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和装の皇さま  作者: 狼花
弐部
27/94

1 お忍び、では決してない

 巴愛の周りに日常が戻ってきた――とは表現し難い日々が始まった。簡単に言ってしまうと、咲良がいなくなってしまったので彼女に任せていたことを皆がそれぞれ自分でしなければならなくなったのだ。だったら新しい侍女を採用すればいいのだろうが、どうしても真澄たちはプライベートを覗かれたくないらしく、そこは頑なだった。巴愛が何とか咲良の代わりを務められないかと申し出たのだが、前回働きたいと言ったのを断られた時とは別の理由で、今回も駄目だと言われた。というのも、真澄が静頼から戻ってきたとき、夜だったとはいえ真澄の傍にいた巴愛の姿を多くの人が目撃しており、巴愛が一体何者なのかをみな大層気にしているそうだ。そんな状態で働こうとすれば、たちまち大騒ぎになる。


 そういうわけで巴愛が選んだのは「独り暮らし」的な生活だ。食材は街で購入して自炊し、掃除や洗濯も自分で行う。長年家事を行ってきた巴愛には苦でない行為だ。これならあまり人目につかずに生活できる。寝所の棟から街へ出られる抜け道も教わったことだし、抜かりはなかった。


 ――はずなのだが。


 静頼から戻ってきてから、真澄も知尋もやけに巴愛を連れ歩くようになったのだ。真澄は白昼堂々皇城の中を案内してくれたし、知尋も神核研究のデモンストレーションに連れて行ってくれた。貴族や騎士は皇を見て道を開け低頭するが、隣に立つ巴愛を見てぎょっとする者もいれば、怪訝そうな顔をする者もいる。当然のことだろう。ここまで女気のなかった皇の隣に、急に女性が現れたのだ。


 九条巴愛という女性は、「可愛い」よりは「綺麗」寄りで、背もすらっと高くスタイルが良い。真澄の隣に立つと大層お似合いだから、必然的に彼女は「兄皇の側室では?」と誰もが勘ぐるのだ。だが真澄も知尋もそれを全く気しない、もしくは気にしないふりをしていた。『これからは直接守る』――真澄の言葉の意味が、巴愛にはようやく分かったのだ。貴族たちに巴愛の存在を知らしめ、そのうえで守る。反論する者は許さない――つまりそういうことだ。真澄と知尋が守る人間に、おいそれと手を出すことはできないだろう。


 静頼から戻って数日後の朝、真澄は喜納公爵、および娘の加留奈の死刑を執行させた。皇の命を狙い、禁止されている大型銃器を個人で所有し、多くの住民を巻き込んだ。その罪は疑いようもなく、日本の法務省のように死刑囚をいつまでも待たせることはなかった。喜納の一族は爵位剥奪され、利用されただけの神谷家は罪を免れた。


 喜納の一族は公爵と加留奈の処刑に、どうか慈悲をと泣きついたが、司法官は取り合わなかったし、真澄も同様だった。真澄でなければ一族ともども処刑されかねなかったし、そうでなくとも国外追放くらいは妥当と考えただろう。今回そうしなかったのは、一族の者が暗殺計画の存在自体を認知していなかったということがあったからである。


 喜納公爵は昔から最大の真澄の悩みの種だった。その増長をどう抑えるか、だいぶ悩んだものだ。しかも喜納は今回真澄の命すら狙ってきた。完全な謀反人で国家規模の犯罪者となったのだが、それを処刑したところで気分が晴々としないのが真澄らしいところだ。殺したいほど憎んだ極悪人でも、やはり死んですっきり思うことはないのである。


 午前中の仕事を済ませて、休憩をと寝所に戻ったとき、ばったり巴愛と出くわした。彼女は出かける恰好だった。


「あ、真澄さま。お仕事お疲れ様です」

「ああ。出かけるのか?」

「はい、今日の晩御飯の食材を買いに」


 いつもは昴流がいるので数日分の食材を買い込めるのだが、今日は一日訓練だとかでいないので、夕飯の分だけ買いに行くのだ。「そうか」と頷いた真澄は、さらっと自然に提案した。


