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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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378話 始まりから脱線は始まる -新キャラ登場ですかね?-

オルランドの嫁決めが始まりました。

「では、これよりオルランド教皇の婚約者候補を決めるための、最終選考を始める。エリーザベト、モニカは教皇の身前に!」


「はいですわ」「はい」


進行役の枢機卿の声に、エリーザベトとモニカが前に進む。信徒による最終選挙でも投票数は有効数を超えることなく、最終選考として枢機卿の投票に持ち越されていた。信徒達は広場前に集まっており、アライグマ騎士団とマルコの部下に広場の警護と、怪しい人物の監視を頼んでおり、全員が指定の場所に展開していた。


「そう言えば、どんな感じで最終選考をするのかを聞いてなかったな。エレナは内容を知ってる?」


亮二が最終選考の様子を眺めながら、これから行われることをエレナに小さい声で確認する。横に居たエレナは亮二に近付くと、顔を寄せて耳元で囁く。


「リョージ様がラッチス枢機卿の説明を聞かずに、他のことを考えてたからだと思いますよ。全員で話を聞いてますからね。最終選考についてですが、これから二人はオルランド教皇の前で、自分の今までの功績や、これからなにをするのかを披露したり、妻となったらどのような生活をするのかを、教皇と枢機卿の前で語るんですよ」


「なにそれ? 公開処刑?」


「えっ? 普通ですよ。私達も結婚式の時は同じようなことをする予定ですよ。リョージ様は八名と結婚されるので、八通りの生活を考えないと駄目ですから頑張ってくださいね。私とマデリーネが居ますので、王国と帝国の宮殿前で発表する必要がありますよ。もちろん、私との生活を一番大事にして下さ……。痛い! ちょっと! カレナリエン。足を踏むのをやめて!」


少しずつ距離を縮めながら亮二と話していたエレナの足を、カレナリエンが全力で踏み抜いた。思わず距離を取ったエレナと亮二の間に入り込むと、エレナを睨み付けるように注意する。


「エレナ! リョージ様との距離が近すぎるわよ。婚約者協定で、私達から近付く場合の距離と接触時間を決めたじゃ無い!」


「いいじゃない! こんな厳粛な場所で大きな声で説明なんて出来るわけないでしょ! 何事にも特例ってのがあるのよ!」


「なにそれ? 婚約者協定? 始めて聞く内容なんだけど?」


エレナとカレナリエンの小声での攻防に、思わず亮二がツッコむ。小さな声で言い争っていた二人だったが、亮二の声で我に返ると慌てたように笑い声を上げながら誤魔化し始める。


「えっ? ふふふ。いやですわ。リョージ様。乙女達の秘め事を聞くなんて」


「ははは。そ、そうですよ。今は静かに二人の言葉に注目しないと駄目だと思いますよ!」


「いや。ちょっと聞き捨てならない内容だよね? なんとなく、みんなからのスキンシップが少ないと思ったら、それが原因だったの? だったら、そんな協定は破棄するように……。痛ぃ! なんだよ! 邪魔すんなよ! 今、大事なところなん……。痛ぃ! ん? マルコ? なに?」


周りを見渡すと、オルランドやエリーザベトからは苦笑が。アロイージオからは睨み付けるような視線が、ラッチスを始めとする枢機卿達からは呆れた表情で、亮二達を眺めており式典も中断していた。


「お前達が五月蠅いんだよ! こっちが大事なところなんだよ! 痴話喧嘩はうっとしいから外でやれ!」


マルコにより謁見の間の外に追い出された三人は、目の前で閉まっていく扉を眺めていた。


□△□△□△


「おいおい。追い出されちゃったよ。どうするよ?」


「カレナリエンが悪いんじゃないの!」


「なに言ってるのよ! エレナが悪いに決まってるじゃ無い!」


扉の前で喧嘩を始めた二人を眺めていた亮二だったが、扉の前で警護しているアライグマ騎士団団員の生暖かい視線を感じると、苦笑いしながら仲裁に入る。


「よし。二人ともそこまでにしておこう。俺も部下の前で痴態を見せるのはさすがにつらい」


亮二が二人のやり取りを止めると、やっと冷静になった二人は扉の前で警護していた騎士二人に気付くと、赤い顔をしながら謝罪をする。謝罪を受け入れた騎士達に休憩所に向かうことを伝えると、待合所に移動する。


「全く、どうやって謁見の間に戻ろう……。ん? 誰だ?」


謁見の間に戻る方法を考えながら扉を開けた亮二は、部屋に誰かがいることを疑問に思いながら問い掛ける。


「あっ! ちょうど良かった。私も謁見の間に入る方法を考えてたとこなんだよね。君はどうしたらいいのか知ってるのかい? だったら、私も一緒に連れて行ってくれないかな? もちろん、お礼はさせてもらうよ」


「その前に名前と何者かを聞いておこうか? カレナリエン、エレナ。俺の後ろに居ろ。絶対に前に出るなよ」


軽い感じで話し掛けてきた赤髪の女性に対して、亮二はいつになく真剣な表情で鋭く言葉を放つ。カレナリエンとエレナの二人が異変に気付いた時には、ストレージからミスリルの剣を取り出して雷属性を二重で付与した、臨戦態勢になっている亮二がいた。そんな亮二の様子を見た赤髪の女性は、感心したような表情になる。


「へえ。凄いね。君は。これでも力を抑えてているんだけど。それに君って、物凄く強いでしょ? 私と同じで、力を抑えているよね?」


「いいから名乗れよ。俺はサンドストレム王国大公のリョージ=ウチノだ」


「私はフランソワーズ=ルニャール。ルニャール魔国の女王よ」


「ル、ルニャール魔国? フランソワーズ? 魔王赤髪フラン!」


「あら。私のことを知っているなんて光栄ね」


背後で叫んでいるエレナの声を聞いて、亮二は小さく呟く。


「魔王が女の子って、どんだけテンプレなんだよ」


目の前に居る赤髪の女性フランソワーズが魔王であると証明する威圧感に、亮二は対抗するように威圧を相手に向かって放つのだった。

魔王が出てくるって、ラスボス登場って事?

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