表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】底辺探索者は最強ブラックスライムで配信がバズりました! ~ガチャスキルで当てたのは怠惰な人気者~  作者: 御峰。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/98

第53話 増えていく数字と減っていく確率

 休憩時間が終わり、十層で狩りを始める。


 と言っても巨大なダークドラゴンをリンが刺すだけだけど。


 相変わらず、ナナが最前線に出てドラゴンの注意を引く。


 今までずっと眠っていたからか、常に体を動かしたがる。


 その気持ちを知っているから、ひやひやするが最前線に出ても何も言わないでいる。


 それにしても、【超反応】という才能で反応するのは分かるけど、身体能力も非常に高いように見える。これも才能による成長なのだろうか?


 中型魔石を集めながら一時間狩りを続けて、百連分のガチャポイントが貯まった。


「では最後に百連を回そうと思う」


『百連☆彡』

『最近当たりばかりのガチャ配信だ~!』


 確かに最近ガチャの当たり率が上がった。


『いくら百連を回すとはいえ、以前より格段に上がってるよな~』

『面白いくらい当ててるよな~』


 俺も似た感想を抱いている。


 最初は偶然かなと思ったけど、元々最低率ばかり引いて来た。


 いくらR確定とはいえ、SRをこんなにも引けるのは不思議に思える。


 早速百連を回した。


 白い筐体が出て来て、ハンドルが回る。


 筐体口から黒いガチャが大量に落ちるが、時々白いガチャも出て来る。


 以前なら百連分全部Nなんてあり得たのに、今じゃ3%の割合でRが落ちて来る。


 まあ、Rが落ちればシホヒメが喜ぶのでいいけど。


 Nは落ちてすぐに開放されて、色んなものに変わっていく。


 ここでも一つ変わった点があって、元々ハズレだった何に使えるか分からないもの――――例えば、スリッパやラバーカップなどはあまり出なくなって、食べ物や飲み物がよく出るようになった。


 おかげで食費はかなり抑えられているし、なんならガチャ産食材は美味しい。


「今回Rが25個か……」


 Rは本来1%のはずなのに、百連に対して五個も出ている。


「枕……はあはあ……」


『シホヒメが壊れた~w』

『残念美女降臨しかけて草w』

『エム氏のいけず~はよう引いてやれ~』


「はいはい。じゃあ、R引くぞ~」


 Rからは触れないと開放できないので、一つ一つ開いていく。


 帰還の羽根、高級野菜セット、お酒、A5霜降り肉まで!?


 次々と明けていくが、残り二つになるまで安眠枕は出なかった。


「え、エムくん……お願い……」


 安眠枕の在庫が切れたからな。シホヒメも必死になるものだ。


 一つ目の白いガチャカプセルを開けた。


 出て来たのは、不思議な丸薬。


《空気丸薬:飲んだら一時間体内呼吸が可能になる。》


 体内呼吸?


 これを飲んだら水の中に自由に入れるとかか?


「え、エムく……ん」


「シホヒメ。まだ最後の一つがある」


「お、お願いね?」


 いや、俺にお願いされても困る。ランダムだし。


 最後の一つを開いた――――――




「ああああああああああ!」




『まだ初日なのに崩壊する残念美女の図☆彡』

『残念美女☆彡』


 出て来たのは安眠枕ではなく、十センチくらいの瓶だった。


《エンジェルブロッサム:――――――》


「!?」


「お兄ちゃん? どうしたの?」


 目を見開く俺を見て妹が可愛らしく見上げてきた。


「い、いや、なんでもない」


 俺はナナの頭をポンポンと撫でて、シホヒメの下に向かった。


「シホヒメ。今日は残念だったが、明日がある。だからそんな場所で伏せるなよ」


 こいつ……最近は初日も不眠モードっぽくなる時がある。特に安眠枕の件になると見境がない。


「エムくん……ふええ~」


「よしよし。ほら、今日はもう帰るぞ? 明日もここに来てガチャを引けば、きっと出て来るさ」


「うん…………」


 地面に伏せたせいでまた服が汚れたので、ハンカチで拭いていく。


「ここも拭いて」


「嫌だよ! 自分で拭けっ!」


『夫婦コントかよww』

『拭いてやれよww』

『おっ〇い☆彡 おっ〇い☆彡』


「伏字でもやめろ!」


「お兄ちゃん……触りたいの?」


「触りたくないよ!」


「えっ!?」


「えっ?」


 いや、なんでそこで驚くんだよ!?


『配信乙~!』

『今日も面白かったぞ~』

『おつおつ~!』


「視聴ありがとうな~」


『明日からは時間伸びそうだな~おめでとと言っとく~』


「そう……なるか。サンキュー!」



《時間になりましたので、配信は終了となります。お疲れさまでした。コネクト運営より》



 配信が終わる直前、カメラの下に映っていた画面。


《現在視聴者数:5,011人》《応援:3,980》


 視聴者数も遂に五千人を突破し、応援の数も凄まじい数に到達した。


 応援1ポイントで百円なんだよな……ってことは、今日の配信だけで四十万円……。


 自分の金銭感覚がどんどんずれていくが、毎日百連回しているのも十万円なんだよな……。


 この応援ポイントを全て魔石に換算したら明日は五百連引けるのか……?


 まあ、申し訳ないが、これは生活費に回してもらうことにしよう。


 帰還の羽根を使って、ダンジョンの外に出た。


 そして――――次なる目的地、総理大臣が待っているホテルに向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