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おまけ とある通話ログ
『はい、僕です』
『彼は晴れて運命の相手と結ばれました』
『彼とエリス嬢……常人より優れた「鴎外の血」の番はやがて我々……』
『……毛利製薬の手に……』
『鴎外の血筋が続けば……』
『……はい、毛利製薬を更に飛躍させられます』
『僕が二重スパイであったことに気づいた彼も、僕の真の立場には気づいていません』
『僕が三重スパイ』
『トリプル・クロスであるとは……』
『引き続き、恋人たちとのコンタクトを続けます』
『……はい』
『結局、誰も僕の正体が毛利製薬社員だとは気づけなかったようです』
『ええ、それでは……』
『……毛利社長』
― 完 ―




