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孤島色のトラップ  作者: violet
解決編
13/25

2話

 俺たちはまずプライベートジェット機の現場に赴いた。


 鑑識はまだ終わっていないが、ちょっとだけ覗くことは許可された。


「うっわ。こりゃひでえ」


 中は凄惨たる状態であった。あちこちに血が飛び散り、小物が散乱し、そして遺体が機内後方で散らばっている。


「ふーん。散らかっていて傷も付いているが、それだけだな。不時着にしては、キレイな方だ」


 そう言うと、鑑識の一人が食いついてきた。


「ええ、そうなんですよ。どうも機内の傷はそこの防火斧で傷つけたものみたいで」

「ふーん。じゃあ犯人がやったわけだ。あれか? 殺害している最中に他が起きそうだったから、中断して不時着のせいでこうなったと見せかけたかったのか」

「はい、そうだと思います」


 鑑識が俺の意見を肯定した。


「あー、小田切さん!」


 刑事の一人が、俺に駆け寄ってきた。


白銀館(しろがねかん)のすぐ近くに地下の部屋がありました。そこの電話線も抜かれていたそうです」

「そこも?」

「ああ、白銀館に設置されてある固定電話の線も、抜かれていたんですよ」


 山田が補足する。俺は少し考え込んで、そして尋ねた。


「その地下の部屋は、見つけ難い場所にあった?」

「ええ、そうですね。だから発見が遅れました」


 刑事が俺の意見を肯定した。だとすると、妙である。


「黄島はこの島に詳しいのか?」


 俺は山田に尋ねた。


「いえ、詳しくはないと思いますけど。どうしてですか?」

「流れとしてはこうだ。プライベートジェット機から抜け出した、黄島、赤矢、青谷の三人は偶然にもこの館にたどり着いた。そして黄島は、誰よりも早く館内の電話線を抜き、そして誰よりも早く地下空間を見つけ、そこの電話線も抜いた」

「ああ、なるほど。ここに詳しくないと、難しいかも知れませんね」


 山田は俺の言いたいことを汲み取って納得した。


「それで、どうしますか?」


 と山田。


「ふむ。とりあえずは白銀館に行くとしよう」

「わかりました。ではこっちです」


 俺と山田は白銀館に向かった。

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