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帰ってきた南雲艦隊  作者: 銀河乞食分隊
異世界の南雲艦隊
9/17

迷子の迷子の 南雲艦隊

再開します。どこかの世界から帰ってくるまでのお話。

本日6時にもう1話の2話です。

 単冠湾に集結した艦隊は光に包まれた後、島影も見えない大海原に居た。


 そう居た。




(またか)(やはり)(招かれたか)


 こう思ったのは南雲艦隊の面々である。


(ジーザス!)(ホワイ?)(オーマイガー!!)

(おお運命よ、運命よ、皆が南雲艦隊を嘘つき呼ばわりしたお仕置きか?)


 米英艦隊の反応は大方これ。最後のはサフォーク艦長らしい。


 前回と同じく機関は停止している。これほどの艦隊だと衝突が怖いがそれなりに間隔が開いていた。

 各艦とも機関始動には成功し前進微速で動き始め警戒隊形へと移行する。さすがに定点を保って円運動など出来る規模ではないので直進しか出来ない。移動したくないが止まっていることも知らない海だけにはばかられる。




「長官」

「うむ。どうするかな。ここで待ってみるか?」

「前回も待ちました」

「そうだな」

「邂逅したのですが」

「良し。利根と筑摩の水偵を出して周辺海域の捜索と暗礁などがないか確認をさせよ」

「ハッ」


 山口多聞南雲艦隊長官は命じた。

 零式三座水偵が遠距離偵察で九五式水偵が近場の洋上監視だ。



 アメリカ海軍第58任務部隊では


「上空機影」

「レーダーに反応、近い」

「南雲艦隊から入電『偵察機を出した。結果待て』」

「反応が早いな」

「やはりあのことは事実だったのでしょうか」

「なれているようにも見えるが、1回だけなのだろう。そんなに対応出来るのか」

「連絡会議で「呼ばれている」と言った南雲艦隊幹部を馬鹿にしましたよね」

「当然だ。そんなこと誰が信じるものか」

「私も信じませんでしたし。他の誰も信じなかったでしょう」

「しかし、本国では誰かが信じたのか、それとも機会を見てウラジオストクへ乗り込もうと戦力を揃えたのか」

「ソ連への大規模示威行動という演習ですよ」

「ふん。名目上はな」

「本当に信じたんでしょうか」

「まあ都合良く行けば、船から搭載機器まで一切合切高性能になるというお話だし、人はスーパーマンもかくやという話だぞ」

「そっちを目的ですか」

「もしなれたら儲けもの程度だろう。それよりも太平洋艦隊復活ということをソ連に見せつけることだろう」

「それなら当たりまえ過ぎて不思議ではありませんね」

「そういえば南雲艦隊幹部から封筒を渡されたな「万が一の時は開封するといい」と言って」

「ありましたね」

「開けるか。万が一の事態だ」

「はい」


 そこには


『予備部品の機体外板へ事故に気をつけて銃を撃ち込んでみること』


 と書かれていた。


「やってみるか」

「そうですね」



 飛行甲板に縦に置かれたジュラルミンの外板に最初は艦長の拳銃。M1911ガバメント。貫通しないのはともかく凹みもしない。次にM1小銃。同じく。遂に50口径のAN/M2を撃ってみた。


「「ホワッツ!?」」「「「ホワイ?」」」「「オーマイガー!!」」


 まさか跳ね返されるとは。50口径だぞ。普通は貫通する。全員が思った。

 最初は1発で、次に連射してみた。次々に跳ね返される50口径弾。


 全員がお口あんぐり・・・・・・・・


「これで奴らを撃墜出来なかったのか」

「そのようですね」




 

 百海里進出し左へ百度変針した筑摩四番機が見たものは陸影だった。「陸影ミユ。百海里地点。本機ココデ待ツ」と電文を発し、危険だが電波を出す。鈍足な水偵であり何か見ても近づくなと厳命されている。


「どこだ」

「艦隊針路より百五十度方向です」

「五航戦から彩雲を出せ」

「了解」


 既に甲板で待機していた四機の彩雲が飛び立つ。

 同じ頃、筑摩四番機からの「島影ミユ」を傍受し、南雲艦隊から教えられた五十八任務部隊では偵察機の発艦準備が行われ始めた。

 何故彩雲なのかは南雲艦隊の九七艦攻が高速化しても彩雲の方が速かった。専用機であり偵察には最適なためだ。今回九七艦攻を甲板係止で彩雲を翔鶴・瑞鶴は六機ずつ格納庫に収容してきた。

