〜STORY 49 5月3日 壱 〜
「そ、そうなんだ…。か、奏音ちゃんもおばさんもやること凄いんだね……」
平日の授業の中休み
優希は後ろの席に座っている璃玖と先日あった家での出来事を話していた
結局あの後は二人が隙あらば優希を取り合うという優希にとってあまり休まる休日とはいえない忙しい1日となってしまった
「うん。でも、奏音と椿さんは僕の家族なんだしこれくらいどうって事はないよ」
「どうって事程度で済む問題では無いと思うよ!?」
あれくらいの事ならば家族の戯れ程度だと思っている優希に璃玖は驚愕を露わにする
実の母親から子作りを懇願され実の妹からは露出の多い服を着て誘惑される事を【これくらい】と言うのだから仕方のない事だが
「(う〜ん、女性に対して優しいとか免疫があるとかって次元じゃないんだろうけどこれは相当なんだよな。まぁ…優しいのが優希の良いところなんだけどさ…)」
璃玖は机に頬杖をつき優希の頭に手を置く
置かれた優希は頭の上に?マークを置いて目を点にしていた
「ふぇ……?どうしたの璃玖?」
「(ふふっ…きっと「璃玖は何してるのだろう?」とか「僕の頭に何か付いていたかな?」とか考えてるんだろうな。…僕の気持ちに一切気づいていんだろうけどさ。)」
璃玖の考えの通り優希は何故頭に手を置かれたのかが理解できずにいた
何故自分の頭を璃玖が笑顔でポンポンとリズミカルに叩くのかが理解できなかった
そんな光景が璃玖の親衛隊(仮)達は璃玖のそんな光景に歓喜の声を揚げる者もいれば璃玖に頭を置かれている事を妬ましく思っている者とで半々というより後者の方が多かった
「…………」
そんな光景を晴菜は自分の席から羨ましそうに眺めていた
本来ならすぐにでも優希の側に行きたいのだが日直の仕事の日誌の作成が終わっておらず次の休憩にまでに担任に渡さないと優希と過ごす昼休みが台無しになってしまう
その為、晴菜はその光景を手を動かしながら羨ましく眺めることしか出来なかった
「ちょ、頭をポンポンするのはやめてよ璃玖。なんかちょっと…恥ずかしいよ〜///」
「あはは、可愛い反応をしてくる優希が悪いんだよ?そんな可愛い反応されちゃったら止めようがないじゃないか」
頭を押さえ少し恥ずがりながら璃玖に頭を叩くのをやめるよう言う優希だったが璃玖は優希の反応が心をくすぐったのかさらにテンポ良く頭を叩くのだった
「「「…………【ボキィ!!!】」」」
その瞬間六条学園では3本のペンが同時に折られた
1本は優希達の教室で晴菜が持っていたペン
2本目は優希の隣の教室でクラスメートと交友を深めていた飛香の持つペン
3本目は優希のいる教室より上の階にいて次の教科の予習復習をしていた奏音の持つペン
晴菜以外の2人は優希と璃玖の光景を見ていないのだが優希に群がる邪気(ではないのだが本人達からはそう感じている)を感じ一瞬で嫉妬心が最高潮に達し気附ば手に持っていたペンが粉々になっていた
〜飛香サイド〜
「あ、飛香ちゃん!?大丈夫!!?」
「あ、あはは。もうこのペン古いからかな〜?(誰?あの女かしら?ゆ〜ちゃんにベタベタ触れてるのは?あとでゆ〜ちゃんから詳しく聞かなくちゃ)」
〜奏音サイド〜
「奏音ちゃんどうしたの!?ペンが粉々になっているよ!?」
「……ごめんなさい、破片、飛んじゃったね(お兄ちゃんに群がるメスは誰?妹の私に許可も取らずに誰なのかしら?)」
〜晴菜サイド〜
「……(やはり休み時間といえども常に優希様の元に馳せ参じなければいけませんわね。)」
晴菜は日誌を書き終えると教室をでて廊下に出ると誰もいない角辺に立つ
その場に立つと晴菜は一呼吸してから先程の優希の光景を思い出す
優希の頭に手を乗せる璃玖
優希の恥ずかしがる顔を見て更に頭を叩く璃玖
その間只々眺めるだけしか出来なかった自分
「はぁ……はぁ……はぁ……」
目を見開き目の前を見ると目の前にある壁には赤黒く染まる壁が映り、右手からはポツリ、ポツリと血が慕っていた
頭に嫌な光景が浮かぶ度に壁を殴っていたようだ
「不甲斐……ないですわね。……そしてなんて…醜いのでしょうね」
壁に頭をくっつけてそう呟くと晴菜は持っていた包帯や消毒液で自分の手を治療するとそのまま教室へと戻っていった
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