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第48話 海老男「アレのパクリじゃねえか!」カイの新魔法『○○サーカス』炸裂!

 馬車は王都の門を抜け、まばらな街道を進んでいく。


 春の陽気に包まれた午後、石畳から土の道へと変わった車輪の音だけが、のどかに響いていた。


 


 その遥か上、街道を一望できる小高い丘の上。

 黒髪を風になびかせ、長身の男が立っていた。


 颶風の破槍テンペストブレイカー――ガルド。


 肩に槍を担ぎながら、鋭い眼差しで進む馬車を見下ろしている。


 その表情は静かだったが、槍を握る指先に込められた力が、彼の内に渦巻く激情を物語っていた。


「……あれか」


 ガルドは低く呟いた。


 背後には、黒のドレスに身を包んだ女が佇んでいる。

 腰まで流れる薄紫の髪が風に揺れ、赤いルビーの首飾りがかすかにきらめく。


 深淵の魔女アビス・ソーサレス――ラグリマ。


「ガルド。……やめなさい」


 ラグリマが、かすかに吐息混じりの声で呼びかける。


「相手は、ヴォルフを屠った男よ。ただの小競り合いで済む相手じゃない」

「ふん……それがどうした」


 ガルドは肩越しにラグリマを一瞥し、涼やかに笑った。


「ヴォルフが殺された。仲間を失った痛み……誇りを穢された怒り……それを、見過ごすわけにはいかん」

「感情に走れば、死ぬわ」


 ラグリマの声は冷たく澄んでいた。

 それでもガルドは、微塵も臆する様子を見せない。


「剣を交えれば、全てわかる」


 ガルドは槍を軽く振るい、腰に収めると、鞍に繋いでいた馬へとまたがった。


 馬が一度いななき、蹄を踏み鳴らす。


「武の道とは、そういうものだ」


 ラグリマは溜め息をついた。

 だが、止める言葉はもう発さなかった。


 ガルドは手綱を引くと、迷いなく馬を疾走させる。

 王都から離れるロブたちの馬車を目指し、風を切る音とともに駆け出していった。


 空は高く澄み渡り、遠くで雲がわずかに千切れていた。


 戦いの兆しを、誰よりも早く察したかのように――。





 馬車の中、リリアは両手を胸の前に向かい合わせ、真剣な顔で集中していた。

 手のひらの間には、ふわりと小さな光の球体が浮かんでいる。


 その球体が少しずつ萎んでいき、やがて消えてなくなる。

 セラフィナが懐中時計を覗き、声をかけた。


「十五分、持ちましたわよ、リリアさん」

「ほんとに!?」


 リリアはぱっと顔を輝かせ、手のひらの光を見つめた。


 その様子に、ロブが思わず小さく呟いた。


「ええ…………」


 本来ならこの段階に至るまで、最低でも三ヶ月はかかる。たった数日で成し遂げたリリアの成長速度に、ロブは内心驚いていた。


「やった……!」


 リリアは拳を握り、小さく跳ねた。


 だが、すぐに笑顔がかすかに曇る。


「でも……まだ魔力量が少なくて、攻撃呪文は撃てないんです……」


 落ち込むリリアに、セラフィナがやさしく微笑みかけた。


