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7話
私は自分のバッグから回収していた電話線を取ると、館の固定電話に接続した。そして兄を迎えに呼びつける。
白銀家はもう、私と兄しかいない。ここは白銀家が管理する白銀島だ。だから迎えは兄に来させる他ない。大丈夫、白銀家はジェット機が2機ある。兄も免許を持っているので、問題ない。
しかし、ここで問題に気づく。私が帰ってしまったら、あのプライベートジェット機は誰が操縦したことになるのか。
そうだ。ちょうど兄が来るではないか。前々から気に食わない兄であった。殺してしまって、兄が操縦したことにしよう。
そして私は、兄が乗ってきたジェット機に乗って帰れば良い。
そうだ。だとするとパンフレットは問題になる。いや、風邪で休んだことにしよう。だから兄に運転を代行してもらった。これならパンフレットに私の名前があっても問題ない。
ああ、あともう一つ変なことがあった。104号室の部屋が、何故か施錠されていたのだ。
鍵となるカードキーも見当たらない。まあ、これから警察が捜査をするために調べるのだ。その過程で見つかるであろう。




