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エリートぼっち  作者: いちの月
はじまるよ
20/31

失ったものの時間

「へぇ、つまり京平くんは渚と遊びに行ったんだぁ~それで今に至ると」


顔立ちが整っている人が怒ると怖いとはよく言われるが彼女はまた別格であった。


なんつーか、なまはげが後ろに見える。



「とにかく話は後でしましょ♡今は、渚が最優先だからね」


「……はい」


関口が助かるのは嬉しいんだけど、俺が犠牲になるのは納得がいかん!

ん? 嬉しい? 俺そんなこと思ってたのか。

まあどうでもいいや。



カツカツ。



フロアを歩くときに靴が奏でるリズム。

彼女の足音はリズムは取れている、だが音質に問題がある。


なに大関ですか?


「なーぎさっ、おーはよっ」


ダメだあの人。こめかみにある血管が浮き出ている。てか、口元まで歪んでる。

証拠に関口も若干ひいてるし。


「お、おはよう…」


あっれぇ~3人とも関口から引いてくぞ。

干潮の時間なのかな?

まあ俺があそこにいたら、もどり玉使うけどなっ!


しばらく経ち、ギロン、と言う擬音語を聞いた京平は金縛りを受ける。


元いた位置に二人は戻るが京平は何も言えずそのまま立ち尽くす。




関口に誘われて遊びはしたがこうなることを予想して断ればよかったんじゃなのか?



周りに嘘を付いている関口に対して距離を置くべきだったんじゃないのか?




など答えの出ない疑念を頭で羅列している京平


これって俺が悪いのか、

俺が隣にいなかったから関口は悲しまなかったのか


だけど結果的に自分は罪悪感を感じている。


「やっぱり俺がオタクなのがだめなのか」


そう言うと間合いを詰める大野塚。

表情は先ほどより柔和に見えるが、安堵の息はもらせずにいる。


「京平くん、君がオタクなのは気持ち悪いとは思うけどそれ以上に気持ち悪いのは渚を守ってやらない臆病者(チキン)なあなたよ?」


大野塚 瑠美は教室へ入って行った。


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。


さぁ、いよいよシリアス展開。

作者はこの波の緩急についていけるのかっ!


では!また次会話で!

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