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姉ちゃんは同級生 ~井の頭の青い空~  作者: 山崎空語
第6章 高校生の俺達 ~卒業に向かって~
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6-2 高3が始まった日(その2)~厳しい指導~

 入学式が終わった4月9日の午後、ユウを除く放送部員は放送室で明日からの新人勧誘の作戦会議をした。久我高では、入学式から1週間が新人勧誘期間と定められている。つまり今年は4月16日(火曜日)までと言う事になる。この1週間は、体育会系も文科系も、あらゆる部活やサークルが入り乱れて結構過激な勧誘をする。もちろん土日無しだ。ただし、公序良俗に照らして行き過ぎる活動をすると、最も軽いのが注意、次が説諭、続いて指導、重いのが1週間から3か月の活動停止、そして、最も重いのが部の解散勧告という厳しいペナルティーが科せられる。それを最初に判断するのは当然だが生徒会長だ。勧誘期間の1週間を過ぎると、表立った騒々しい勧誘は出来なくなる。違反すると即1週間の活動停止だ。ただし、不特定多数にではなく、入部希望の新入生が対象なら、適宜アピールする事は問題無い。

「高野部長、ユウ君はなんか家の急用で午後帰りました。」と雫。

「ああ、理由は知らないが、帰るってのは聞いた。」

「部活に飽きたとかじゃ無いですよね。少し心配です。」とケイ。

「まあ、新勧が嫌でサボったって様子じゃないから。」と俺。

「翔太は何か知ってそうだな。」

「いや、知らない。けど、かなり慌てて急いでた。」

「まあ、ユウに何かあったら皆でお節介な!」

『はい!』

「ところで翔太、新勧、去年と同じように呼び込みしてくれるか?」

「そう来ると思った。まあ、露骨じゃなきゃ良いよ。」

「そう言えば去年は生徒会のご指導を受けたっけ。」

「あのなあ! 忘れたとは言わせない。」

「立川先輩はもう卒業しちゃったからOKじゃない?」

「美田園君が律儀りちぎに引き継いでると思う。」

「生徒会の前にハルちゃんと宮内(緑ちゃん)に釘を刺すってか、了解を貰っとくべきだな。」

「ああ、パパラッチ団ね! むしろ仲間にした方が平和な気がする。」

「翔太先輩、去年、いったい何したんですか?」とケイ。

「大した事じゃないよ。シヨウ君の握手会。希望者にはハグのサービス付き。」

「私、してもらいましたぁ!」と雫。

「そんなのしてましたぁ?」

「ケイちゃんの時には終了してた。」

「ほんとですかぁ?」

「まだやってたらケイちゃんもハグした?」

「えぇー、微妙ょー。」

「だよね。でも結局、握手とハグは大勢したけど、入部してくれたのは雫ちゃんだけだった。」

「私、あの時はショウさんに憧れてましたぁ!」

「ほんと?・・・で今は?」

俺は雫ちゃんを見詰めた。雫ちゃんは微妙な微笑みを返した。

「『あいみての 後の心にくらぶれば 昔は物を思わざりけり』ですぅ!」

「あぁ~、そう言う事実は1ミリも無いから。前提が既に崩れてるよね。」

「あの頃とは別の意味でお慕いしてますぅ。」

「どんな?」

「賢い先輩!」

「あ、ありがとう。取り敢えずお礼申し上げます。」

雫ちゃんと俺はまた微笑みあって目線を交わした。ケイちゃんが呆れ顔で割って入った。

「話を元に戻しますけど、握手会と立川先輩とどういう関係ですか?」

「長い話になる。」

「なんか面白そうですね。」

「まさか! 俺は誰かさんに裏切られて生徒会に連行されたんだぜ!」

「本当ですかぁ?」

「大袈裟な奴だ!」

「あのなあ!」

「それでどうなったんですか?」

「もちろん立川先輩の厳しいご指導を受けましたよ。」

「へぇ~!」

俺の脳内意識は丁度1年前のあの日の回想モードになった。


・・・・・

 あの日の昼休み、早めの昼食を食べて、歯を磨いて、順平と俺は校舎裏手の通路で新人勧誘を始めた。そこが事務棟から死角になる場所だなんて考えてもみなかった。勧誘を始めて間もなく行列ができた。狙った通り結構な人気だった。

