女達の夜 2
医者の診察を受ける前に先ずはお風呂に入れて汚れを落とすことになったマロン。
気力体力を使い切った彼女はグースカ寝ているが・・・
「凄い、なんて綺麗な肌なの・・・」
「シミどころか黒子もムダ毛もないわ」
「神の造形と言っても過言じゃないわね」
「ハァハァ美少女・・・」
「髪の毛もクセがないし、細くて綺麗な猫っ毛ね」
「お水飲むかしら」
なんとマロンのお風呂の世話には侍女数人がかりで行われていた。
若干名鼻息の荒い者が居るが侯爵家に仕える侍女は皆優秀で、擦りむいて土や小石のついた足の裏も優しく洗われる。
水分補給に水差しを口に持っていくとコクリと飲むマロン
「んぅ・・・」
口から水が少し溢れて、珠になった雫が首を伝った
「「「・・・」」」
「や、やだ、いけない扉開いてしまいそう・・・」
「美少女美少女、ぅぅぅ」
ここでも神の言うマロンの「人並みの肉体」は逸脱していた
神の思う人並みは全く「人並み」では無かった
普通の人ならば大なり小なりムダ毛やうぶ毛があるのだが
マロンの体は全身ツルリとしたゆで卵のような仕上がりであった。
流石に髪の生え際にはうぶ毛はあったが、それだけである。
因みにクロードは「前世の記憶あるんだから、前世のコピーで良いよね」という雑な考えの元に創られた体である。
綺麗さっぱり洗われて、次は着せ替えである
ここからは夫人とタチアナも加わった
「やっぱり純白じゃない?」
「パステルカラーのでも良いと思うけど」
「奥様、こちらは如何でしょう」
マロンに宛てがわれたのは客間のひとつ
そこへ屋敷中の使用人女性の大半が集まっていた
「アラン坊っちゃんが女の子を連れて来た」
「女の子は服や靴が無いらしい」
「たいそう可愛らしい女の子だそうだ」
と、ひと目見ようと集まり、なんなら着せ替えに自分も参加しようと部屋をひっくり返して服や装飾品を持ち寄っている。
「「・・・」」
廊下では医師とクロードが立って待たされていた
軽傷を診察するだけの筈がマロンの着替えが済むまで待つ事になり、着せ替えが落ち着いて診察する頃には日付けが変わって一時間以上経っていたのだった・・・




