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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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367話 話はいつも突然切り替わる -当たり前ですよね-

歓迎会は続いております。正直飽きた。

 歓迎会は終わる事なく連日続いており、さらに三日経過していた。ラッチスの関係者以外の枢機卿や信徒が訪れない理由については、クロからの報告で判明した。


「リョージ様の到着。ラッチスは報告してない。誰にも」


「そうなの? じゃあ、誰がラッチスに俺達が到着した事を伝えたんだ?」


 自分の報告を聞きながら首を傾げている亮二に、クロは追加で説明を始める。


「音拾った。これが内容」


 ラッチスの会話内容が記された紙を手渡された亮二は最初のページから読み始める。そこには亮二達の到着は最終地点の宿場町の町長から連絡を受けた事。一緒に歓迎会をしている信徒達はオルランドをびっくりさせるために、亮二達の到着を内緒であると聞かされている事などが書かれていた。


「えっ? 銭湯を作った町長が裏切り者?」


「もう少し読み進めて」


 眉をしかめながら呟いた亮二にクロが先を読むように勧めてきた。次のページをめくった亮二は軽く目を見開く。


「そうなの? ラッチスは良い人?」


 報告書にはラッチスがエリーザベトを教皇の嫁にするために孤軍奮闘している事や、別の枢機卿が候補としている修道女の行動を調べている事などが書かれていた。


「俺達の到着を知らせないのは、エリーザベトさんの最後の修行が終わるのを待ってるからか? 今の段階で別の候補に会われると、変に言質を取られる可能性を心配したのか。それで、エリーザベトさんの修行が終わるのは三日後なんだな」


「そう。護衛の忍びを二名ほど付けた。誉めて。リョージ様」


 実はラッチスは警戒するどころか感謝をしないといけない人物だった事が判明した亮二は、ラッチスへの謝罪の言葉を考えるのだった。


 ◇□◇□◇□


「すいませんっした!」


「な、なんですか? 突然? 急に謝られましても。はっ! まさか信徒の女性を婚約者にしたいなどでは……」


「しない! そんなポンポン婚約者を増やさないから! ちょっ! 俺じゃないよ! ラッチスじゃん! 今の発言はラッチスだよ! 冷たい視線を投げるならラッチスさんにぷりーず!」


 突然謝罪した亮二を不審げに眺めていたラッチスだったが、目を見開くと信徒を婚約者にしたいのかと(たず)ねてきた。婚約者達の温度が一気に下がった事に気付いた亮二が慌てて否定しながら、諸悪の根元に視線を向ける。


「おい! なんで明後日の方向を見てるんだよ! 責任取れよ! それでなんでちょっと含み笑いをしてるんだよ!」


「いえ。ドリュグルの英雄殿にも弱点はあったのだなと」


 少し顔を横に向けて口元を手で覆いながら身体を震わせていたラッチスに、亮二が怒りながら苦情を述べると申し訳なさそうに謝罪していた。


「もう。本当にふざけるなよ! しゃれにならないんだからな! それで、謝罪は疑っていた事だよ!」


「疑っていた? 私を? それはまた……」


 苦笑しながら謝罪を受け入れたラッチスに、亮二は盗聴までしていた事を伝えた。


「まったく気付きませんでしたな。ただ、盗聴の件については他の者には言わない方がいいでしょう。リョージ殿が盗聴の魔道具を持っているだけで『ドリュグルの英雄が常に盗み聞きをしている』との、攻撃材料を相手に与えかねません」


「分かった。忠告感謝する。使う時は十分に気を付けるよ」


 ラッチスの忠告を素直に受け取った亮二は改めて謝罪すると、神都の状況を確認するのだった。


 ◇□◇□◇□


「それで、オルランドとエリーザベトさんの状況はどうなの? まさかおめでたとか?」


「なんて事を仰るのですか! 結婚もせずに夫婦の営みなどイオルス神の信徒としてあるまじき事です」


 軽い冗談のつもりで発言した亮二に、目を剥かんばかりの勢いでラッチスが抗議した。不謹慎な発言に婚約者達も珍しく亮二に対して注意を始める。


「駄目ですよ。イオルス神の信徒は結婚するまでは、そういった話ですら眉をしかめる人が居ますから」「ところでリョージ様はどこで『おめでた』なんて言葉を仕入れたのですか? 誰に教えてもらったんですかね?」「ダメなんだよ! そんな事を言ったら」「はわわわ。な、なにゅをいってりゅんですか!」


 婚約者達の剣幕に壁際まで追いつめられた亮二が謝っていると、エレナがかばうように間に入ってきた。


「ちょっと! みんなリョージ様をイジメ過ぎよ! 大丈夫ですよ。私はリョージ様の味方ですからね。私は結婚前でも大丈夫ですよ!」


「ちょっと! なに急にリョージ様をかばいながら、サラッとなに言ってるのよ! ずるいじゃない!」


 エレナの台詞にカレナリエンが抗議すると、亮二に見えないようにしながら口角を上げながらニヤリと笑った。その表情を見たカレナリエンのテンションが急激に上がる。


「エレナ! 確信犯ね! 許さないわよ!」


「いいわ! 受けて立つわ! 表に出なさい!」


 徐々にヒートアップしたエレナとカレナリエンは顔がくっつくほどにらみ合っていたが、エレナの一言にカレナリエンが同意し、お互いに武器を持って表に出ようとした。


「ストップ! ちょっと待った! 二人共、外に出てなにするつもり! それにエレナが持ってるレイピアって、宝物庫に納められているやつじゃないの?」


「ダイジョウブデスヨ。チャントオトウサマニキョカハモラッテルカモシレマセンヨ」


 亮二の言葉にエレナが急に挙動不審になると背中にレイピアを隠し始めるのだった。

エレナのレイピアは回収して王宮に送りました。

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