「あのぉ、名前、呼んでくれますか?」

「もちろん。何て言えば良いですか?」

「レイコです。」

「分かりました。・・・じゃあ、レイコちゃんで。」

「ハイ!」

俺は、3日あれば十分に馴れる事が出来そうな、かなり太めの少女をハグした。想像以上に安定感があって、癒される感じがした。そして耳元で囁いた。

「レイコ、これからもショウを宜しく!」

「ハッ、ハイ!」

可愛い声の返事だった。俺はレイコちゃんから離れた。レイコちゃんと俺は数秒見詰め合った。俺を見詰めるレイコちゃんは嬉しそうだった。俺も微笑みを惜しみなく返してから、レイコちゃんの後ろでパンフの様な物で顔を隠して、うつむいて恥ずかしそうにしている少女に声をかけた。

「次の方どうぞ。」

その少女は、はにかんだようにゆっくり顔をあげた。

「・・・・・」

「ああっ、立川先輩!」

「中西君、これは何の行列ですか?」

「あ、握手会です。」

「最近の握手は抱き合うのですか?」

「それは、希望者だけでして・・・」

「そう。・・・百歩譲って、握手会と放送部の活動とどう云う因果関係なのかしら?」

「ですから、ショウの知名度と魅力でですね・・・」

「フェアじゃ無いわね。」

「使える可能性は何でも試したいと・・・」

「放送部では男女が抱き合う事が活動なのですか?」

マレにですが。」

「それが本当なら解散勧告ですね。」

「先輩、もう勘弁して下さいよ!」

「とにかく、生徒会室に同行してください。」

「ペナっすか?」

「少しお話ししましょう。」

俺は行列の中程で入部届け付き勧誘ビラを配っている順平に声をかけた。

「順平ちょっと!」

「なんだ?」

順平も俺の傍に来て、立川先輩に睨まれた。

「俺はこれから生徒会室に連行される。」

「会長、これ、駄目すか?」

「久我高生徒に相応ふさわしくない行為が行われているという通報の確認に来たらこれでしたから。」

「それで、結論は?」

「相応しいとは言えませんね。」

「しかし、握手位で?」

「しかも事務棟の死角とは確信犯よね。正直に認めなければ即時ペナルティーです。」

「御意! 煮るなと焼くなとご随意に!」

「おい順平! 俺を見捨てるのか?」

「先輩、こいつが勝手にやった事とは言え、悪気はありません。どうか穏便にお願いします。」

「な、何だよそれ!」

順平は俺の肩に手を置いて、耳元で囁いた。

「悪い、これも放送部のためだ!」

「なんてこった!」

順平は俺の肩から手を離すと、振り返って、20人程の行列に向かって大声をあげた。

「すみません。お達しにより、握手会はただ今を持ちまして終了とさせて頂きまーす。」

『エエェ~!』

「『ご希望の方』は、明日、入部届けを持って放送室においで下さい。」

「高野君、今のは聞き捨てならないわね。」

「え? どうしてですか?」

「いかがわしい行為と入部を引き換えにして勧誘したわ。」

「そんな事は申しておりません。『入部ご希望の方』の積もりでした。」

立川先輩は順平を呆れ顔で睨んだ。順平はドヤ顔だった。俺の嫌な予感は倍増した。


 3分後、俺は立川先輩に連れられて生徒会室に入った。生徒会室には副会長席に美田園君が座っていて、俺を見て気の毒そうな笑みを浮かべた様に感じた。おれは右手を小さく上げて挨拶したが、美田園君はなぜか見て見ぬ振りの無反応だった。

「ソファーに掛けて下さい。」と立川先輩。

「はい。」

俺は同窓会寄贈の応接セットに座った。すると美田園君が立ち上がって、

「お茶入れますか?」

「そうね。お願いするわ!」

立川先輩はそう言うと会長席に座ってスマホを出して何やらメールのチェックをした。しばらく重苦しい沈黙が流れた。美田園君がお茶を2つ持ってきてローテーブルに置いた。それを見てようやく立川先輩が応接セットに来て俺の対面に座った。

「美田園君、新しい通報が来ている様ですけど。」

「はい。来ています。」

「私はこれから中西君と話がありますから、すみませんが内容を吟味してください。」

「分りました。ひとまず僕が初期対応します。」

「もう分析してあるの?」

「はい。」

「どんな内容なの?」

「柔道部と古武術同好会が道場で揉めている様です。形の演技の順番とかです。」

「そうですか。確か曜日と時間で分けてますよね。」

「はい。それを確認してきます。念のため書記長にヘルプを頼みます。」

「そうですね。じゃあ宜しくお願いします。」

「はい。では行って来ます。」

美田園君は妙に急ぎ足で生徒会室を出て行った。俺は、美田園君は同学年だから味方だと勝手に思い込んでいた自分が情けなかった。こうして、俺を助けてくれそうな人物は誰も居なくなった。生徒会室に緊張が充満した。