 電波をたどり進出していった彩雲は筑摩四番機の零式三座水偵と無事合流。筑摩四番機は残りの哨戒線を飛行するために飛び去る。

 彩雲は南雲艦隊の謎性能揮発油と謎性能滑油で水平全速三百八十三ノット/五千八百メートルを発揮する。

 四機の彩雲は左右に角度をずらし偵察を開始する。


 さらに百海里飛ぶと彼方に海岸線が見える。あそこからでは見えなかったのだろう。手前は低い地形が続いて奥には水偵から見えた山並みが見える。


「逆探に反応。正面です」

「機銃員「逆探に反応あり」打て」

「ハッ「逆探に反応あり」打ちます」


 瑞鶴二番の操縦員である機長はこれからどうするか考える。

 行くか戻るか。同程度の相手なら振り切ることが可能かもしれんが、最近出てきた噴進エンジンだと追いつかれるな。機体はブローニングでは貫通されないみたいだが。


「機長、五航戦です「十分間直進、異常なければさらに十分間直進し帰投せよ」です」

「十分間直進、異常なければさらに十分間直進し帰投。で間違いないか」

「ハッ」

「では直進する」


 他三機も同じような指令を受けている。

 十五分後。


「一時上方、機影。打電だ」

「「機影ミユ」打ちます」

『こちら翔鶴一番。こちら翔鶴一番。攻撃された。帰投する。敵はプロペラ機だ』

「このままあと五分直進する」

「機長」

「一時の奴はどう出るかな」


 瑞鶴二番に接近してきた機体は上空を通過し旋回して後斜め上方に占位した。いつでも攻撃に移れる位置だ。液冷の小ぶりな戦闘機に見える。良かった、プロペラ機だ。ジェット機だったらどうしようと思っていたところだ。

 

「機銃員「瑞鶴二番、不明機体と二百五十ノットにて同航中。機体はプロペラ」打電しろ」

「ハッ「瑞鶴二番、不明機体と二百五十ノットにて同航中。機体はプロペラ」打電します」

「機長、偵察。三時方向から接近中の機影あり」

「偵察。写真は撮っているか」

「バッチリです」

「電探波は」

「受信中です」

「機長、こいつらこの機体を拿捕する気では」

「そうなれば快速を披露するだけだ」


 不明機体は横に並んだ。搭乗員はよくわからないが欧米系にも見える。横に並んだ奴も同じ機体で同じマークが着いている。

 無線電話は通じないようだ。

 手で着いてこいのように見える動きをしている。こんなものは万国共通だろう、と思う。いざとなれば三百八十三ノットを発揮すればいい。それに機体外版を十三ミリ機銃弾で打ち抜けないようになったのを予備部品を使って確認したし。


「貴様ら、どうするか。着いていくべきか、振り切って帰投するべきか」

「機長、着いていくべきだと愚考します」

「機銃手は着いていくべきか。偵察はどうか」

「私も着いていくべきかと。いざとなれば高速を発揮して振り切れそうですし」

「よし、行くぞ。機銃手はを打電せよ。暗号を組まんでよいぞ。平文でよい」

「ハッ、「我不明機に追随す」平文で打ちます」

 

「なんだと。向こうに着いていくと」

「そのようです」

「翔鶴の彩雲は攻撃されたのだな」

「ハッ」

「陸地の左側では攻撃され、右側ではお迎えか。拿捕したいんだろうが」

「攻撃よりはマシかと」

「そうだな。所属不明機にいきなり攻撃はないな。左は敵対する可能性が高い。アメリカ側に伝えるように」

「よろしいのですか」

「今は一蓮托生だ。かまわん」

「了解」

「瑞鶴一番より入電。読みます」

『大規模港湾ミユ。攻撃ヲ受ケタ様相アリ。不明機近ヅクモ、我ニ追イツク機体無シ。コレヨリ帰投ス』

「戦争状態か。いきなり攻撃を受けたことから予測されたが」

「こちらはどうしますか」

「こいつもアメリカさんに伝えてよい」



 その頃瑞鶴二番は順調に飛行していた。もう内陸部に入っている。


「機長、いつまで飛びますか」

「あと二十分だな。全速で飛ぶ時間が長いと帰投が怪しくなる」


 十分飛行後、瑞鶴二番が見たのはボコボコに穴が開いた飛行場だった。見られればもう用はないとばかりに随伴機に敬礼をし翼を翻した。追ってくるものの引き離してしまう。

 

「撮影はどうか」

「ハッ、順調でした」

「周辺監視に気を抜くな」

「「ハッ」」


 瑞鶴二番は無事帰投した。


AN/M2はcal30(7.62)とcal50(12.7)に20mmの三種類があるので面倒。

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