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帰ってきた南雲艦隊  作者: 銀河乞食分隊
異世界の南雲艦隊
15/17

撃て 強力の 南雲艦隊                「当艦隊は 願いを叶えます そして 帰るのです」

南雲艦隊+巻き込まれ艦隊のことを今話から地球軍と呼称します。

 ラーメルシュ帝国から借り受けた演習地で性能確認や変わった性能に対する習熟を行った地球軍。

 期間はざっと1ヶ月に渡る。巻き込まれ艦隊でも巻き込まれた時点まで物資の復活が有ることが確認されたので補給の不安はない。


 その間、地球軍首脳部の一部はラーメルシュ帝国首脳部と会議を重ねていた。どこに、何時、戦力を投入するか。ラーメルシュ帝国に作られたサザーランド共和国の支配地域を取り戻したいが、おおよそ200キロメートル四方という広大な範囲でありサザーランド共和国陸軍がおおよそ200万人程度活動している。当然、航空機や装甲車両も多い。

 また、そこに暮らしていたラーメルシュ帝国国民がサザーランド共和国侵攻時に避難路が断たれるなどして逃げ出せず支配下に置かれている。その数おおよそ600万人。その人々の安全を確保しながらの対サザーランド共和国戦であるから難しさは増す。


 結局、じわじわと海岸まで押し出して逃げ道を作ることで、包囲され自暴自棄になってラーメルシュ帝国国民を巻き込んでの自滅戦を行わないようにする方向になった。




 アメリカ軍では


「なあ、帰る条件って分かるのかい」

「それは…どうだろうか。南雲艦隊幹部に聞けばいいのではないか」

「そうなるか」

「俺たちは初めてだぞ」

「そうだった」


「というわけで、教えて欲しい」

「いきなりだな。帰還条件か。俺たちの時は休戦して講和交渉が開始された頃だった。おそらく同じだろう」

「講和交渉開始の頃か」

「そうだと思う。誰かの意思だからな。満足させれば帰ることが出来るはずだ」

「誰かとは」

「誰かだな。人ならざるもの」

「まさか、ゴッド」

「それこそ分からん。相手というか神かもしれない存在を認識できないし、君たちの言うゴッドとは違う存在かもしれない」

「ゴッドではないと」

「あくまでも可能性の問題だ。俺たちは何度も眠れない夜があった。考えるだけ無駄だと悟ったよ」

「無駄か。まあそうなるか」

「人知を超えしものだ。人の想像力の埒外らちがいにいるのだろう」

「考えるのは無駄と思えるようになってきた」




 それから1ヶ月後。ラーメルシュ帝国首脳部から敵占領地奪還作戦を発動すると告げられた。それに参加されたいと。もちろん承諾した。

 海軍艦艇の出番はない。始めは陸軍が主力の大陸内部における占領地奪還作戦だから。



 基地から一〇〇式司令部偵察機五型が相継いで発進する。陸軍は六機持ち込んでる。今発進するのはその内の四機だ。

 ラーメルシュ帝国航空機もサザーランド共和国航空機も最大速度で六百五十キロくらいと聞いているので追いつかれることはないだろう。


 一〇〇式司令部偵察機五型による複数回の偵察行で敵の配置が明らかになり、当初の作戦予定から若干の変更がされた。敵戦力に偏りがあるのだ。金鉱が有るという場所を重点的に守っているようだ。他に有用な鉱山や各種製造施設があるのにそちらには重きを置いていなかった。戦争というのにのんびりしていると思った。

 その金鉱山からは年間で金が10トンくらい出るらしい。他にも銀が200トンくらい出るらしい。かなり優良な鉱山らしいが。

 それでも戦力を割いて防備を固めるほどの鉱山ではないというのが地球軍側の見解だ。ただ、もしかしたらサザーランド共和国影響下には金銀鉱山が少ないのかもしれない。それなら理解も出来る。

 しかし、ラーメルシュ帝国首脳部からは金銀はこちらと同じくらい困っていないはず、という回答があった。

 これは戦争をなめていると思った。自分たちの戦力に自信があって勝つ可能性しか考えていないのかもしれない。

 だが、その余裕を吹き飛ばしてやる。そのために呼ばれた地球軍だ。必ず勝たせる。そして帰る。


 変更された部分はその鉱山周辺にはちょっかいを掛けるだけにとどめて、他の戦力が薄い部分に主力を振り向けるというものだ。妥当だと思った。そして鉱山から戦力を剥がせれば、その戦力を順次撃破していく。


