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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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312話 剣を作り終わって -良い物が出来ましたね-

結局、徹夜をしてしまいました。

「リョージ君。そろそろ朝食の時間になったわよ?」


「おっ! もうそんな時間か。 昨日は遅くに来て学院長に嫌な顔で歓迎されたけど、今日は大丈夫そう?」


 地下工房での作業が一通り終わり、片付けをしていた亮二をロサが迎えに来た。体の疲れは回復魔法で癒しており、睡眠不足は魔剣を量産出来た亮二からすればテンション高く気にならないようだった。


「相変わらず規格外ね」


「えっ? そう? こんなもんだろ。道具の揃っているライナルト地下工房で作業した上に、徹夜までしたんだから、本当は十本は作りたかったんだけどな」


 等間隔に並んでいる3本の剣を眺めながらロサが苦笑していた。亮二はテンション高いまま、近くにあった剣を取ると鞘から抜いて軽く構えてみた。地下工房の中で亮二が抜き身になった刀身に魔力を流すと、刻まれた魔法陣が様々な色が生まれては消えていった。


「次々と変わってる色は属性なの?」


「おう! 俺が使える属性は全て纏わせる事が出来るようにしてみた! 属性の切り替えも一瞬で出来るようにしたんだよ。ちょっと、属性の切り換え時間の短縮に時間が掛って、魔剣が三本しか作れなかったのが心残りだけどな」


「魔剣を作れる事自体が変なんだけど、そこはリョージくんだから問題ないのか」


「まあ、まあ。ちょっと持ってみなよ」


「私は魔法使いとして能力を伸ばしてたから、剣を扱うなんて…… えっ? なにこれ? 物凄く持ちやすいんだけど!」


 あまりの性能の良さに感心しているロサに、亮二は剣を渡して握るように伝えた。普段から剣を持たないロサが困惑しながら受け取って構えると、柄の部分が変形を始めてロサが一番持ちやすい形になった。


「えぇ! ちょっと! この剣って、私が一番持ちやすい形になるって事? もしかして誰が持っても一番持ちやすい形に変わるの?」


「その通り! 剣士って自分が一番しっくりくるまで素振りをするらしいんだけど、そんな事をしなくても剣が自動で合わせてくれるんだよ。それ以外にも鍔の部分に魔石が散りばめられているだろ? これもポイントでさ……」


 常識では考えられないような剣を握ったまま混乱しているロサを楽しそうに見ながら、亮二は剣の性能を嬉しそうに説明するのだった。


 ◇□◇□◇□


「ロサ? 地下工房に誰かいるのかい? 私もまだ三十分しか入った事がないってのに…… えっ? ぐ、軍曹? なんでここに軍曹が? あれ? ガムート帝国への援軍に向かわれたはずでは? あっ! 転移魔法陣があるか? えっ? な、なんで地下工房に? えっ? 私も三十分しか入って無いのに……」


 ライナルトがガウンを羽織ったまま、気だるけな表情で地下工房に入ってきた。工房に亮二がいる事に混乱したライナルトだったが、壁に剣が二本立てかけられているのとロサが持っている剣を交互に眺め叫び始めた。


「うぇぇ! えっ? 軍曹が剣を作っていた? 昨日一晩中? この鍔に埋め込まれているのは魔石? この狭い中に魔石を埋め込んでる? それに刀身に刻まれた魔法陣の美しさ。これを地下工房で軍曹が作られている時に私は夢の中だったのか…… おぉ……」


 膝と手をついた状態で顔だけ魔剣に向けているライナルトの表情があまりにも可哀想に見えたのか、ロサが近付いて優しく抱きしめると耳元で何かを囁いた。


「えっ? ほ、本当に?」


「ええ。約束するわよ」


 打ちひしがれたようになっていたライナルトだったが、ロサの呟きを聞いて目を輝かせて立ち上がると何度も念を押して確認すると、亮二に向き合って握手を求めてきた。


「軍曹のお陰でポイントが多く貰えそうです。お話したい事は多々ありますが、昼には帝国に戻られると聞きましたので日を改めて。そうそう、次にお会いする時はドリュアさんが『ええもん見せてやるからな! リョージ覚悟しときや』との事でしたよ」


「そっか。じゃあ朝食を一緒に食べながら詳しい話を聞いても……」


「ごめんなさい。リョージくん。これからライナルトは、私ともう一回ゆっくりしないといけないから、朝食はシャルロッタと一緒に食べてね」」


 ライナルトの話が気になった亮二が、朝食を食べながら話を聞こうとしたがロサに遮られてしまった。ライナルトは一瞬困ったような顔をしたが、ロサが耳元で「ポイントを倍にするわよ」と呟くと嬉しさを口元に浮かべながらロサを見て頷くと、亮二に頭を下げて屋敷の奥の部屋に二人で歩いて行くのだった。


 ◇□◇□◇□


「あれ? ライナルトとロサはどうしました?」


「えっ? 二人で奥の部屋に入っていったよ。朝から二人でユックリするんだって。そうそう、朝食は学院長と二人で食べて、終わったら部屋に来て下さいだってさ」


 朝食の準備をしていたシャルロッタが亮二が一人で食堂に入ってきたのを見て、首を傾げながら聞いてきた。亮二が用意された朝食を食べながら、地下工房でのやり取りを説明すると、最初は難しい顔をして話を来ていたシャルロッタだったが、ロサのポイント話を聞くと満面の笑みを浮かべた。


「なるほど。リョージくんのお陰で今日もユックリと出来そうですね。リョージくん、本当に来てくれてありがとう。昨日の晩に来た時は舌打ちしそうだったけど、リョージくんが来てくれた幸運をイオルス神に感謝をしないとね」


「おぉい! 思ってても舌打ちしそうとか言わないで! いくら俺でも地味にヘコむから!」


 シャルロッタの言葉に亮二は苦笑をしながらも、二人で朝食を満喫するのだった。

三人とも幸せそうでなにより。

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