「私も一緒に行っていいか?」

「え!? でも、今はお休みの時間なんじゃ……」

「そう、休憩時間だ。ならどこへ行っても別に構わんだろう?」


 それは確かにそうである。真澄が良いなら巴愛に問題はないし、むしろ一緒にいたいくらいだ。そういうわけでふたりは揃って皇都・照日乃の市街地へ出かけたのである。


 市場は相変わらず賑わっており、威勢のいい客寄せの呼びかけが飛び交っている。二人並んで歩きながら、悠然としている真澄に尋ねる。


「でも、皇さまってこんな簡単に出歩いていいものなんですか? あたしの印象的には、皇さまは変装して身分を隠してお忍びするものだと……」

「そうするべきなのだろうが、そういうのは好きじゃない」


 きっぱりと宣言され、いっそ清々しいことだ。


「今更身分を隠したところでばれるさ。私はしょっちゅう街を出歩いているからな」

「そ、そうなんですか」

「うん……子供のころあまり外に出られなかったから、その分あちこち行ってみたいんだ」


 巴愛が無言で首をかしげると、真澄は苦笑した。


「私は悪政皇と呼ばれた男の息子だ。私に期待してくれる者もいたが、圧倒的に皇族に不信感や恨みを持つ民のほうが多かった。そんな状態で出歩いたら、冗談ではなく命が危なかったからな……」

「……仇の子は仇、って言う考え、結構古臭いです」

「まあな。けれど一度失った信用を取り戻すのは難しい。剣をいくらうまく扱える者でも、人の心は容易く操れない。……だからこそ私は、いまのこの街が好きだし、感謝している。私たちを信じ、国をゆだねてくれた民たちにな」


 その言葉からは、彼がどれだけこの国を大切にしているのかが伝わってくる。


 とはいえ、皇自らが突然市街地に現れたら民は混乱するに決まっている。しかしここで真澄の人柄が見えた。皇の姿を見た住民たちは崇拝の目で真澄を見、恐れ多く道の脇にどくのではなく、国民的アイドルに群がるファンのごとく真澄に殺到したのだ。真澄も困ったような顔になりつつも嫌がりはしなかったし、これが真澄と民の間にできた絆なのだろう。


 巴愛がこの世界で生活するようになってだいぶ時間が経っており、市街地の店の者などとはもう顔見知りの間柄になっていた。彼女が皇城の侍女である咲良や、服装は違っても明らかに騎士としての物腰を見せていた昴流を伴って買い物をしていたことが多いので、みな巴愛が皇城勤めの人間だろうと思っていたらしい。しかしここにきて皇とともに現れたので、その点でも驚かれた。


「巴愛ちゃん、あんた一体何者なんだ?」


 世話になっている八百屋の青年が唖然として巴愛に問う。巴愛は曖昧に微笑んだ。


「えっと……あたし、真澄さまに命を助けてもらったことがあって」

「そ、そうだったのか!? 今まで気安い口利いちまって……」


 青年がそう言って慌てるので、巴愛が首を振る。


「い、良いんですよ、今まで通りで」

「だって、巴愛ちゃん……兄皇陛下の皇妃さまになるんじゃないのかい?」

「……え?」


 巴愛が唖然とした。まさか本当にそう見られてしまうとは意外なのである。慎み深い彼女は、自分が真澄の似合いの存在であると自覚していなかったのである。


 巴愛が質問攻めに遭いながら買い物している様子を、真澄は少し離れて見守っていた。傍にいた住民も、巴愛にしたのと同じ質問をした。


「あの娘さんが、陛下のご側室なのですか?」

「そう見えるか?」


 真澄が微笑むと、周りの者は一斉に頷いた。


「はい、とてもお似合いですよ!」

「あの子は気立てもいいし」

「陛下と同じように質素だ」


 口々に言う民たちの輪の中で、真澄は軽く腕を組む。


「そうか……残念ながら、私と巴愛はそういう関係ではないんだ」

「今はまだ、なんじゃありませんか?」


 からかうような口調で誰かが言う。目を閉じた真澄は、ぽつりと呟く。


「……そうなれば、いいな」


 これは本当に、真澄の心の声だ。いつもなら思っても口には出さないのだが、どうやら巴愛と「似合いだ」と言われたことが思いの外嬉しかったようだ、と客観的に真澄は感じる。


 ともかくも買い物は済み、ふたりは皇城に戻った。道中、真澄が荷物を持ってくれたのは彼の性格からして当然だった。皇さまを荷物持ちにするなんてなあ、と巴愛は内心で冷や汗ものである。


「大騒ぎだったな。良い機会だと思ったのだが、時期尚早だったかな」

「何が良い機会なんですか?」


 真澄は微笑んだ。


「……一度くらいは、こうしてふたりで出かけてみたかった、と言ったら引くか?」


 巴愛は途端に顔を真っ赤にして俯いた。そして小さな声で「あたしもです」と付け加えたところが、なんとも可愛らしいことだ。


 今の真澄の言葉も勿論本心なのだが、実はそれだけではない。民に巴愛の存在を知らしめるいい機会だと思ったのだ。真澄を支持する民は、必然的に巴愛のことも支持する。巴愛に何かあったとき、民が味方になってくれれば――と思ったのだが、どうやら真澄という存在がなくても、巴愛は街の住民に好かれていたようだ。だからこそあれだけ大騒ぎになったのだろう。