 戦闘が始まったのは航空撃滅戦からだった。敵も偵察機が頻繁に来れば防衛を強化しようと航空機などを増やしている。しかし、地球軍のほぼ墜ちないインチキ航空機の前には航空戦力をあっと言う間にすり減らした。ほぼ墜ちないというのは、新たに加わった航空機は南雲艦隊の航空機とは強化され具合が若干弱いと思われた。何故なら南雲艦隊の元はひ弱な九七艦攻や九九艦爆だが高射砲で墜とされた機体は無い。しかし対空砲火でA-26と流星襲撃機型が一機ずつ墜とされた。衝撃であった。

 航空隊には油断しないよう通達が出された。南雲艦隊以外の人員にも南雲艦隊乗組員並の超人性がないのかもしれない。こちらは要注意として厳しく認識するように末端の兵士まで一人一人面談で伝える。



 作戦は順調に推移した。まず兵力の薄い地域の奪還を行い成功。その後、金鉱山を守っていた部隊から抽出された兵力を次々に潰していく。大兵力に対してろくな偵察もせず見事な少数兵力の逐次投入という最低の作戦行動を取ってくれたサザーランド共和国軍である。偵察機は地球軍機がほとんど撃墜したのでろくな偵察が出来なかったにしても。

 そして占領地奥地でも大兵力を置いていた金鉱山の奪取も成功した。

 この時の作戦で、ラーメルシュ帝国軍と地球軍の合同戦力は占領地の3割程度を奪還する。




 陸軍戦車部隊における戦訓調査の一部。


「なあ、石橋二曹。おまえ敵を撃破したか。ああ、あのデカ物だ」

「ハッ、大原中尉殿。自分の所属する戦車小隊で三両撃破しております」

「ほう。チヘ改でか」

「ハッ、敵の弾を見事に跳ね返しました。ただ、衝撃がきつくしばらく人事不省で戦闘不能となりました」

「そんなにきついのか」

「ハッ、しかし命あっての物種と全員で頑張りました」

「そうだな、命は大事だ。司令官からもそう言われておる」

「ハッ」

「あのデカ物だが、チヘ改の四十七ミリ主砲で貫通できたのか」

「ハッ、正面は無理でありました」

「では側面か」

「ハッ、一両が囮となり僚車が回り込んでであります」

「うむ。ご苦労だった。休んで良し」

「ハッ、ありがたくあります」


 大原中尉はあのデカ物をチヘ改で撃破だとか信じられんな。と思う。撃破された戦車はKV-2によく似ていた。よく似ているのは、収斂進化という奴かな。もちろん装甲厚は違う。装甲厚は砲塔前面が百ミリ、側面と後部が六十ミリ。車体が前面九十ミリ、側面五十ミリだった。主砲は二十五口径と榴弾砲クラスだが百五ミリだと。しかも、あの主砲を喰らってチヘ改が生き残っているだと?アレを喰らって横転したチヘ改も有った。乗員がほぼ無傷というのが信じられない。しかし証拠写真もあるし撃破された敵戦車もある。あの小さい貫通孔は七十五ミリ級ではなく四十七ミリのものだろう。威力が上がっているから側面から撃破できたのだろう。あんなのがゴロゴロしているという。いくら台数が足りないからと言ってもチヘ改はやはり戦車戦で正面戦闘には使えん。軽戦車としての任務に使うよう上申するとするか。



 二ヶ月後、物資の集積と戦力再編がなったラーメルシュ帝国軍と地球軍は次の作戦に移るのだった。


次回更新 2月01日 05:00


チヘ改は車体と砲塔の正面装甲に二十五ミリ装甲板をボルトオン。側面と後方も十ミリ装甲板をボルトオン。履帯幅を三十ミリ拡げで接地圧は大差ないので機関出力の一割向上と併せて不整地走行性は悪くないです。画期的な出来事として操作系の油圧サーボが実現。

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