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必ず帰るから 南雲艦隊 きっとその日も 迎えておくれ

最終話です。


 昭和二十二年十月二十五日


(・・強大な・・・・・助け・・・求め・・・・・願ぃ・・・・)


 南雲艦隊の面々に響いた言葉。とても切ない思い。しかも緊急を要しているようだ。


 (行かねば単冠湾へ) 南雲艦隊の面々は思う。

 


 南雲長官は政府と交渉する。信じてもらえないがそれでも粘り強く交渉をした。自分達の退役を質草として。


「では、単冠湾に戦力を集結させてみて我らが消えなかったら儂らの首を切れば良い」


 海軍としては全員に退役されたら困るどころの騒ぎではないしそれほどまでにと言うなら、と単冠湾に戦力を集結させてみた。演習弾など積んでいない実弾装備であるが大規模演習である。これはソ連への当てつけの意味もあった。

 対外的には大規模演習と発表。特に単冠湾ということでアメリカを刺激しないようにアメリカ軍とアメリカ報道陣を招待した。



 昭和二十三年四月十八日 単冠湾に集結したのは


空母

赤城 加賀 蒼龍 飛龍 翔鶴 瑞鶴

大鳳 信濃 雲龍 葛城


戦艦

比叡 霧島

長門 大和


重巡

利根 筑摩

鳥海 足柄


軽巡

阿武隈

大淀 矢矧 酒匂 


駆逐艦

谷風 浦風 浜風 磯風 陽炎 不知火 霞 霰

白露 時雨 夕立 春雨 五月雨 海風 涼風

秋月 涼月 初月 霜月 冬月 宵月 

竹 梅 桃 樅 櫻 桐 橘 楠


海防艦

御蔵 三宅 淡路 能美 日振 大東 生名 四阪

鵜来 奄美 粟国 新南 屋久 竹生 神津 生野 

第一号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号 第七号 第八号

第九号 第十号 第十一号 第十二号 第十三号 第十四号 

第十五号 第十六号

 

潜水艦

イ16 イ18 イ19 イ20 イ21 イ22 イ23 イ24

イ56 イ58 イ400 イ401 イ402


補給艦

極洋丸 健洋丸 国洋丸 神国丸 東邦丸 東栄丸 日本丸

氷川丸 日枝丸 

戦後建造された貨物船二十五隻と船舶用重油を積んだタンカー六隻

揮発油・軽油・灯油を積んだケミカルタンカー四隻


新たに

工作艦

明石 鳴門(戦後新造)

特設工作艦

津軽


陸軍船 

神州丸 あきつ丸

陸軍徴用貨物船四十八隻

一個混成旅団

(歩兵二個連隊 戦車二個大隊 砲兵一個中隊 他四個中隊)  

一個混成飛行隊

(戦闘機四十八機 地上襲撃機十二機 爆撃機十二機 司令部偵察機六機)



 以上の大艦隊が演習として単冠湾に集結した。これは日本が現在外地に一回で出せる全力と言っていい。

 南雲忠一大将は最後のご奉公とばかりに参加している。現在の南雲艦隊は山口多聞大将が指揮を執っている。山口艦隊と言うべきだが通称南雲艦隊なので世間に良く通用する呼び方を続けられている。


 アメリカ軍は何を考えたのか海軍1個任務部隊と工作艦1隻。海兵隊1個連隊、歩兵2個連隊、戦車1個連隊、砲兵1個連隊と設営隊1個大隊を積んだ輸送艦と各種輸送艦58隻に各種タンカー18隻と浮きドック1隻まで来ている。護衛の戦艦2隻に巡洋艦4隻に駆逐艦8隻と護衛主力の護送空母8隻に護衛駆逐艦28隻もだ。しかも合同部隊の最高指揮権を持つのは海軍大将である。


 まさかと思うが中国やソ連へ行ったりしないよね?


 日本同様、ソ連に対する牽制であろうと思うが。ようやく復活した太平洋艦隊ならウラジオ程度いつでもやれるよ。と。

「日本への親善訪問と太平洋艦隊の大規模演習も同時に行うことにした」という公式発表ではある。

 日米の艦隊には他国武官や報道陣多数が乗船しこの一大イベントを取材している。タス通信の記者もいるがこれを持ち帰ってよく見せろという意味で取材を許可している。別に見られて困るものはない。


 ないったらない。




 単冠湾に集結し演習開始の信号弾を打ち上げ信号弾が炸裂したとき、


 南雲艦隊が光る。何故かアメリカ艦隊も光る。離れたところで見物に来ていたイギリス海軍の重巡サフォークも光っている。


 呆然と見ているのは傭船で外から取材している許可証の抽選からはずれた日本の報道陣と便乗して他国の報道陣や武官だ。


 そして消えた。彼らの見ている前で。

 大事件である。


 世間を騒がせた事件は世界に影響をもたらすかに思えたが、英米ソの協議により世界は静かだった。中国と独立紛争地域を除き。


 アメリカでは黄色いスカーフやハンカチが各家庭や多くの施設に掲げられ、無事な帰還を願う行事も多数開催される。

 日本も同様だが何故か赤いスカーフだ。おそらく日章旗の赤からだろう。

 以前、南雲艦隊は帰ってきた。

 

 だから今回も帰ってくると信じられている。


最後まで閲覧、ありがとうございました。


艦艇は下段が在来艦艇。生き残りの戦艦は長門と大和だけ。他は沈んでいるか港で着底しているか。重巡も足柄と鳥海の他は最上と那智だけが生き残り本土の警備に当たっています。軽巡や駆逐艦も似たようなもの。参加艦艇の多くが南雲艦隊帰還後に就役した艦艇。空母は天城が就役して本土防備に残りました。空母は工事が進んでいた阿蘇と生駒と笠置と生駒が完成し本土警備に。伊吹は解体。しかし、戦後は中型空母の価値がかなり下がり固定翼機の運用からヘリ空母への転換が早そう。


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