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ワーナード伯爵

「ボ・・・、私はマロン、デス」


スカートを軽く持ってカーテシーしたマロン

クリス・ワーナード伯爵は大きな体に似合わない優しい笑顔で頷いた


「ヨロシクねマロンちゃん、アランとはどんな関係なの?言い難いなら別に無理しなくてもいいわよメイベル侯爵家の馬車に乗って来たってことはただならぬ関係?今日は何を買いに来たの?そのワンピースもリボンもとても似合っているわねリボンはサリーが贈ったものなんでしょ?サリーやるじゃないナイスよアランあなた前から言ってたでしょ可愛い子が居たらワタシに紹介してってあなたったらコッチから言わないと何も言わないんだもの酷いひとねマロンちゃんワタシはアランと学校の同期でねこの子ったら・・・」


「!?、!??」


矢継ぎ早に告げられる言葉

コミュニケーション能力に不安のあるマロンに捌けるものではなく、ポカンと固まった。


「若様、若様」

「あん、マーゴットなによ?」

「あまり息せき切って話されますと()()引かれますよ、ただでさえ初対面で引かれるのですから少しは自重して下さいませ」


歳かさの店員マーゴットがまたかと主ワーナード伯爵を諌めた。


クリス・ワーナード伯爵、ワーナード商会代表、20歳

筋骨隆々の鍛え上げられた肉体、服を押し上げる厚い胸板を持つ彼、もとい彼女(?)は乙女にして漢。

その外見に恐れを為して距離を取る人間は相当数居た


普通に考えればそんな彼(?)が伯爵を継ぎ、また商会代表に着任する事は大きなマイナスになるのだが

あまりの麒麟児ぶりに先代伯爵であるクリスの父がさっさと跡目を譲ったのだ。

学生時代から経営に口を出しては商会の規模を3倍にまで大きくしてしまったクリス

貴族の世界では完全に異端の存在である男女(おとめ)クリスが言動を改めず、己を偽らずに胸を張っているのは結果を出しているからであった。


そんなキャラの濃いクリスだが特に社交界においては女性からの支持が根強い。

ワーナード商会で取り扱うドレスの3割がクリスのデザインで、クリスのデザインしたドレスを王妃も身に付けているからだ。

王妃がクリスのドレスを身につけた影響は計り知れない

国一番の淑女である王妃が実質的に男女(おとめ)クリスを認めたのだから、夫人令嬢がそれに倣うのも当然。


そんなクリス・ワーナード伯爵は、アランと学校の同期で

当時から美形であるアランは美しいものが大好きなクリスに絡まれ友情(?)を育んだようである・・・


「・・・」


アランはいつも思う、悪いヤツではないのだ

ただ、210cmの身長でこの勢い、気に入ったものを発見すると駆け寄って高い高いをしてしまうので人によって好き嫌いが激しいだけだ

当時学生時代もその事で色々とあった・・・




余談ではあるが

「クリス・ワーナード伯爵に高い高いされた令嬢は幸せになれる」

という噂が婦人方の中では常識となっているので、今では広く社交界に受け入れられている。

どうやら()()ワーナード伯爵の琴線に触れる何かがあると思われるようで、良いご縁があるとかないとか。





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