『文選』
『文選/昭明太子ら』
六世紀前半(魏晋南北朝時代)に成立。
梁(南朝)の武帝時代の皇太子・昭明太子が中心となって編纂された詩文集。全三十巻。
周(春秋戦国時代)から梁に至るまでの代表的な賦や詩、文章など八百余編を収録している。
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「熟精せよ文選の理(熟精文選理)by 杜甫(「宗武生日」より)」でおなじみの『文選』さん。
「『文選』を熟読しておけば、秀才の試験も半ば通ったようなもの(文選爛、秀才半)by 陸游(老學庵筆記・巻八)」でもおなじみの『文選』さん。
詩文制作のお手本と目されていただけあって、ミカタ氏もかなり読み込んでいた模様。
『淮南子』や『三五「暦紀/歴記/歴紀」』のような「そのままそっくりお力拝借」というやり方はまずなくて、漢語漢字の出典本的な扱いだったようです(『文選』由来の漢語漢字への理解を深めるにあたっては『漢語漢字の研究』(佐藤喜代治・明治書院・一九九八)も参照されたし)。
例えばミカちゃんが「あおくてひろいウミってどんな字で書くとそれっぽいかなー?」と悩んだとして、「そういえば『文選』にウミについて書いた文章あったよね?」と気づき(あるいは「『文選』になかったかなー?」と探して)、探し当てて「滄溟」と書く、といった調子で、利用されていたのではないかと思われます。
ある意味辞書代わり?




