表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶喪失の癒し姫と白金の教育係と紅髪の護衛騎士  作者: おうぎまちこ
第2部 太陽の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/289

第57話 ソルとアリスの関係




 馬車が揺れる中、ティエラは猫のような瞳をした女騎士アリスのことが気になっていた。


(ソル、アリスさんに砕けた口調で話をしていたわね……)


 ティエラの胸に何かがひっかかった。


「姫様、どうかなさいましたか?」


「あ、いいえ」


 アリスに声をかけられたティエラは、咄嗟に否定した。

 ソルもティエラに話しかけてくる。


「ティエラ、あんた、どうかしたのか? 様子が変だぞ」


「え、えっと……ソルとアリスさんって、知り合いなのかな……って」


「なんだ、そんなことか……」


 ティエラに対して、ソルが説明を始めた。


「こいつは、騎士団の同期だよ」


 彼から、改めてアリスの事を紹介される。


「ご存じありませんでしたか、姫様」


 少し寂しそうにアリスが言ったので、ティエラは躊躇った。


(記憶を失っているから、知らないだけかもしれない……記憶を失っていることを説明した方が良いのかしら……?)


 ティエラが悩んでいると、彼女の血の繋がらない叔母フロースが話に入ってきた。


「ティエラはアリスのことを知っておるぞ。もちろん、その剣の小僧とアリスの縁談の話もな」


(ソルとアリスさんの縁談……?)


 ティエラは驚いてしまった。

 女騎士アリスは困ったような表情を浮かべている。

 ソルは大きなため息をついた。


「その話か……」

 

 ソルには剣の一族の跡継ぎとして、絶対に男児を生まなければならないという使命がある。


(もう成人して数年が経っているわけだから、縁談の話が出ていてもおかしくはないわね……むしろ、まだ妻を娶っていないことの方が、剣の一族にとっては不利益のはず……)


 ティエラの胸のうちのもやもやが強くなる。


「もうじき、ティエラもあの玉の狐と結ばれるわけだし、その剣の小僧も年貢の納め時ではないかえ? もちろん、アリスもな」


 フロースはにやにやと笑っている。

 そうして、彼女は続けた。



「ティエラの記憶がないから、その方がうまくまとまりそうではあるんだがのう」



 ティエラとソルは、フロースの方を見た。


「姫様の記憶が……?」


 アリスは、今知った様子で驚愕の表情を浮かべている。



「さて、ではお前たち、わらわに話してもらおうか? どうして玉の狐に追われているのかを――」

 


 フロースはティエラとソルを見て、不敵に笑ったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