「私たちの我が儘で苦労を掛けてすまないな」


 真澄が袋いっぱいの食材を見て言った。巴愛は首を振る。


「苦労なんかじゃないです。あたし元々独り暮らしでしたし……今までみたいに咲良さんがお世話焼いてくれるほうが、あたしには信じられなかったから。むしろ、真澄さまのほうが大変なんじゃないですか?」

「ん、まあな……わざわざ食堂のほうまで行って食事をするのは、面倒だな。それ以外は、割と何でも自分でできるんだが」


 だったら侍女を雇えばいいのに、と真澄も巴愛も思うのだが、そこが真澄の頑ななところだ。


「じゃあ、今日のお夕飯一緒にどうですか?」


 話の流れでついそう提案してしまったのだが、口に出してから巴愛は「しまった」と思った。緊張しやすい巴愛が真澄の分の夕食をつくって招待するなんて、自分で自分の首を絞める行為だ。


「……いいのか?」


 真澄が巴愛の内心を見抜いたように尋ねる。言ってしまったからには責任を取らなくてはならない。巴愛は笑顔で大きくうなずいた。


「はい、勿論!」

「……そうか。なら、期待させてもらうよ」


 真澄は微笑む。巴愛はさらに想像を膨らませる。


「いつかあたし、お菓子作って生活していきたいな」

「巴愛は菓子作りが上手いからな。……そうだな、街で君の作った菓子を売ったら、儲かりそうだ」


 儲かりそうって、皇さまが言う言葉ではない気がするのだが、巴愛はくすくすと笑う。


「実現したら、楽しそうです」

「実現させたいか?」

「え?」

「今はまだ『いつか』としか約束できないが……君がそれを望むなら、その体制を整えてやれるかもしれない」

「ほんとですか!?」


 予想以上に食らいついた巴愛に、真澄はやや意外そうにうなずいた。


「ああ。……そこまで言われてしまったら、やるしかないな」

「有難う御座いますっ。あたし、楽しみにしてます!」

「分かった。任せておけ」


 そんな話をしながら皇城の門をくぐったところで、ひとりの文官の男が駆け寄ってきた。


「ああ、兄皇陛下、こちらに」

「どうした?」

「火急の用件ができたのでお戻りくださいと、宰相閣下が」

「分かった、すぐに行く。……悪い、巴愛、ここでお別れだ。一人で戻れるか?」


 真澄が気遣うように問いかけ、巴愛は頷いた。真澄の手から荷物を受け取る。


「勿論大丈夫ですよ。えっと……荷物、有難う御座いました」

「ああ。私でよければいつでも呼べよ」


 と言われたところで巴愛が呼べるわけがないと真澄も分かっているはずだが、意地悪な人である。


 真澄と別れた後、裏口から寝所に入るために庭を歩いていくと、目の前にひとりの中年男性が立ちはだかった。その眼は一見穏やかそうに見えて、実は酷く冷たいことを巴愛は察した。


「貴方は確か九条巴愛殿でしたな。失礼ながら、貴方はどこのお生まれですか?」


 急に問われた巴愛が返答に窮すと、おそらく貴族なのだろうその男は都合よく解釈したようだ。


「口に出すこともできない、卑賤な生まれということですな。貴方のような人間が皇陛下の隣に立つなど、許されることではありません。皇陛下の温情に甘えず、潔く身を引かれてはいかがですか?」


 真澄から、貴族にこの手の話題で絡まれたら『何も言うな』と指示されていた。口を挟めば話は相手の都合よく膨らんでいく。巴愛が困っているときは、必ず誰かしらが駆けつけるだろう――と。


 くどくどと貴族はいかに巴愛が「皇に相応しくない」かを論評した。巴愛は黙り、声は聴いても言葉の意味を理解するのはやめにした。でないと心が折れそうだったのだ。


 しかし、この一言は巴愛の耳に鮮明に響いた。


「まったく、素性も知れない娘を傍に置いたり、青嵐からの亡命者を騎士団の部隊長位に据えたり、陛下は玖暁の伝統を地に貶めている……」

「……! 真澄さまは、そんなこと……!」


 思わず反論しそうになった瞬間、巴愛の肩に手が置かれた。はっとして振り返ると、そこには天崎李生が立っていた。貴族の男がぎょっとする。


「あ、天崎……!?」

「このような場所で皇への不満を口にするとは、あまり感心出来たことではありませんね、安斎(あんざい)子爵」


 李生の声は相変わらず静かだ。


「俺個人のことは別になんと言われようと構いませんが、兄皇陛下の名を汚すことを見過ごすわけにはいきません」

「し、しかし……彼女が素性の知れない娘であることは変わりないだろう!」

「素性を知らぬのは、貴方だけではありませんか」


 これは李生のはったりだが、子爵には十分な効力があったらしい。どもる子爵に、李生はさらに追い打ちをかける。


「彼女は陛下が傍にいることを許した御方。子爵、貴方は何の権限があって、巴愛殿に声をかけているのです? 返答によっては、この場で貴方を不敬罪で逮捕させて頂きますが……?」


