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クロード 3

襲撃から3日、マロンはあの日から丸一日ぐっすりと眠ってから起きたらしい。

らしいと言うのは王妃様の宮から出て来ないからレオン伝いの話だからだ。

どうやら王妃様が伯爵家に手紙を送って伯爵夫人も宮に加わり滞在しているのだとか、マロンは本調子でなくて食事をしては寝ての繰り返し、らしい・・・


すげえ消耗してるな

マロンって体力バカ、いや体力の底なんて無いと思ってたけど限界はあったみたいだ。

オコジョ化と人間化を短時間で繰り返したのは初めてで、そのせいで身体に負担が掛かった、と見ている。

つまり戦えない。


戦う、戦わないの話が出ているのは何故か

来たからだ、アイツが信じられない膂力で騎士を薙ぎ倒しているとレオンの執務室に報告が挙がった。


「兄上は!?」

「そ、それが・・・」


言い淀む騎士が語ったのは信じられない事だった

王太子様は玉座の間でAを待ち受ける事にしたと言う

そしてレオンは王妃の宮から全員連れて王領地である別荘へ逃げろとの命令だ。


「馬鹿な!逆だろう」


憤慨半分、心配半分といった表情のレオンは立ち上がると玉座の間に向かった、俺は逃げたい・・・


俺達が玉座の間に到着すると、既に王太子様とアイツは邂逅していた。

丁度玉座の真横に出た、玉座には王太子様が座り、下座の扉の方にアイツは立っていた、片手で騎士を持ち上げていることから正しくマロンの力を手に入れたのだろう。


「兄う、」


行く手を騎士に阻まれた、騎士2人がレオンを止める


「お静かにレオン様」

「何を、騎士ならば兄上を逃がす事を、」

「無策では御座いません、ここは我らにお任せを」


レオンが来ることも折り込み済みだったのか

騎士の配置といい、王太子様は袖まで来た俺らの方をチラリと一瞥すると薄ら口元を緩めていた。



***



「客を招いた記憶は無いのだが・・・」


玉座の間の大門、鋼鉄製の扉は乱暴に開かれた

男は先日城に現れた時の格好のままだった、破けた服から覗く肩に矢傷を負わせた筈だが綺麗さっぱり治癒していた。


「はははは、私は比類なき力を身に付けた!」


男の目は血走っていてとても正気には思えない


「さあ、玉座を、国を私に・・・」

「君は何を考えているのかな」

「なにを? 知れた事!帝国への復讐だ!」


いや、本当にさ、自分の非道を棚に挙げてクビになったから国に復讐ってなんなの?

そもそも玉座を物理的に手に入れたとして、そんな簒奪者の言うことを聞く人間なんか居るわけない。

王太子は呆れたように嘆息した


最初の襲撃の時も思ってたけど子供か!

いや思想的にはテロリストのそれだな

自分の要求を通す為なら手段を選ばないなんて

隣のレオンは今にも切りかかりそうな程に睨みつけていた。








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