「中西君、君がしていた事は『ハグ研究会』とかだったら仕方なく許してあげられるけどね。」

「結果的に同じ事では?」

「意味が全く違います。もっとも、『ハグ研究会』の設立は大変だろうと思いますが。」

「それはつまり、俺がスタイルKのショウだからですか。」

「そうです。校外活動の知名度を悪用するのはアンフェアだと思いませんか?」

「悪用ですか? まあ、そう言われれば、ある意味そうですが。」

「それに、自己管理がまだ十分に出来ない1年生を騙している事になります。」

「案外そうでも無いと思いますが・・・」

少し沈黙が流れた。俺は美田園君が入れてくれた薄いお茶をすすった。

「第1、私が嫌なんです。」

「え、えぇー?・・・どう云う事ですか?」

「中西君が不特定多数の女子とあの様な行為を公然としているのがです。」

「えっと、つまり・・・」

1瞬沈黙が流れた。立川先輩はゆっくり深い息をした。

「中西君は私が嫌いですか?」

「嫌いな訳がありません。」

「私も中西君が嫌いではありません。」

「って事はですねぇ・・・」

「それではもう結論は出ましたね。」

「うーん。どう云う事かまだうまく理解できないのですが・・・?」

「ちょっとこっちに来て下さい。」

そう言うと、立川先輩は立ち上がって俺を流し台に連れて行った。

「石鹸で手を洗ってください。」

「はい。」

俺は言われるままに手を洗った。すると先輩がハンカチを差し出したので、有難く受け取ってそれで手を拭いた。良い香りがするハンカチだった。俺に続いて先輩も手を洗った。俺は手を洗い終わった先輩にハンカチを折り返して綺麗な面を出して渡した。先輩は微笑んで受け取って手を拭いた。

「それでは握手しましょう。」

「は、はい。」

確かに、握手するなら清潔な手が良いと思う。先輩の手は洗ったばかりのせいか、少し冷たいが柔らかい。やっぱ女子の手だと思った瞬間、立川先輩が俺を緩く抱いた。俺は硬直した。

「えっ、立川先輩・・・」

「中西君、ハグと云うのは、こうして親しい者同士でするものです。」

「は、はい。」

「軽々しく誰とでもしないでください。」

「あ、はい。」

俺も立川先輩を緩くハグした・・・積りだったが、緊張のため、少し力が入ったかも知れない。立川先輩は思ったより胸が有る感じがした。俺の男の本能が衝動リビドーを掻き立てる寸前になった。先輩は俺の胸に顔を横にして付けた。そして、

「これからは時々翔ちゃんと呼ばしてもらいます。」

「あ・・・はい。分かりました。」

「ありがとう。翔ちゃん。」

「知奈美ちゃんって言って良いですか?」

「それは変だわ!」

「ですよね。じゃあ先輩って言います。」

「そうですね。『立川』無しのその言い方が良いわ!」

「はい、先輩。」

立川先輩と俺はしばらく緩く抱き合った。

「ところで翔ちゃん。」

「はい、何でしょう先輩!」

「いつまでくっついているつもり?」

「あ、すみません。」


 先輩と俺は応接セットに戻った。そして少しぬるくなったお茶を飲んだ。先輩を見ると、耳が少し赤くて恥ずそうだった。俺は初めて立川先輩の優しさに包まれた気がした。

「中西君はどうも男女の間の振る舞いに関して無頓着な気がします。」

「はい。姉にもよく言われます。」

「経験不足と言うよりも天然な感じがして、とてもハラハラします。」

「すみません。」

「今日は良い機会だと思いましたので、少し行き過ぎた指導をしてしまったかも知れません。」

「あ、有難うございます。」

「中西君がどうでも良い事でも、嫌な思いをする人が居るかも知れません。」

「はい。分りました。以後気を付けます。」

立川先輩は俺を見詰めた。俺も先輩を見つめ返した。お互いに微笑んでいたと思う。

「分ってくれましたか?」

「はい。」

その時、生徒会室の入り口をノックして、誰かが入って来た。

「失礼します。宮内緑です。」

「中西春香です。」

立川先輩は立ち上がって、

「宮内さん、春香さん、こちらです。」

『失礼します。』

姉ちゃんと緑ちゃんが応接セットの横に来た。立川先輩は2人を見て微笑んだ。

「そちらへどうぞ。」

俺はなんか姉ちゃんにすごく悪い事をしたような自己嫌悪に苛まれながら、腰を浮かせて長いソフアーの右端に移動した。姉ちゃんが俺の左隣に、その更に左に緑ちゃんが座った。