「焦ることはありませんわ。魔力も訓練で必ず増えますもの」


 フィリアもそっけない声で付け加える。


「初めてでこれだけできれば十分よ。あんた、素質あるから」


 リリアは照れくさそうに笑った。


「ねえ、カイ君はどう思う?」


 リリアが隣のカイに問いかけると、カイは少しだけ間を置き、曖昧に笑った。


「そうだね、すごいよ」


 その笑顔に、ロブがくくっと肩を揺らす。


「正直に言えよカイ。お前は最初からできたんだろう?」


 図星を突かれ、カイはわずかに視線をそらした。


「……言ったら嫌味っぽく聞こえると思って」

「え? どういうこと?」


 リリアが首をかしげると、カイは小さく苦笑しながら答えた。


「……俺、生まれつき魔力量が異常に多いんだ。魔力過剰適応障害オーバーマナ・シンドロームって診断されたくらい。だから、魔法も最初から普通に使えた」


 魔力過剰適応障害オーバーマナ・シンドローム

 それは魔力が常人の許容量を超えて生まれついた者に起こる体質異常。適切に抑制できなければ、魔素が暴走し、最悪の場合命を落とす危険もある。


「だけど、巡らせ方とか、抑え方とか、教えてもらえなかった。どうしたらいいか、自分で探すしかなかったんだ」


 リリアは目を丸くして見つめた。


「すごいよ、カイ君! それって、すっごく大変だったんだね!」


 カイは視線を外しながら、照れたように小さく笑った。


 ロブが静かに口を開く。


「カイ」


 カイは顔を上げる。


「ロブさん……」


「本当に、治せるんですか。俺の……魔力過剰適応障害オーバーマナ・シンドローム


 問う声にはわずかに震えがあった。


 ロブは短く息を吐き、迷いのない声で応えた。


「お前の力は、お前自身のものだ。ちゃんと鍛えれば、ちゃんと制御できる。……俺が教えてやる」


 カイは目を見開いた。


 ロブはそれ以上多くを語らず、ただまっすぐにカイを見つめた。


 その瞳には、一片の迷いもなかった。


 それだけで、十分だった。


 リリアがぱっと顔を上げ、にこりと笑った。


「……じゃあ、わたしも、もっともっと頑張る!」


 リリアは隣のセラフィナに向き直る。


「一緒に頑張ろうね、セラフィナさん!」

「ええ、もちろんですわ。リリアさん」


 セラフィナも上品に微笑み、リリアの手を取った。


 カイは静かに頷いた。


 フィリアは興味なさそうに肩をすくめると、素っ気なく呟いた。


「好きにやれば」


 それでもどこか、ほんのわずかに優しさを滲ませながら。


 馬車の中に、春の風がふわりと吹き込んだ。リリアたちが笑い合う中、ロブの眉がわずかに寄った。空気が、変わった。


 微かな殺気。砂を蹴る蹄の音。風に混じる、鋭い気配。ロブは即座に立ち上がった。


「エドガー。馬車を止めろ」

「了解!」


 エドガーは手綱を引き、馬車をぎしりと停める。

 リリアたちが驚きの声を上げるより早く、ロブは扉へ向かい、地面に飛び降りた。


 砂埃がふわりと舞う。


 リリアも続いて馬車から降りる。見るとロブは厳しい表情で前方を睨んでいた。

 

