燃える大洋 駆ける南雲艦隊 波間に沈む 敵艦隊
ミネリー王国艦隊救援に間に合った南雲艦隊。
しかし、サザーランド共和国主力艦隊の数が多すぎた。これではミネリー王国艦隊への戦力を確保して南雲艦隊に当たり勝てるだろう。普通なら。
その戦力は内陸から飛んできた一〇〇式司令部偵察機五型によると
巨大戦艦 六隻 大和よりも巨大と思われる
大型戦艦 八隻 大和級同等と思われる
戦艦 十四隻 四万トン級と思われる
超大型空母 八隻 信濃同等と思われる
大型空母 二十二隻 エセックス級同等と思われる
空母 十六隻 二万トン級と思われる
中型空母 十二隻 飛龍よりも若干小さめと思われる
大型巡洋艦 二十三隻 大きさはボルチモア級同等と思われる
巡洋艦 三十二隻 条約型同等と思われる
小型巡洋艦 二十四隻 阿賀野級同等と思われる
大型駆逐艦 四十六隻 秋月級同等と思われる
駆逐艦 九十八隻 陽炎級同等と思われる
それらで十個の艦隊を構成していると。それが二十五ノットという艦隊速力で航行している。
巡洋艦以下の隻数はおおよそで、それ以上もあり得ると。数を聞いて再確認したのはほぼ全員だった。艦艇の確認は一〇〇式司令部偵察機五型の偵察員である海軍士官が確認しており間違いないとされた。
いくらなんでも南雲艦隊だけで殲滅は出来ない。弾薬数という限界があるし、乗組員の疲労もある。
他の艦隊が来るまで頑張るか。
今はサザーランド共和国主力艦隊を追い抜きながら前に出てミネリー王国艦隊とサザーランド共和国主力艦隊との間に入るべく相変わらず全速航行している南雲艦隊だった。南雲艦隊に航空攻撃は効果が無いここが分かったのか中止されているらしい。代わりに航空攻撃の目標になったミネリー王国艦隊だが、サザーランド共和国の攻撃機が来る頃には陸上基地からのエアカバーが届くようになり、有効な傘を提供している。P-47と疾風が一連射で敵機を墜としていく。ラーメルシュ帝国機もやや遅れて参加し負けるものかと奮闘している。
ミネリー王国艦隊がサザーランド共和国主力艦隊と接触した頃、他の艦隊は偵察に出ていた潜水艦からサザーランド共和国主力艦隊出撃(規模不明)という報告を受け、おそらく決戦海面であろう海域で迎え撃つべく進撃していた。ミネリー王国艦隊と距離は800キロ離れている。そして舳先を向けた。
同行していた地球艦隊も同じく。違うのは艦隊速力を33ノットに上げただけだ。特に戦艦戦隊はミズーリとウィスコンシンの二隻がその高速を発揮出来るのみで水上砲戦部隊の指揮はアメリカ戦艦戦隊の指揮官が執ることとなった。
その日は日が落ちた。さすがにサザーランド共和国主力艦隊も速力を巡航速力程度まで落としている。ミネリー王国艦隊もそうだ。何時までも高速発揮は出来ない。夜間のうちに南雲艦隊がミネリー王国艦隊に合流した。とんでもない速力であった。
翌日、哨戒行動を取っていた潜水艦からサザーランド共和国主力艦隊後方400キロに大輸送船団を発見の報が入る。「水平線は見えず。見渡す限りの船影」とのおまけ付きで。この報に地球艦隊は彩雲六機を飛ばした。
彩雲二番より
輸送船多数と正規空母と思わしき空母と護衛空母を含む護衛艦隊を認む。
との一報。
彩雲三番と四番より続報として
輸送船四百隻前後、二万トン級空母十隻、中型空母六隻、護衛空母四十三隻、戦艦八隻、巡洋艦二十八隻、駆逐艦大小百三十隻前後を確認。
彩雲一番五番六番はさらに進出して別働隊がないか索敵を行っている。今の所ないようだ。
