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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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194話 決闘騒動の後の一コマ2 -エレナ姫と会いますね-

結局、変身方法は教えてもらえませんでした。

 エレナから“サンドストレム王国すいーつ普及研究所”への臨時招集が掛かった亮二は王宮を訪れていた。ハーロルトの屋敷から直接王宮に向かっていたが、シュバルツより「娘のことをよろしくお願いします」と頼まれ、ハーロルトからも「好きに扱って良い」と言われ、クロ自身も亮二の袖を離さない状態で、袖を外そうとすると泣きそうな顔で「迷惑?」と囁くような声で言われると無理に引き離すことが出来ずに連れて行く事を決めた。そのままクロに袖を持たれた状態で馬車に乗り込んだ亮二達は王宮に到着すると門番にエレナから呼ばれている事を告げて、しばらく待たされた後に王宮の調理場に案内されるのだった。


 調理場で待っていたエレナは、亮二の姿を見ると嬉しそうに満面の笑みで駆け寄ってきたが、亮二の背後に隠れるようにしているクロを見かけると戸惑ったような顔になり、目線で亮二に説明を求めた。


「…って、感じで付いて来ちゃったんですよ。ハーロルト公に言っても『気に入らんなら追い返して構わん』って言われて困ってるんです。どうしたら良いでしょうかね?」


「それを私に言われても困りますわ」


「ですよね」


「リョージ様?迷惑?」


 クロの悲しそうな声に亮二はたじろぎながら「メイワクジャナイ」と答えると、無理やり頭を振ってエレナに向き合うと今後のスイーツ普及計画について話し合うのだった。


 ◇□◇□◇□


「それにしても、クロちゃんは本当に15才なんですか?」


「ん。15才。間違いない。リョージ様。このお菓子美味しい。もっと欲しい。エレナも食べる」


 エレナとクロはいつの間にか打ち解けており、亮二、エレナ、クロ、料理長の4人で普及させるスイーツについての話し合いを行っていた。エレナ主催の“サンドストレム王国すいーつ普及研究所”では王国へのスイーツ普及に関して、食後にスイーツを食べる事が自然と行われ始めている貴族層は後回しにして、まずは庶民向けのスイーツを開発することとしていた。


「前回に発注させて頂いた“蜂蜜レモンパイサブレ”の2000枚ですが、地方訪問で配ったら子供たちにとても好評でした。追加で5000枚ほど発注しましたが大丈夫ですよね?」


「もちろんです。ご注文を頂いて従業員も喜んでますよ。今度のボーナスは多めに渡すことが出来そうですからね」


「その、ボーナスって特別賞与と仰っていた賃金のことですよね?リョージ様がお住いだったニホン国では、我が国とは違う賃金の支払い方が主流だったんですね」


 エレナからパイサブレが好評だった事と、大量の追加発注の再確認を聞いて亮二が問題ない事を答えると、それ以外にもボーナスについて質問をされるのだった。亮二が日本の長期休暇やボーナスの話をしている間にも、クロはお菓子を食べ続けており、亮二が持っていたスイーツ専用アイテムボックスを預かって中に入っているお菓子を次々と出して試食をするのだった。


 ◇□◇□◇□


「リョージ様。これ美味しい。こっちは甘みが足りない。これはもっと水分を含んだ方がいい。それと、こっちの固くて甘いモノはなに?」


「お、おぉ。一通り食べてくれたんだ。クロの感想はメモにして工房の支配人に渡しておくよ。新作が出来上がったら、また試食してくれるかい?」


「大丈夫。甘いモノは別腹」


 15才と聞いていても、見かけが5歳にしか見えないクロに対して語りかけている亮二の姿は仲の良い兄妹のようにしか見えなかった。そんな様子をエレナと料理長はホッコリとした表情で眺めていたが、クロから直接小さな白い玉を口に入れられたエレナと料理長はその甘さに顔が蕩けそうになった。


「ああ、それは俺が個人的に作った“金平糖”だよ。白い砂糖が必要だから数が作れないんだよね。さすがに白い砂糖は…あぁ!そうか!俺が魔法で分離すればいいんだ!」


「え?“ぶんり”ってなんですか?」


 亮二が金平糖の作り方を説明する前に材料の説明を行おうとして、何かを思い出したかのようにストレージから黒砂糖を取り出すとスキル“抽出 5”を使って白砂糖と糖蜜に分けて「出来た!」と無邪気に喜ぶのだった。


「リ、リョージ様?今なにをされたのですか?黒砂糖がいきなり白砂糖になりましたよ?料理長はやり方を知ってますか?」


「まったく存じ上げません。リョージ様がなにをされたのか見当すら付きませんよ」


「ああ、すいません。ちょっと“金平糖”を作るのに白砂糖がいるので作ってみたんですよ。で、“金平糖”の作り方ですが、この粒の大きな砂糖を核として加熱している大きな回転釜に入れて、上から砂糖液を掛けて回し続けます。私は加熱、冷却、回転などは魔法を駆使して作るので2日も有れば出来ますが、私の国では職人が手作業で作るので3週間くらいは掛かっていたはずですよ。それに熱さで倒れる人間がいるくらいの作り方なんですよ」


「えぇ!そんなに作るのに手間暇のかかる危険なお菓子なのですか?それは貴族向けのお菓子ですね。一般の方々が気楽に食べられる物は難しいのですか?」


「それでしたら“たまごボーロ”はどうでしょうか?これでしたら小麦粉と砂糖と卵で作れますよ。本当なら片栗粉を使いたいのですが、まだ大量生産が出来ていなので小麦粉で代用です」


 亮二から“金平糖”の作り方を聞いたエレナ達はあまりの作る工程の難しさに仰天しながら手の平に置かれた“金平糖”を眺め、庶民向けのお菓子として“たまごボーロ”の作り方を教わるのだった。


 ◇□◇□◇□


「ちなみに、さっきの砂糖の作り方はどうすればいいんですか?」


「ああ、あれは俺のスキルなので真似はちょっと無理ですね。必要でしたらいつでも作りに来ますよ」


「いつでも?分かりました!これから私が王宮にいる時は毎日お願いします」


「えっ!毎日?」


「リョージ様。エレナの術に簡単に嵌っている。だから私もそばに居られる」

エレナ姫に上手く嵌められたようです。

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