177話　ガブリエル登場

「あ、しまった……あと10秒しかない」

「そんな効果時間短いの？！」

まだ体感30秒程度しか経っていないのにスノーピンクが使ったとっておきスキルの効果が切れるらしい

まあ、あれだけ強いししょうがないか

「じゃあ、後は頼んだ《相手の近くまで転移》」

スノーピンクが私に触れてきたと思ったら視界が切り替わりあるふぁさんの近くまで転移した

「む？《インフェルノ》」

「《絶対領域》」

いきなり現れた私にあるふぁさんは驚きつつも魔法を放ち焼き尽くしてくる

残念ながら今の私には魔法を防ぐスキルを持っていない為、ステータスを上げて無理矢理耐える

物凄く熱いがステータスが高いおかげで耐えられないほどじゃない

「ならば……《テンペスト》」

強烈な竜巻が私を襲うがそれも耐えてついにあるふぁさんの目の前まできた

「随分と目の光が小さくなってるね！もう限界なんでしょ」

「ラビリルも我の魔法をモロに受けて無事なわけないじゃろ！瀕死のはずじゃ」

残念だけどまだHPは半分以上残っているしリミッター解除を使えばまだまだ戦える

それに比べて沢山の魔法を使った影響かあるふぁさんの目の光がとても小さい、ユニークスキルの制限時間があと少しで切れるのだろう

私はあるふぁさんを思いっきり殴る

「うぐっ、随分と重い攻撃じゃ……」

「いつまで防げるかな？」

あるふぁさんは上手く私の拳を受け止めるが勢いを殺しきれていない

私は次々と攻撃し続ける

「も、もう無理じゃー！」

弱々しい光がついになくなり通常状態のあるふぁさんになってしまう

「あるふぁさん……さようなら！」

ユニークスキルの効果が切れたあるふぁさんにトドメをさす……

ゴゴゴ――

「うわ、何？！地震？！」

「なんなのじゃ？！」

急に地面が激しく揺れて手元が狂いトドメの攻撃が当たらなかった

「よくも2人を……」

さっきの地震はガブリエルが凄い勢いで落下してきた事による振動だったらしい

ん？ガブリエルがここにいるって事は……アスタロト様が負けた？！

それになんかガブリエルの様子が少しおかしい、なんか羽根が片方黒っぽくなってるしちょっと私と似てる

「申し訳ありません、力を吸い取られました」

「うわ、びっくりした」

私の後ろからアスタロト様が急に現れてびっくりした、生きてはいるんだ

「力を奪われた？どういうこと？」

「そのままの意味です。あの天使は物真似するだけだと思っていたのですが、急に覚醒したのか一度でも物真似したスキルをいつでも使えるようになっていました」

「ええ……それでアスタロト様のスキルを物真似しまくったからあんな姿になったと？」

「恐らくはそんな感じかと」

ロードとかリトライとか使えるの？もう戦いたくないんだけど……

「《転移》《ブラックホール》《ロード》」

「え――」

目の前にガブリエルが現れたと思ったら黒い塊が私を襲い、左腕を消し飛ばした

そしてガブリエル本人は先程現れた場所まで戻っている

「嘘……」

痛みすら感じずに腕が消し飛んだんだけど？ステータスかなり上がっててこれ？

「闇魔法ですね」

「普通、天使が闇魔法使う？！」

天使なら天使らしく光魔法使おうよ！

「本当は悪魔のスキルなんて使いたくないの……でも勝つためなら仕方ないの」

見た目からしてほとんど堕天使になってるじゃん