4話
「え? 犯人は青谷だったんですか?」
と山田。
「恐らく。俺の立てた推理はこうだ」
青谷はまず、機内で三人を殺害した。しかし他二人が起きそうだったので中断。機内を滅茶苦茶にし、気絶したフリをした。
その後、三人は館に辿り着いた。そしてどこかのタイミングで、プライベートジェット機に戻った。そして桃瀬の首から上を切断し、館に持ってきた。遺体を自分の部屋に置くと、遺体の服を取り替えた。これで他二人が、青谷が死んだと思い込む。首から上が無いとはいえ、青谷と同じ服装をしているんだ。素人ならそう思い込んで当然だ。
そうして二人の警戒から逃れた青谷は、隙を見て二人を殺害した。しかし赤矢を殺害実行時、実は殺し損ねていた。朦朧とした意識の中、赤矢は犯人である青谷の色である、青いハンカチを掴んだ。あれはダイイングメッセージだったんだ。
――パチパチ。
拍手が聞こえて、俺は振り向いた。
「凄いですね。初めて刑事さんの推理を聞きました」
その人は女性だ。白い肌。小さな顔。そして長い髪。人形のように整った目、鼻、口。まさに高貴な美女といった感じ。
「まあ、そういうわけですよ。ええっと」
俺が困っていると、その女性はニッコリと笑って、こう言い放った。
「ああ、申し遅れました。白銀乃々です」




