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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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299話 合流直後 -慌ただしいですね-

お茶会…… 尋問は無事に終了しました。

 尋問と言う名のお茶会が終了した後、亮二は諸侯軍が滞在している野営地に戻り状況を報告した。亮二から報告を受けたアンデルスは、アマンドゥス達やマルコを始めとする高級指揮官と会議を行い、街は白竜騎士団が警護している為に防衛機能としては問題ないと判断し、翌日は早めに出発する事を全軍に命じるのだった。


「それにしても、あのマデリーネ姫が帝国民の護衛をしているとはな」


「そんなに有名人なの? マデリーネ姫って? 確かに姫騎士様って呼ばれて親しまれてるように見えたけど」


 アマンドゥスの言葉に亮二が首を傾げながら質問すると、周りからそんな事も知らないのかと呆れたような表情が返ってきた。


「リョージ伯爵はニホン国から強制的に転移されてきたんですから、こちらの事情を知らなくても当然ですよね。マデリーネ姫とエレナは高貴なる花束と称されているくらいに有名なんだよ。まあ、エレナはリョージ伯爵が摘んじゃいましたけどね」


「マデリーネ姫は美貌だけでなく政治手腕や戦闘力も確かで、凛とした立ち振る舞いや剣技は素晴らしいの一言に尽きるとも言われているな」


 アンデルスとマルコの感想にテンション高く紅茶とスイーツを楽しんでいたマデリーネと、凛とした振る舞いをしているマデリーネのイメージが一致しなくて首を傾げながらも、マデリーネや白竜騎士団と避難した帝国民が集まっている街に案内を始めるのだった。


 ◇□◇□◇□


 アンデルス率いるサンドストレム王国貴族諸侯軍が、マデリーネ達が滞在している街に到着したのは翌日の朝になってからだった。


「あっ! マデリーネだ。ちょっす! 約束通りアンデルス殿下率いる王国諸侯軍を連れて来たぞ! ……痛ぃ! なにすんだよ! 人が話している途中で叩くなよ! マルコ!」


「軽いわ! 相手はガムート帝国の第一王女だぞ! お前はもう少し礼儀作法を学べ! ……おぉ?」


 街の入口で亮二達が来るのを待っていたマデリーネを見付けた亮二は、軽く手を上げると気さくな感じで話し掛けた。亮二の対応を見て慌てた王国側の視線がマルコに集中した。一同からの視線を感じたマルコは、流れるような動きでアイテムボックスからミスリルのハリセンを取り出すと、亮二の後頭部に全力で振り下ろした。

 突然のマルコの行動に同じく帝国側も驚いた。まさかドリュグルの英雄と言われているリョージ伯爵を、今まで見た事もない武器で叩く人物が居るとは思わなかったからである。王国側も帝国側も軽く混乱状態になっている中、マルコからミスリルのハリセンで叩かれた亮二は礼節スキルを使って、改めて優雅に挨拶を始めた。


「マデリーネ姫。先程は失礼致しました。この度、アンデルス殿下と供に姫の窮地に馳せ参じましたリョージ=ウチノで御座います。私の為に高貴な身を街の入口まで運ばれなくても、姫の為ならこの身を…… 痛ぃ! ちょっと! マルコさん! 丁寧に挨拶したのに、その対応はどうよ!」


「うるせぇよ! なんか、お前は両極端なんだよ! その対応はどうよ! 見ろよ! 姫様も硬直しているじゃねえか!」


「えっ? はっ? いえ、大丈夫ですよ! ご丁寧な挨拶有難うございます。ドリュグルの英雄たるリョージ伯爵に来て頂いたお陰で、我らは九死に一生を得ました。リョージ伯爵には感謝します」


 マデリーネは亮二が畏まって挨拶しているのを惚けた感じで眺めていたが、マルコがツッコミを入れたのを確認して意識をハッキリとさせると、顔を若干赤くしながら感謝の言葉を述べて手の甲を差し出した。亮二は恭しくマデリーネの手を取ると軽く口づけして親愛の表現を行った。


「おぉい! リョージ! それの意味が分かっているのか!」


「えっ? 俺の国での親愛の表現だけど?」


 マルコがミスリルのハリセンでツッコむのを忘れるくらいに慌てて亮二に問い質してきた。亮二はマルコの慌てっぷりを疑問に思いながら答えたが、周りを見ると王国側は驚愕の表情を、帝国側は唖然とした表情を浮かべており、マデリーネは呆然とした表情をしていた。


「そうだったよな。お前の国って俺達と常識がかけ離れてる場合が多いんだよな。いいか! こっちでは高貴な方が手を出した場合は下から軽く触るだけだ。口づけまですると愛情表現になる。しかもマデリーネ姫は拒否をしなかったんだぞ。それは、お前の愛情表現を了承したって事になるんだ」


「えっ? えっ? ひょっとして、トンデモナイ事をしたって感じ?」


 亮二の問い掛けに、硬直しているマデリーネ以外の王国の重鎮達と、帝国の白竜騎士団の面々は一斉に力強く頷くのだった。


 ◇□◇□◇□


「本当にスイマセンでした! まさか手の甲に口づけをするのが愛情表現だとは知らずに、トンデモナイ行動をしてしまいました。お怒りだとは思いますが許して頂けると幸いです」


「いえ。リョージ伯爵の国では親愛の表現との事ですので問題ありません。ですが、次回からは気を付けて下さいね。私としては愛情表現でも問題無いのですが……」


 亮二の正座をしながら丁寧な謝罪に、マデリーネは鷹揚に受け入れると全て水に流す事を伝えてきた。相変わらず最後の方の声は聞こえなかったが、聞き返すと顔が真っ赤になりながら「何もない」と返事が返ってくるマデリーネに首を傾げる亮二だった。

なんとか国際問題にはならずに済みました。

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