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記憶喪失の癒し姫と白金の教育係と紅髪の護衛騎士  作者: おうぎまちこ
第5部 月華・玉の章(if)

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第131話 月が招くは




「ルーナ様、お久しぶりにございます」


「オルドー様、こちらこそ。お元気でしたか?」


 ルーナが城に招いたのは、紅い髪に碧の瞳をした女性――オルドー・ソラーレだった。彼はティエラの護衛騎士を勤めるソルの姉でもある。

 彼女が結婚し妊娠するまでは、城でティエラの世話をしていた。オルドーが城を出た後は、ヘンゼルとグレーテル姉妹がティエラの世話を引き継いだ。そんな彼女達も今は城を不在にしたり、他の任務に当たったりしている。

 そのため、引退し子供を育てていたオルドーをティエラのお世話係として復帰してもらうことにした。

 もちろん、オルドーの父である騎士団長イリョス・ソラーレに言うことを聞いてもらうための人質でもある。


(オルドー様が戻れば、姫様も喜ぶに違いない)


 そう思うと、ルーナは自然と笑みがこぼれた。

 彼は、自身がティエラを部屋に閉じ込め、彼女の自由を奪ってしまっていることも十分承知している。

 それでも、やはり彼女が微笑む姿を想像するだけで嬉しくなる。

 スフェラ公国との闘いを経るまでは、ティエラに何かしてあげるととても喜んでくれていた。


(貴方が幸せになるのに協力したいと彼女は言ってくれた)


 彼女が少女の頃のように、自分に振る舞ってくれるかもしれないと思うと心が弾む。


 考え事をしているルーナに、オルドーが声を掛けた。


「また姫様のお世話が出来るのは嬉しいですわ。ただ、ソルは大丈夫なのでしょうか?」


「今は休んでいるようですよ。我々の式の頃には元気になっていると思います」


 ソルについては、適当な理由をつけて返答することにした。

 本当の理由を話せば、オルドーからも反発を買うだけだ。


「それではよろしくお願いいたします。ではさっそく姫様の元へ――」


 彼女は踵を返し、宰相の執務室から出ようとする。その背に、ルーナが声を掛けた。


「オルドー様、貴女の受けてきた神器からの加護について御質問がございます」


 呼び止められたオルドーはきょとんとした表情を浮かべていた。

 少しだけ、嫌いなあの男に顔が似ている。


「加護について、ですか?」


「はい、女性が受ける加護について知りたいのですが――」




 


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