 街道の向こうから、一騎の馬が猛烈な勢いで迫ってくる。

 黒髪をなびかせ、肩に槍を担いだ男――ガルド。


 ロブは無言で、迫りくる男を睨み据えた。


 馬の蹄が大地を震わせる。砂塵が巻き上がる中、二人の視線がぶつかり合った。


 ガルドは馬を止めると、肩に担いだ槍を軽く立て直し、大きな声で名乗った。


紅竜四爪クリムゾン・クロー、颶風の破槍テンペストブレイカーガルド!」


 声は澄み渡る春空に高く響き渡った。


「また恥ずかしい名前を」


 ロブが呟く。

 リリアには彼が自分のことのように恥ずかしがっているように感じられた。


「お前が……海老男か」


 ロブは微動だにせず、静かに相手を見据えた。


「ああ」


 たった一言。


 ロブの返答に、ガルドはにやりと口元を吊り上げる。


「よかろう。ならばこの槍で、貴様の実力、確かめさせてもらう!」


 そう叫ぶと、ガルドは手綱を引き、馬を止めた。


 軽やかに鞍から飛び降りると、槍を肩に担ぎ直す。


「真正面から叩き潰す。それが俺の流儀だ!」


 風を孕んだような殺気を纏いながら、ガルドはロブへと歩み寄る。


 ロブは静かに腰の剣に手を伸ばし、鞘から引き抜いた。


 無駄な装飾のない、実戦用の片刃の剣。

 鞘鳴りとともに、冷えた光が覗いた。


 互いに数メートルの距離で向き合い、静かに睨み合う。


 一拍。


 次の瞬間、ガルドが鋭く地を蹴った。


 低く抑えた姿勢から、風を裂くように突きを繰り出す。


 ロブは最小限の動きで身をかわし、流れるように反撃に転じた。


 剣が振るわれ、槍と刃が火花を散らす。


 二人は一合、二合と打ち合い、土煙を巻き上げながら互いの呼吸を探る。


 ガルドは深く跳び退った。


 距離を取ったその瞬間、槍に宿る風の精霊石が青白く輝く。


風断槍エア・スパイラル!」


 叫びと同時に、ガルドの槍先から爆風が巻き起こる。


 螺旋状の風の刃が、弾丸のような勢いでロブに迫った。


 ロブは即座に剣を逆手に構え、地面を蹴った。


 旋風を斜めに切り裂きながら、ガルドへと踏み込む。


「っ……!」


 ガルドが槍を振り上げ、防御に移る。


 ロブの剣が、槍の軸を正確に打ち据えた。


 衝撃にガルドの腕がわずかに浮く。


 その隙を見逃さず、ロブは追撃を仕掛けた。


 ロブとガルドが対峙するその背後、見晴らしのいい街道の彼方から、一団の馬蹄の音が轟いた。


 紅竜団の部下たちだった。ガルドに続き、十名ほどの騎兵が槍や剣を掲げ、砂煙を巻き上げながら迫ってくる。


 馬車の周囲に、紅竜団の騎兵たちが砂煙を上げて迫ってきた。


 ロブは剣を構えたまま、リリアたちに短く命じる。


「エドガー、馬車を守れ! 全員、応戦だ!」

「了解!」


 エドガーが剣を抜き、馬車の横へ走る。セラフィナも素早く魔導杖を構えた。カイは短剣を握り、フィリアも弓を引き絞る。


 リリアは焦りながら両手をかざし、魔力を練る。


 紅竜団の騎兵たちが一直線に殺到する。


「はあっ!」


 エドガーが一騎の突撃を受け止め、剣を振るった。刃と刃が火花を散らし、エドガーは力強く敵を弾き飛ばす。


「凍てつけ! 澄みし水晶の矢よ、敵を貫け! 氷晶槍アイス・ランス!」


 セラフィナの詠唱とともに、魔導杖の先から鋭い氷の槍が放たれた。


 透明な氷晶が空気を裂き、馬上の敵を正確に撃ち抜き、地面に叩き落とす。


雷撃奔流ライトニング・ストリーム!」


 カイが低く呟くと、短剣の先端から雷光が迸った。


 走る稲妻の奔流が敵の馬へと駆け抜け、騎兵を馬ごと弾き飛ばす。

 轟音とともに馬上の敵が崩れ落ちた。


「穿て、聖煌せいこう連星弓れんせいきゅう!」


 フィリアの矢が三条の光となって放たれ、次々と盗賊たちを撃ち抜く。

 光の軌跡が空を走り、三人の敵がその場に崩れ落ちた。


「フレア・バレット!」


 リリアは叫び、必死に火球を生み出そうとする。


 しかし――


 ぼふん。


 手のひらからわずかな火の粉が弾けるだけだった。


「えっ……!」


 リリアは目を丸くして手を見つめる。


 魔力が、まだ圧倒的に足りない。


「リリアさん、下がってください!」


 セラフィナが叫び、リリアを庇うように前へ出た。


「冷気よ、氷の盾となりて我を守護せよ。グレイシャル・ウォール!」


 詠唱と同時に、地面から冷気を纏った氷の壁が立ち上がる。


 馬車へ迫っていた盗賊たちの突撃を、厚い氷壁がぴたりと食い止めた。


 氷の表面を剣が叩く音、魔法の衝撃がぶつかる音が響くが、壁はびくともしない。


 リリアは息を呑みながら、その背後に隠れる。


「これでしばらくは持ちますわ」

「助かったよ、セラ」


 エドガーが幼馴染に感謝を送る。

 フィリアは無言で次の矢を番えたまま油断なく視線を走らせている。


 馬車の周囲は、すでに激しい戦場と化していた。


 その中心で、ロブは一歩も引かず、ガルドを睨み据えていた。


「俺を甘く見るなよ……!」


 低く唸るような声とともに、ガルドの体から淡い青白い光が立ち昇る。


 それは、内なる力を解き放つ証。

 闘気ブレイズが、彼の全身に纏われた。


 さらに槍の根元に埋め込まれた風の精霊石が共鳴し、槍身を鋭く震わせる。


 ガルドは天を仰ぎ、気合を込めて叫んだ。


「穿て! 烈風穿槍テンペスト・ランサー!」


 瞬間、槍先に纏った風がうねりを上げ、一直線に解き放たれた。


 渦巻く烈風を纏った突撃。


 それは巨大な槍のように伸び、セラフィナが展開した氷の壁――グレイシャル・ウォールに激突した。


 ゴウンッ!!


