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一緒に

「すまないな」

「ううん」


何回かお見舞いに来ている内にアランも快復してきて庭園を散歩するようになった。

まだ少し足は引き摺っていて偶に石畳の合わせ目に突っかかって転びそうになるから、怪我している反対側、アランの左側から胴に手を回して少し力を上に添えて一緒に歩く。


「へへ、ごめんねアラン」

「なんだ?」

「ボク、アランに恩返し出来ると思ってチャンスだと思ってる、ケガ大変なのにごめんね」


ボクが謝るとアランはポンポンと頭を撫でる


「アラン?」

「気にするな、恩返しのチャンスは見つけたらドンドン返していいんだ、ありがとう助かってるよ」

「いいの?」

「ああ、・・・じゃないと俺の方が返しきれないからな」

「え?」

「いや、なんでもない」


アランが何か小さく呟いたけど聞き取れなかった

うん、ドンドン恩返しするよ!

アランが拾ってくれなかったら今のボクは居ないからね


「あ、歩くの辛い? 抱っこする?」

「いや、それじゃあリハビリにならないから、それと男の沽券に関わるから遠慮しておく」

「辛くなったら言ってね、おんぶでも良いよ」

「・・・ふっ、辛くなったら頼む事にするよ」

「うん!」


ボクとアランはゆっくりと中庭の四阿へ向かう

アランは屋敷から動けないから、ボクの見たエリーとレオンの話を中心にする。

あとは公爵と公爵夫人の事だったり、ボクの事だったり


「最近手紙が沢山来るんだよね」

「手紙?」

「うん、騎士さんとか、あと宰相さんの孫って人とか、あ!お城に来ないかって王様からも来たりするかな」

「マロン、それは・・・」

「なに?」

「・・・」

「アラン?」


アランは立ち止まるとボクの肩に置いていた手に力が入った。


「マロン、事件前に言っていた事なんだが、」

「事件前って、話したい事があるって言ってたやつ?」

「ああ、実は前から・・・」


「アランさまぁ~!」


アランが真面目な顔で話し始めた瞬間

中庭に甲高い声が響いた、ボクは初めて聞く声だ

アランは眉を寄せて嫌そうな顔になった。

声の方を見ると巻き毛の女の子がこっちに向かって来ていた。


「アラン様お久しぶりです、お怪我をしたと聞いてお見舞いに参りましたわ!」


女の子はそう言うとアランの右腕に掴まろうと手を伸ばす

、そっちは怪我してる方だよ!

ボクはアランを少し持ち上げて後ろにズラす、勿論怪我に障ることの無いように優しく。


女の子はボクを睨み付けた


「アラン様、この女は?」

「アラン、誰この(ひと)


「・・・」


アランはこの時2人の令嬢の間で火花が散る光景を幻視した。







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