表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/22

18


「もうこれが最後よ。でも約束してね。絶対イベントから逃げないで。とくに今夜の舞踏会。

 分かっているでしょう? 今夜が大事なスタートイベントで表キャラ全部と出会う舞台なのよ。この出会いによって、全員攻略できる逆ハーレムがルート開くの。

 あなたはどのキャラにも大事な役が待っているの。もちろんその内容はいいませんけれどね」


「リュークさまのキャラについて教えて欲しい」


 ポリアンナさまがもったいぶった仕草をする。


「わかったわ。きっとユリアさまもリュークさまの情報をつかんでいらっしゃるでしょうから。


 リュークさなは女園に出入りしているけれど、どうしてユリアさまを抱かないのか、女としてわたしも焦る気持ち、わからないでもないのよ」


 ポリアンナさまの中では私は女園で体を売っているとなっている。わざわざ違う事実を教えるつもりはない。



 「残念なことにユリアさまとリュークさまが出会った時は、すでにあなたは店に出された後だった。

 貴族風な彼に対して、ユリアさまはかなり敵意を向けたでしょう?

 最初ユリアさまと出会った時に、ユリアさまの容姿ですぐに誰か調べあてていたのよ。

 リュークさまの諜報員によって、あなたが他の女性たちから貴族やこの国の金持ち証人たちの秘密を聞いていると報告されているわ。

 自分のお店以外のたくさんの娼婦たちを引き込んで、女性のグループを作ったでしょう。いつか女性の自由と地位の向上に。

 さらに貧民層の住民たちに、平等主義を教えて。孤児の子どもたちを集めて読み書き算数を教えているでしょう」


 女院で女性たちの事情を聞いた。その事情の中には貴族の隠したい秘密がたくさんある。私がそれをネタにそれぞれの貴族を脅すことができる。もしも復讐に駆られて、行動を起こしたならば……。



 女院の女性の境遇を聞く度に、何度も女性の地位の向上を願った。女院にいる子どもたちに、勉強を教えた。


(修正……。)


 これも原作の修正なのか……。


 「ユリアさまが出入り貴族たちの情報を集めて、貴族を脅して操ったり。貧民をそそのかして市民改革を行い、絶対王政から立憲王政になるようにする。

 ユク国を内外から壊していき、内乱で混乱しているユク王国をシス王国が攻撃する。

 あなたの計画をリュークさまが警戒していくの。

 だから、絶対にリュークさまルートはしっかりわたくしをいじめてください。ユリアさまの行動に頭を悩ませている彼を、わたくしが癒してさしあげるの。

 もう彼って、大きい胸が大好きで、胸フェチなの。きゃっ、うふふ」


……リュークは胸フェチだったんだあ……。


 だからメグに見向きもしなかったんだ。


 私は決して原作のようにユク国を滅ぼす未来を望んでいない。でもいつ原作修正が出て、どう転ぶかわからない。


「教えてくださって、ありがとうございます……」「ユリア! このインケン女! 全部あなたのせいよ!」


 メグの声がした。隣にいるザックが私をメグからかばおうとする。


「もうザック! どいてよ! そんなにその女の性技がよかったの!? 話すだけよ!」


「正義……?」


 多分ザックは意味を間違えている。


「まあ。メグさま。この度はギルバードさまとのご結婚おめでとうございます」


 ポリアンナさまが言った。


「はあ? 全然おめでとうじゃないわよ! それよりあんた誰? デカい牛チチ、見苦しいわ!」


 うわー。ポリアンナさまの顔が引きつっている。


「わたくしはネイ国第一王女ポリアンナ=ネイですわ」


「あっそ。あんたには用ないの。黙っていて」


「なっ、なんなのあなた! ま、まさか、あなたも女子高校生転生者なの!!」


「ポリアンナさま。多分違うと思います」


 怒りふるえているポリアンナさまにいう。


「もうどうしてあたしがギルと結婚しないといけないの!!??」


「あなたがギルバードさまと結婚するのは決まっていることなの! あなたが裏キャラのリュークさまを捕まえることができたら、少しは未来が変わっていたのに。

 あなたみたいな子がギルバードさまと結婚できるんだから喜びなさいよ」


 ポリアンナさまはギルバードが王族から籍を外されたことを知らない。


「リュークさま? そうよね! あたしはすべての男性に愛されなければいけないのよ! アンドレアさまやリュークさまの愛を勝ち取ればいいことよね。な~んだ。もう焦ったわ。

 そうね。今夜の舞踏会であたしの可憐さをみんなが見れば、すぐにあたしの虜になるわ。


 こうしていられないわ。すぐに準備をしなくちゃ。

 ザックもあたしの美しさにすぐ目を覚ますわ。いつでも戻っていいよ。キャッ、あたしってなんて心が広い女なんでしょ。テヘ。

 だ、か、ら、ちょっとの浮気許してあげる」


 白桃のように顔を染めるメグは見た目はヒロインでかわいいと思う。学園では誰(イケメン男性限定)にも身分に関係なく話かけている姿をよく見かけた。彼女が一方的に話をして完結していただけど。

 ギルバードと結婚しても男あさりをやめないのだろう。きっとギルバードとメグたちは子沢山になるにちがいない。もちろん全員ギルバードの子どもじゃないけれど。


「なっ、なによ。アレ?」


「さあ。すみません。少し疲れたので失礼します」


「ええ。わたくしも今夜のために準備をしなくてはいけないわ。それでは今夜また会いましょう。

 なるべく原作に沿いたいので、もちろんお二人とも初体面の顔をしてくださいね。

 ごきげんよう」


 ポリアンナさまが護衛のところへ行って去った。

 

(あれ、護衛もイケメンだらけ!)


 二人のイケメン護衛にすかさず胸を触れたのが見えた。

 時前に攻略勉強したのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