 凄まじい音とともに、厚い氷壁が弾け飛ぶ。


 氷片が四散し、爆風が馬車周囲を襲った。


「きゃっ!」


 リリアが思わず身をすくめ、エドガーがリリアとセラフィナを庇うように前に立つ。


 フィリアとカイも素早く態勢を整えた。


 粉塵の中、ガルドは槍を肩に担ぎ直し、不敵に笑った。


「海老男以外に興味はない。弱肉強食は世の習いだ。盗賊の生業を果たさせてもらう」


 ガルドの配下の盗賊達がじりじりと馬車を囲む輪を狭めていく。

 リリアたちは身を寄せあいながら警戒している。


―――わたしがあの時みたいに魔法を使えれば。


 魔石の力を借りなければ、昨日のような魔法を使うことはできない。

 リリアは口惜しさに唇を噛む。


 横にいたカイは、短剣を握り締めたままふうっと息を吐いた。


 彼の周囲に、青白い雷光がぱちぱちと散る。


「……新しい魔法を使うか」


 カイは低く呟き、短剣を天に向けて突き上げた。


「踊れ、稲妻の蛇たち! 雷蛇乱舞サンダー・サーカス!」


 詠唱とともに、彼の手から無数の細い雷の鞭のような光が発射された。


 一本、また一本。

 雷光は空中で自由自在にうねりながら加速し、急旋回し、螺旋を描き――まるで意志を持つ蛇の群れのように敵へと襲いかかる。


 曲がり、ねじれ、急加速し、また曲がる。


 逃げようとする紅竜団の騎兵たちを、複雑な軌道で執拗に追い詰め、絡みつく。


「な、なんだこれっ!」

「避けられねぇ――!?」


 逃げ惑う騎兵たちの間を、雷の蛇たちがうねり、舞い、弾けた。


 次の瞬間、空中で雷光が連鎖爆発を起こす。

 砂埃の中に、何人もの敵兵が感電して崩れ落ちた。


 まさに圧倒的な光の乱舞。


 あまりにも鮮やかに、空間を埋め尽くす雷撃の群舞。

 リリアたちはただ圧倒されて見上げるばかりだった。


「す、すごい……!」

「なんなの、あれ……」


 フィリアすら目を丸くし、思わず弦を引く手を止めていた。


 戦場に、雷の蛇たちがうねり続ける。


 それを見たロブは、やれやれと言わんばかりに小さく肩をすくめた。


「……おいおい。アレのパクリかよ」


 かつて一度だけ、失われた時代の記録映像で目にした、無数のミサイルが空を乱舞する光景。


 ロブだけが、その異様な魔法の元ネタを理解していた。


「カイの奴、こりゃ確定だな」


 雷の軌跡を目で追いながら楽しそうに呟いた。



 そして突如、空気が震えた。


 誰かの声が、風に乗って響く。


『……ガルド、引け』


 その一声に、紅竜団の兵たちがざわめいた。


 ガルドは槍を肩に担ぎ、忌々しそうに顔をしかめる。


「何……だと?」


『これは頭領の命令だ。貴様も従え』


 声音は静かでありながら、絶対の圧を帯びていた。

 ガルヴァリウス――かつてロブと対峙した、あの仮面の魔族のものだ。


 ガルドは悔しげに槍を振り下ろし、地面を抉った。


「くそっ……!」


 ガルドは、ロブを睨み据えたまま叫んだ。


「ヴォルフの仇……必ず取らせてもらう!」


 怒気を吐き捨てると、彼は馬に飛び乗り、兵たちを率いて撤退を始めた。

 砂煙を巻き上げながら、紅竜団の一団は遠ざかっていく。


 そして、最後にガルヴァリウスの声だけが、ひときわ低く響いた。


『……いずれまた会おう、人間』


 風が吹き、音は消えた。


 戦場には、ただ砂と風と、残された静けさだけが漂っていた。


 ロブは剣を静かに鞘へ納めると、ぽつりと呟いた。


