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記憶喪失の癒し姫と白金の教育係と紅髪の護衛騎士  作者: おうぎまちこ
過去編

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202/289

【正史】0-14 戦前

おじさん達が会話するだけの話になってしまいました。ごめんなさい。

新作「蒼星のセレス」と話数調整に入っています。話を連動させていく予定なので、どうぞよろしくお願いします。

今回、話も短くてごめんなさい。


「開戦は、避けられそうにない、か」


 国王テラノ・オルビス・クラシオンの声が、玉座の間にぽつりと零れる。彼の優し気な金の瞳が、揺れている。

 現在、玉座の間に、国の首脳陣が集まり、会議をおこなっていた。


「申し訳ございません。神剣の力が、愚息に移行している時機を狙われてしまいました」


 国王の前に立つこの国の騎士団長イリョス・ソラーレが、国王に向かい、深々と頭を下げていた。

 国王は、イリョスの謝罪にやんわりと答える。


「想像は出来ていたことです。イリョスが謝ることではありませんよ」


 イリョスの近くに控えていたノワ・セレーネが、不思議そうにイリョスを見ていた。

 ノワの隣には、義弟であるルーナ・セレーネが控えている。


「どういうことでしょう?」


 ノワは、国王に尋ねる。

 それに対し、国王の隣に立つ大公プラティエス・オルビス・クラシオンが説明を行った。


「ちょうど、神剣の力が、イリョスからソルに移行し始めている。一騎当千と評判だったイリョスの力が弱まる時期だ。オルビス・クラシオン王国が弱体化している今こそ戦を仕掛けようと、スフェラ公国は狙いを定めていたんだろう」


 大公プラティエスの隣には、彼の愛弟子であるセリニ・セレーネも控えていた。

 彼は、「差し出がましいですが」と言って口を挟む。


「魔力の高まりも感じますゆえ。宣戦布告なしで仕掛けてくる恐れもあるかと」


 セリニの言葉に、ノワが反応する。


「でしたら、ルーナは強い。義弟を戦に駆り出せば、すぐに終わるのではないですか?」


「そうはいかない」


 すぐにイリョスが低い声で、ノワに反論する。


「次代の剣の守護者が弱いと思われたままだと、また戦を仕掛けてくる輩もいるだろう。確かにルーナ殿は強いが、魔力の源泉のない場所などでの戦いは不利だ」


 イリョスの鋭い眼光に、ノワは身震いしている。

 大公が、話を進める。


「じゃあ、あの剣の坊主が出陣なのは良いとして、魔術師は誰を出す? ルーナは、城とティエラの防衛で決定だ。俺は研究の方を優先しないといけない。本当は研究を手伝ってもらいたいんだが、セリニか?」


 セリニは、特に表情を変えた様子はない。

 彼は、淡々と答える。


「特に問題はありません」


「もう一人、魔術師の集団を率いることができる奴がほしいな」


 咳をしている国王に代わり、プラティエスが話す。

 それにルーナが返答した。


「ウムブラで、どうでしょうか?」


「ああ、あの平民のな」


 プラティスが納得していた。

 呼吸を整えながら、国王が皆の話をまとめた。


「今度の戦、イリョスが出れぬ。まだ成人したばかりだが、新たな剣の守護者ソル・ソラーレの初陣だ。必ずや勝利を収めることが出来るように、心してかかれ」


 皆が是と頷く。


 本人の知らぬところで、ソルの初陣が決定していた。


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