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侍女と 1

ボクは侍女の制服を着ていた


メイベル侯爵家の侍女が身に付けるのは

黒いロングスカートのワンピースに白のエプロン

裾は足首が隠れる長さで、ソックスまたはタイツを着用

靴はブラウンで統一されている制服なのに


「お似合いですわマロン様!」

「あ、ありがとう?」


ボクが着ている侍女の制服は違う

黒いロングスカートのワンピース、裾は本来の制服よりも短く、レースが縫われている。


サイズの合うものがなくて、近い体型の人の制服を使って作り直された。

裾が一部分裂けていたのでそこを切り

足を晒すのはとてもはしたないからと、切った分の長さをレースで補う改造制服になっていた。


白いエプロンと靴は同じものを

何故か頭には誰も着けていないフリフリのヘッドドレスが・・・


働く以上は髪をまとめなければいけない

侍女さん達は貴族の人が多く、髪は長いのでバレッタや網紐、リボンで動きやすくまとめている

ボクはショートボブくらいの長さしかないから必要ない、はずなのに・・・


「ねえ、これはどうかしら」


大きな蝶々結びの真っ赤なリボンを結ばれたり・・・


「そのリボン使うなら、あっちの水色のワンピースじゃないと! 制服に合わせるならこっちよ」

「こっちの青のリボンは?」

「髪は短いけどこのバレッタもいいんじゃない?」

「こ、このネコミミを・・・」

「それはとっておきだからとっておいて」


うん、ボク思い出したよ

エリーが着せ替えいっぱいさせられてグッタリしてたの

こういう事なんだね?

これまでは服なんて着たこと無かったから他人事みたいに見てたけど、やられる立場になると解るね。

結局言い争った結果、フリル付きのヘッドドレスが採用されて頭に載せられた・・・




侍女の仕事は意外と時間が空いた

聞けば、侯爵家という事で十分な人数が雇用

洗濯等の雑用全般をする人は別に居るらしい

「侍女」は主に侯爵家の人の身の回りをお世話する存在だった。

例えば私室の掃除やベッドメーク、服の管理、紅茶を淹れたりと家人に寄り添う仕事が役割だ。


だから、アランがお城へ出仕している間や

タチアナが学校へ行っている間は部屋周辺の仕事を済ませてお母様、・・・奥様の方へ応援に行ったりする

先日の王族襲撃事件で学校は休校、アランも休みを貰ったので屋敷に居るのだけど基本専属が付いているから夜会や茶会が無い限りは忙しくなかった。


あとは自主的にマナー講習を開いたりで行儀見習いとして自分磨きをするのだとか。


つまりは自由時間が意外とあった

今も備品の置き場とか一日の流れを説明されて、サラっと掃除や片付けをしたら休憩室に戻って来ていた。


「好きなお茶は御座いますか?」

「えっと、これとこれはよく(公爵家で)飲んでたよ」

「ではこちらを淹れますので少々お待ちを、」

「あ、ボクが淹れるよ!」

「え、マロン様はお茶を淹れられるので?」

「うん!アランも美味しいって飲んでくれるから多分大丈夫」

「アラン様にお茶を?」

「(オコジョの時に)よく淹れてたよ、砂糖を半匙、ミルクを少々でしょ?」

「そうですが・・・」


ボクは水を沸かして適温にすると紅茶を淹れた

オコジョの時はポットもカップも取り落としそうで頑張って抱きつくように抱えていたけど熱いんだよね、人の手って便利だよね。


手馴れた様子で紅茶を淹れるマロンを尻目に侍女らは・・・



「ね、アラン様によく紅茶を淹れていたって!」ヒソヒソ

「別のお屋敷に囲ってたって話、本当なんじゃ・・・」

「囲ってた? 亡命した姫様を保護していたって話じゃないの?」

「保護してお世話する内に心をゆるして・・・?」

「やだ・・・、もっと聞きたいわ」

「ダメよ、マロン様の詮索は無用って言われているじゃない」

「でもでもぉ」

「だってぇ」

「気になるわよねぇ?」


秘密の多い女マロン、侍女らは大いに盛り上がった。






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