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孤島色のトラップ  作者: violet
解決編
17/25

6話

 館に着いて、私はハッとした。そうだ、すり替えトリックは条件が合わないと成立しない。


 すなわち、全員がTシャツを着ていなければならないのだ。


 聡はともかく、私と黄島さんは血まみれだ。着替えていないとおかしい。しかし着替えてしまえば、後に発見される私の死体がTシャツを着ていることが不自然になる。


 私は急いで黄島さんを呼んだ。着替えさせてはならない。


 私は無防備になるから、といった適当な理由でなんとか黄島さんが着替えるのを阻止した。


 そして三人がバラバラになったら、急いで私は機内に戻った。


 防火斧で桃瀬さんの首を切断し、館内に運んで、私の服を着させた。


 その後、大声で悲鳴を上げた。すぐに私は隠し持っていた4つ目の鍵(・・・・・)で玄関を施錠し、その場を去った。


 翌日。黄島さんは自分の部屋を移し替えていて、見つけるのが大変だった。


 しかし彼女はしっかりと施錠されていて、それが逆に彼女がいる場所だと分かった。


 私はマスターキーでドアを開け、彼女を確認する。そして紐で首を締める。途中で目覚めてしまったようで、激しく抵抗されてしまったが、なんとか殺すことに成功する。


 しかし絞殺のせいで、彼女から体液が漏れ出した。


 私は慌てて椅子を用意し、縄を天井のフックに掛け、そして彼女を吊るした。


 慌ててやったので、つい素手で作業をしてしまったことに気がついた。


 私はハンカチで指紋を念入りに拭き取り、ようやく首吊の作業を終えた。


 そして最後に、聡を殺害する。同じミスをしないよう、今度は手袋をつける。


 聡。君を最後にするのは、ずっと決めていた。


 あなたは私のことを好きになってくれなかった。だから殺すのだ。


 聡は自室の部屋の椅子に座っていた。画材が用意されていて、正面には大きなキャンバスがあった。彼には意識があったが、私に対して一切の反応がなかった。


 どうも、茫然自失といった感じであった。途中まで思い出したのかも知れない。そんな中で黄島さんと喧嘩をしたら、こうなってしまうのだろう。


 私は構わず、近くにあった椅子を両手で握る。大丈夫。手袋はつけている。指紋はつかない。


 ボーッとしている聡に、椅子を振り上げて、殴りつけた。


 動かなくなった聡。これで私の復讐は終わった。後は後始末だ。

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