだ』
『それだけお金あるなら初期武器よりは良い武器買えるのに……』
配信は大いに盛り上がった
次回は4月1日、お昼12時に投稿します