大騒ぎとなった。敵も勝負をかけてきたのだ。こちらにがっちり食い込んだ部分を手放したくないのだろう。決戦海面と見なされた海域を迂回して一気に物資と人員の補給を行う気だと。
こちらの海上戦力は地球艦隊を除くと現在サザーランド共和国主力艦隊を迎撃しているのは
二万五千トン級空母 九隻
二万トン級空母 六隻
戦艦 十三隻
巡洋艦 三十二隻
艦隊型駆逐艦 六十四隻
だった。どう考えてもぶつかればすりつぶされる。
他に一万三千トン級空母十二隻と護衛駆逐艦百四十隻があるが船団護衛が本職で速力が低く武装も貧弱で艦隊戦には向かないので参加していない。
潜水艦はどこにいるのか秘密だが艦隊を追えるような速力はないので。
サザーランド共和国もラーメルシュ帝国艦隊の現状を推測しすりつぶすつもりで出撃したのだろう。地球艦隊の存在をほぼ知らないまま。
サザーランド共和国主力艦隊の向きを思いっきり変えてやることにした。輸送船団への攻撃である。サザーランド共和国もレーダーで見ているので、攻撃隊は輸送船団に向かえば無視できないだろう。輸送船団から離れて小さな艦隊を主力艦隊全艦で追うなんて。なんでこんなアホな行動を取ったのか全く理解できない。索敵機が現れたことからさすがに艦隊主力の針路を輸送船団に向かわせた。それでも二割近くがミネリー王国艦隊と南雲艦隊を追っている。やはり馬鹿だ。
ということでその翌日。航続距離に余裕のある地球艦隊のF4U八十機と零戦五三型二十機を別部隊としサザーランド共和国主力艦隊へ攻撃針路で接近する。サザーランド共和国のレーダーには映るはずだ。そちらにサザーランド共和国主力艦隊の艦載機を引きつけ気を取られている間に、主力攻撃隊はラーメルシュ帝国海軍の機体と合同で攻撃隊を編制。直線で輸送船団を目指すとした。
機数は少ないが地球艦隊の強力な機体は大いに威力を発揮するだろう。
地球艦隊戦闘機隊はサザーランド共和国主力艦隊から迎撃を受けた。見事に嵌まってくれたらしい。二百機近い迎撃機相手に奮闘する。向こうからすれば一機も寄せ付けないつもりの機数だろう。
敵戦闘機の性能はなかなかのものだった。しかし、謎性能向上した戦闘機隊の前に歯が立たずに次々と撃墜されてしまう。結局百数十機の敵戦闘機を撃墜し帰投した。偵察機と思われる機体が後を追尾してきたが偽針路の上に途中で撃墜した。
そこにおそらく緊急電が入ったのだろう。速力を上げ輸送船団との邂逅針路を急ぐサザーランド共和国主力艦隊だった。
分派されミネリー王国艦隊を追うサザーランド共和国艦隊も変針した。それを察知した南雲艦隊はミネリー王国艦隊と共にその分艦隊を全速で追う。今度は立場が逆だ。さらに南雲艦隊の高速性で簡単に追いつき艦隊戦に持ち込んだ。南雲艦隊が翻弄している間にミネリー王国艦隊も参加。
分派されたサザーランド共和国艦隊は戦艦六隻基幹の艦隊だが、比叡と霧島の主砲で対抗する。見れば四万トン前後で主砲は四十センチ砲クラスと思える戦艦だ。
ミネリー王国艦隊の戦艦二隻が参加した時点でサザーランド共和国艦隊戦艦は二隻沈んでおり二隻は損傷していた。一気に有利となった合同艦隊はサザーランド共和国艦隊を翻弄。勝利した。ミネリー王国艦隊は燃料不足でこれ以上の行動が無理で溺者救助の後、敵降伏艦を伴い帰投するという。逃げるしか選択肢のなかったミネリー王国艦隊は南雲艦隊のおかげだが大いに面目を保ち損害も少ないという嬉しい事になった。
南雲艦隊はもちろん祭り海上に急ぐ。
次回更新ですが2月8日日曜日の更新は無し。
次回更新は2月14日土曜日 05:00 になります。
祭り海上とか。あえて会場とせず海上です。会場が海上なので。




