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記憶喪失の癒し姫と白金の教育係と紅髪の護衛騎士  作者: おうぎまちこ
第4部 竜の章

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第107話 演説前日・これから




「姫様は起きているか?」


 部屋に入ってきたのはセリニだった。

 ティエラは、ちょうど考えていたセリニが現れたので、少しだけ驚くとともに安堵する。


「このような夜更けにすまない。姫様に話がある」


 セリニは、ティエラに確認をとる。


「セリニさん、ご無事だったんですね。私も話したいことがありました」


 ティエラは隣室のソルに声をかける。

 彼と合流してから、三人は階下へ向かった。

 途中、グレーテルの部屋に声を掛けたが、もう眠ってしまっているのか反応がなかった。アルクダにも声を掛けたが、「取り込み中です」と断られ、「明日、グレーテルさんと一緒に聞かせてください」と返事があった。

 そのため、ティエラ、ソル、セリニの三人で応接室へと向かった。




※※※




「竜に会ったのか」



 セリニは、さして驚いたような表情を浮かべることはない。余程の事がないと動じないのだろう。


「セリニさんはご存じでしたか?」


「神器の使い手らが、連綿と血を成しているのだから、竜が封印されているのは真実だとは思っていた。だが、誰かを乗っ取るとは……。異形の化け物だと、私も思っていたよ」


「本体は別にあるって、あいつが言ってぞ」


 そうかと、セリニはソルに返した。


「生け贄の代わりに、竜の封印を強固にするため、偽の神器を使うのだろうと思っていた……。ルーナの滅ぼしたいという言い分とは、矛盾するが」


 セリニは続ける。


「話を聞く限り、竜は男である王に憑いている。鏡の一族は何かに憑かれやすい。そして竜は女を喰う……。前はシルワ姫の予定だった。次は姫様。どちらも王族の血筋……」


 誰かに話しかけるというよりも、独り言に近い。


「これまでも、歴代の姫達の成人前後での死は多かった。流行り病や不慮の事故と言われていたが、竜に喰われていたのだろう」


「セリニ、だがもう鏡の一族はティエラ一人だろ。竜は外に出たいのか? 鏡の一族でなくても、女を喰えさえすればそれで良いのか?」


 ソルの問いかけに、セリニはうつむいたまま答えた。


「それなら、わざわざ王族を差し出す意味はないだろう……」


 そう言った後、セリニは一瞬はっとした様子になる。だが、すぐに元の無表情に戻る。


「だから、ルーナは急いでいるのか……?」


 セリニは独りごちる。


「何か、気づいたんですか?」


 ティエラが不思議そうに、セリニを覗きこんだ。


「姫様、一度お会いした方が良いと思われる人物がいます」


「だが、フロース様の確認はとりたい」


「フロース叔母様の?」


 ティエラは、フロースの話が出てきたので驚いた。

 セリニは、大公プラティエスの愛弟子だった。

 フロースは、大公の妻だ。

 セリニとフロースに接点があってもおかしくはない。


「姫様の成人も近い。ルーナの演説を聞き次第、ウルブに戻りたいのだが、良いだろうか?」


 そう言われて、ティエラは頷いた。

 ソルは、そんな彼女を黙って見ている。

 

「それと道中、姫様に魔術を教え直しますゆえ」


「いいんですか? ありがとうございます」


 ティエラが微笑むと、セリニも微笑み返した。


「青い本を以前購入されていただろう? あちらが魔術書です。あれを、使いましょう」


 ティエラは、てっきり、ただの古典文学だと思っていた。


「それでは、話は一旦これで」


 そうセリニに言われ、ソルとティエラは応接室を後にした。





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