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後始末。

ティラノサウルスをやったマロンは手に持っていたクスリの結晶を放り投げるとアランの元に駆け寄った。

俺はレオンと視線を合わせると頷かれたのでアランの元へと向かう。

アランにはレオンの傍に控えて手伝って欲しいと言われていたが、これからレオンは王族としての対応もあるので俺が傍に居てもあまり役には立てないだろう。

それに、アランは放っておいても誰かが治療して連絡やらなんやらも勝手に行くが、マロンはあのままではマズイ。


一応、現場の人間で副隊長だけにはマロンの事も伝えてあるがあっちはあっちで「飲まれた令嬢は!?」「ドラゴンはどうする」と言った騎士に対応しているみたいで手が回っていなかった。


恐竜は無力化の可否で殺すか生け捕りか・・・

幸いマロンが完全に無力化、と言うか多分内臓殺し(内部)をやったお陰で泡吹いて気絶しているから

脚を鎖と縄でグルグル巻き、首や尻尾は両側に杭を打って、上から鎖で拘束だ。


「アラン無事、ではないよな」

「ぁぁ・・・」

「侍医がすぐに来るから待ってろよ、それと」

「分かってる、マロンは任せた」

「おう」


俺はアランからマロンを受け取り王妃様の宮、


ねちょー・・・


「・・・」


井戸でマロンを洗ってからエリザベス様に届けた

流石にこの胃液だか粘膜だか塗れの状態はアレだ、多分レオンの事だから「戦いで疲れきって眠ってしまった」くらいしか言わないだろ。

マロンは冷たい井戸の水で洗っても目覚めることはなく、くねくねと力が抜けていて洗いにくかった。


マロンを預けると俺はレオンの元へと戻った

マロンの役割がドラゴン退治なら、俺の役割はマロンの立場を守ることだろう。

竜退治の令嬢なんて利用されかねない、レオンに言って王太子様には釘を差しておかないとな。

マロンはアホと言うか、純粋無垢過ぎるから周りが手を回してやらないと。




「心配しなくてもマロンを利用なんて出来ないよ」

「は?」


俺が懸念を伝えるとレオンはそう言った


「マロン、いやマローネ・リュミエール伯爵令嬢の立場は既に固められている、兄上や父上でも容易には手を出し辛い程にね」

「いや、でもアイツアホ・・・、ごほん、貴族の枠の中では素直だから」

「まあ、そこは否定しないけど」


レオンは苦笑しながら続ける


「先ずメイベル侯爵家に拾われた事が幸運だった、この場合アランが、と言うことになるが・・・

メイベル侯爵夫人が中心となって養子の話がまとまったのは知っているな?」

「ああ」

「養子の手続きの際、マスティーゼ公爵家とメイベル侯爵家が保証人として名を連ねている、事実上のリュミエール伯爵家の後ろ楯になるな。

そしてマスティーゼ公爵家はベスと俺が婚約者、メイベル侯爵家はアランが俺の従者だ」

「・・・まさか、養子の時点で? 嘘だろ・・・」

「養子縁組の時点でメイベル侯爵夫人がどこまで先読みしていたのかは分からないが、随分買われているな、気に入られていると言い換えても良い」


少なくとも王家がマロンをどうにかしようとすると

公爵・・・、夫人の方か? あと侯爵家が黙っていないという事か。

伯爵家単体なら多分どうにでもなったのかも知れないけど、


「そもそもベスのペット、と言っていいのか困る所だが、マロンとベスは仲良いから・・・」


ああ! マロンを何かに利用しようって話がエリザベス様の耳に届けば、結局「お願い」がレオンに来るのは見えている。


「惚れた弱みか・・・」

「恥ずかしながら、ね、ベスの大切なものは俺にとっても大切なものだ、だからマロンに関しては簡単に王命とかも出しにくいし、必ず止めるよ」


王政ではあるが貴族の意向を無視して強権を振るうほど国王は無能ではない、レオンはそう言ってマロンの保護を約束してくれた。


「あ、ところで、あの首謀者は?」

「・・・」


ん? 俺が聞くとレオンは苦虫を噛み潰したような顔で言った、逃げられた、と。







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