 子爵は冷や汗まみれの顔で、それでも舌打ちをするという見栄を張り、そそくさとその場を去って行った。それを見送り、李生が溜息をついた。


「すみません、いささか来るのが遅かったですね」

「い、いえ……有難う御座いました。でも、李生さんも大丈夫ですか? あの人、李生さんに酷いこと……」

「……俺が青嵐の生まれだと言うこと、ご存知だったのですか?」


 巴愛は素直に頷いた。李生が微笑む。


「隠していたわけではないのですが、なかなか俺の口から言うべき時がなくて。今が頃合いかもしれませんね」


 李生はそう言って巴愛の荷物を受け取り、部屋まで送ると申し出た。その道中、ぽつぽつと李生は身の上を語ってくれた。


「俺の父は青嵐の騎士でした。当時の青嵐にもいくつか派閥があり、父は敵対する派閥の人間から命を狙われていました。そのため俺は幼いころ、母とともに青嵐から逃げたのです。父が、俺たちを巻き込まないようにと」

「李生さんのお父さんは……?」

「俺と母が国外脱出してすぐ、殺されたそうです。……青嵐は、酷い国だったんですよ」


 李生はそう呟いた。もう父の死を乗り越えた、そんな顔だ。


「俺は玖暁に亡命し、母とともに仕事を探しました。しかし時代は前皇の悪政下、青嵐との関係が最悪な時でした。ろくな働き口もなく、結局行き着いたのは辺境の街の神核加工工場で、俺と母は地獄のような重労働を強いられることになりました。俺たちは青嵐の人間で、しかも前皇のもとではまともな労働環境など整っていませんでしたから、別に俺たちが死のうがなんだろうが構わなかったのです。今から……十五年ほど前のことです」

「酷い……」


 歴史で習った、イギリスの産業革命のころのようだ、と巴愛は思った。悪い労働環境の中、長時間の重労働と低賃金。そんな時代が、やはりこの世界にもあったのだ。


「それを救ってくださったのが、真澄さまと知尋さまです。皇が交代しても労働状況が変わらなかった工場に視察に来て、その場で経営者を摘発してくださった。それだけでなく、亡命人である俺と母を玖暁の民として迎え、俺に騎士という選択を与えてくれた。だから俺は、真澄さまたちのために生きると誓ったのです」


 李生は父から、青嵐の武芸などを教え込まれていた。その知識をいま、李生は青嵐を攻略するための策として使っている。生まれた国に仇をなすような行為だが、李生は引け目を感じていない。もう青嵐を故郷とは思っていないし、玖暁の勝ちを導きたいのだ。勿論隊の者は、李生が青嵐人だと知っている。そのうえでの絆だ。


「生まれた国も人種も関係ない。世界のみなが手を取り合って幸せに生きたい。それはとても難しいことだが、少なくともお前は玖暁と青嵐が共に生きていけると言う証だ。……真澄さまは以前、俺にそう言ってくれました。その言葉が、何よりも嬉しかったのを覚えています」


 それは李生への励ましでもあり、真澄の理想なのだろう。だから真澄の理想を馬鹿にする者は許せない。李生はそう言ってから苦笑した。


「……これでもまだ、俺を青嵐のスパイだと疑う者がいます。巴愛さんはどうですか?」


 巴愛はむっとして李生を見上げた。


「あたしが李生さんを疑うわけないじゃないですか」

「……有難う御座います」


 李生が頷いた。


「李生さん、ひとつお願いしていいですか?」

「なんでしょうか」

「いつか、昔の青嵐のこととか教えてください」


 それは李生の意表を突いた頼みだったらしく、李生は目を見開いた。


「どうしてまた、青嵐のことを?」

「あたしは玖暁に助けられたから、青嵐のことは敵だとしか思っていなかったけど……それだけじゃない部分だってあるんですよね。青嵐からすれば、玖暁は敵なんだし。敵味方じゃなくて、あたしは青嵐っていう国そのもののことを知りたいです」

「……成程」


 李生は感心したように呟いた。確かに李生が生きていた時代の青嵐は荒んでいたが、それでもいい国だと思うこともあった。巴愛には「青嵐は敵」と植え付けてしまっていたので、公正な目で青嵐を知りたいと思うのも当然だ。


「分かりました。時間があれば、いつでも」


 李生が微笑んだ。今の生活に勝る幸せはないが、それでも子供のころには楽しいと言える思い出がある。それをどんなふうに言葉にしよう。李生は今からそんなことを考えた。

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