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決戦 6

「えい!えい!参ったか!」


ボクは頑張ってトカゲリオンを殴っていた

結構固いから途中から手加減は辞めた


「グアッ!」

「わっ」


ガチンとトカゲリオンが噛み付いて来るけど、頭悪いのか動きがとても分かりやすい。

目の前に閉じた歯があるから取り敢えず殴る


バキ

「ギイエエエエッ!」

「え、脆い・・・」


歯磨いてないのかな?

虫歯?

簡単に歯が割れちゃった・・・

トカゲリオンはギャースとボクに狙い定めてきた

騎士さん達には下がって貰ったから動きやすい

さっきなんて危ない騎士さんを助けたら、小さなトカゲに頭カプっと齧られちゃったからね。

うぅ、ネチョネチョして気持ち悪いよ・・・


それを見たアランが副隊長さんに騎士を下げろと言ってくれて、騎士さん達は皆小さなトカゲに。

ボクはトカゲリオンに集中できるようになった。

と言ってもトカゲリオンは元気で、長いしっぽを振り回しては騎士さん達に当たって転がる。

大人しくさせなきゃ!


頭でっかちで手は短いから足下に入ってパンチだ!


ドボッ!!


「グギャア」


あ、お腹柔らかいや、えいえい!

グギャアと叫びつつ足をドタバタさせて踏もうとするけど、身体のバランス的にオコジョ(ボク)より足が短いから怖くも何ともない短足リオン。


そうだ、忘れてた!

暴れる奴にはお腹パンチとローキックが良いって教わったんだった。

えっと、膝より上、股関節より下の太腿を思い切り蹴っ飛ばせば・・・

トカゲリオンの太腿ってどこだろ? まあいっか適当に脚も蹴っ飛ばそ。



***



決め手が、・・・なんだって?


マロンがティラノサウルスを相手にし始めて戦況は一変した、重装備の騎士がボッカンボッカン吹き飛ばされていたのにマロン1人が抑え込んで、寧ろ騎士達が近くに居るのが邪魔になっていた。


上から見ているとアランが副隊長に話し掛けた直後

大盾を持った騎士らはラプトルの方へと回り、その数をどんどん減らしている。

まあ、あんなデッカイの相手にした後ならラプトルなんてトカゲみたいなもんだ。

ラプトルにさえ腰が引けていた騎士が多い中、大盾でゴッスゴッスとシールドチャージして押して行った。


マロンの方も時たま近くに居た騎士を助けた際、ラプトルに頭をガブリとやられて焦ったが

何事も無かったように口をカパっと開けてぶん殴っていたからアイツは鋼鉄の身体を持ってるんだろう、心配は無用だ。


と思ったら、ティラノサウルスがマロンに背を向けた

ぐるりと回転すると遅れて迫った尻尾にマロンはトラックに撥ねられたボールみたいに弾かれた。

10m、20m、30m近く吹き飛んだ所で体勢を建て直し、これまた何事も無くティラノサウルスの腹下に潜りパンチ、足の付け根をゴツゴツと蹴った。

とても鈍い音で普通なら華奢なマロンを心配するところだが、俺はこの時点でマロンの心配をするのを辞めた。






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