表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/170

決戦 8

ボクはトカゲリオンに食べられた、美味しくないよ?

内側から開けられないかなと思ったけど足元がぶにぶにしてて踏ん張れない。

どうしようと考えた所でボクは閃いた

アランから貰った絵本の中にクロスケが書いたニフォーンの童話の本もあった、その内の1冊に小人がワルモノのお腹の中に入って退治する物語があった、本の名前は・・・、一寸法師だっけ?


ボクは()()()なると、服を捨てて奥へと突っ込んだ。

ネチョネチョが気持ち悪いけど気にしない、コレで終わりだ!



「キウッ!!!」





***



マロンが飲み込まれて1番先に行動を開始したのはアランだった。


「マロンを、返せぇぇー!」


俺の知るアランはいつでも余裕のあるイケメンだ

何事もスマートにこなし、叱るにしても「仕方ない奴だな」といった具合に苦笑しつつ柔らかい態度は崩れない優男。

付き合いの長いレオンにとっても同じなんだろう、感情剥き出しの様子にとても驚いていた。


そのアランが怒りを露わにティラノサウルスに突進した。

ティラノサウルスは腹と脚をしこたまマロンに攻撃されていたので、アランに反応したように見えたが立ち上がれずにバランスを崩した。


「ギャアアアアーッ」


断末魔とも取れる大きな叫びを挙げる

アランの剣がティラノサウルスの左眼に深々と突き立てられた。

あまりの激痛か、脚のダメージを無視したように暴れ転げる恐竜。


そこで漸く騎士団も立ち直った

副隊長が声を張り上げた


「腹は狙うな!首を中心に攻めろ、急げ!」

「「おう!!!」」


ドガチャーン!!


「うわああー!」



うーん、すげえ暴れてて取り付く島も無いな・・・

アランも剣を掴んで食い下がっているけどドッタンバッタン暴れる恐竜のせいで今にも剥がれ落ちそうだ。


アランには悪いが俺はマロンについて心配していない

いやまあ、飲まれた瞬間はうわっと思ったけど

10秒も経たない内に吐き出されたドレスと防具がどう考えてもおかしかったからだ。


バトルドレスなんて戦場に出る女の子用なら、先ず脱がしにくく作られている筈だ。

コルセットも締め付けて、靴も簡単には脱げない

それが簡単に()()吐き出されるだろうか?

仮に食われてしまったとして丸呑みなら解る、でも吐き出されたのは装備のみ。

恐竜が口の中で服を脱がして食った? 有り得ないだろ。


まさかとは思うが俺は黒猫から人になった、マロンはオコジョから人に。

そしてリオンは人から恐竜に、となればマロンは・・・


「ギイイイエエエエッ!!」


俺が仮説を立てていると、それを邪魔するかのような不快な叫びが響き渡った。

眼下では相も変わらず騎士達は近寄れず、尻尾や振り回されている頭部や首に弾き飛ばされていた。


と言うか


「恐竜、のたうち回ってね?」


アランが眼に剣を突き刺した直後以上に恐竜がビタンビタンと地面を転がっていた。

まるで激痛に耐えられないと言っているかのように。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