「――焦るなよ。そっちの番が来るのは、もう少し先だ」


紅竜団の残党が去り、砂煙が静かに地面へと沈んでいく。


 ロブは剣を鞘に納めると、ちらりとカイに目を向けた。


 カイは、まだ雷蛇乱舞サンダー・サーカスの余韻を纏ったまま、ぼんやりと空を見上げている。


 その様子を見たロブは、歩み寄り、ふっと小さく息を吐いた。


「カイ」


 呼びかけに、カイがはっと振り返る。


 ロブはまっすぐに彼を見据え、静かに言った。


「……お前、前世の記憶があるな?」


 その一言に、カイの全身がビクリと硬直する。


 目を見開き、息を呑み、何かを言いかけたが――


 声は、出なかった。


 春の風が、静かに馬車の周囲を撫でる。


 他の四人が「?」と首を捻って二人を見守る中、ロブはそれ以上何も言わず、ただ静かに、待った。


 カイの答えを、黙って。


 やがて、カイの口からか細い声が漏れた。


 




【50エピソード記念キャンペーン開催中!】


ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます!


今回、連載50エピソード達成を記念して、

「ブクマ+5」または「新規感想3件」を目標に、

読者参加型キャンペーンを実施しています!


目標を達成した際には、

特別版【リリア妄想ノート・ロングバージョン】を番外編として公開予定!


もしこの物語を応援していただけたら、

ブクマや感想で力を貸していただけると、とても嬉しいです!


リリアたちの物語は、ここからさらに加速していきます!


※キャンペーンの詳しい情報はX(Twitter)の固定ポストをご覧ください!

コチラから↓

https://x.com/yumaamagi/status/1916477884484694339?t=mjtp6r1isf41ptvlNh4CNQ&s=19


【リリアの妄想ノート】


今日は、いろんなことがありすぎて、頭が追いつきません……!


 ガルドさんたちが襲ってきて、みんなで戦いました。

 わたしも頑張ろうとしたけど、また魔法が出せなくて……。


 結局、ロブさんやカイ君たちに守ってもらうばかりでした。

 くやしくて、悔しくて……絶対にもっと強くなろうって、心に決めました。


 カイ君の魔法、雷蛇乱舞サンダー・サーカスは、本当にすごかったです。

 雷の蛇たちが空を埋め尽くして、敵が逃げ場を失うくらい!


 ……それにしても。


 最後にロブさんが、カイ君に言った言葉――


 「前世の記憶があるな?」


 ……え? 前世? どういうこと??


 カイ君って、いったい何者なの!?


 次に聞けるのかな……なんだか、ちょっとだけ怖いけど、でも――

 わたし、ちゃんと知りたいです。


【あとがき】


 今回は、リリアが自分の無力さを痛感し、カイはその"異質さ"をついに隠しきれなくなりました。  

 そしてラスト、ロブが問いかけた"前世の記憶"――。


 次回から、カイの秘密に迫る回想編に入ります。  

 カイが何を思い、何を抱えてこの世界に来たのか――  ぜひ、見届けてもらえたら嬉しいです!


 ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。


感想・ブクマ、いただけると励みになります!よろしくお願いします!



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