「今、指導が終わった所です。」

「翔ちゃん、緑ちゃんから聞いたわ! ちょっとやり過ぎたね。」

「へいへい。」

「あれぇー、反省の色が見えないね。」と緑。

「犯人は緑ちゃんでしたか。」

「逆恨み?」

俺はため息を1つした。

「恨むなんてとんでもない。感謝しております。」

「じゃあ、言う事が有るよね。」

「・・・有難うございました。」

「あら、とんでも御座いませんわ、こんな事で宜しかったら何度でも致しますわ!」

「2度は要らないから!」

「なんですって?」

「何でもありません。」

緑ちゃんはドヤ顔だった。立川先輩と姉ちゃんは吹き出しそうな笑顔だった。俺は溜息が出た。

「中西君は物分かりが良くて、久我高生らしさを理解してくれました。」

「本当?」と姉ちゃん。

「うん、もう完璧!」

「そう。偉かったね。翔ちゃん。」

姉ちゃんはそう言って、俺を右肩で押すようにしてから優しい笑顔になった。なんか、黒くて深い姉ちゃんの大きな瞳から落ち込んだ俺に元気が送り込まれてくる様な感じがした。この時、俺の肩や背中から強張った緊張感が消滅したと思う。やっぱり俺は姉ちゃんには敵わない。

「さあ、後は保護者のお2人にお返ししますから、私の指導はここまでです。」

「有難うございました。」と姉ちゃん。

「春香さん、しっかりね。」と立川先輩。

立川先輩と姉ちゃんは微笑んで見詰め合った。なぜか緑ちゃんも満足そうな表情だった。こうして俺は生徒会室から解放された。ただ、その夜、俺は姉ちゃんに問い詰められて、立川先輩の指導の全容を白状ゲロさせられたのは言うまでもない。なんか、俺は『リア充』だと自負しながらも、そのプライドとリビドーは年々スポイルされている様な気がする。でもまあ、これが俺を司る真理かも知れない。つまり、俺の男子としての小さな尊厳プライドは女子の優しさと可愛らしさの前には全く意味を成さなくなるらしい。

・・・・・


そして俺の脳内意識は今に戻る。

「まあ、そう言う事で、今年は写真部とツルムのが良いと思うんだけど。」と俺。

「ああ、それ良いですね。」と雫。

「ハルちゃんが協力してくれると百人力だかんな。」と順平。

「内緒ですけど、写真部の阿部君ってちょっとカッコ良いですよね。」とケイ。

「そうか、そうなのか!」と順平。

「あ、すみません。前言撤回!」

「もう遅いんじゃね!」

「そんなんじゃ無いですからぁ!」

「よーっし、じゃあ、早速メールしてみるよ。」と俺。

「えぇ~、止めて下さいよ!」

「え? どうして?」

「誰にですか? メール。」

「姉ですけど、何か?」

「いえ、それなら、はい。」

ケイちゃんの耳が真っ赤だった。いつもキュートで可愛い声のケイちゃんだが、この時の動転して慌てた仕草が一層可愛く見えた。

 10分後、放送室に写真部の3人(緑ちゃん、姉ちゃん、阿部君)が来た。合同で新人勧誘をするという話しは何の障害も無くあっさり決まった。なので、翌日から中庭や渡り廊下で放送部と写真部が隣同士になって協力して新人勧誘をした。狙い通り、姉ちゃんと俺が一緒に居る効果で、大勢の新入生が集まった。もちろん、入部希望者と握手することはあったが、ハグやサイン会は無しだ。当然、通報される事は無く、生徒会に迷惑を掛ける事も無かった。その結果、放送部、写真部共に例年より多い4人の1年生が入部した。この8人については、勧誘した時点ではまだどんな人物か分らないから今は入部届けに記載されていた名前と組と上級生の俺達が勝手に付けた呼称だけを記録しておく。

放送部の4人は、

  北島 誠 (A組:マコトくん)

  三戸浩志 (C組:ミヒロくん)

  徳田加奈子(F組:カナちゃん)

  天野詩織 (H組:シオリちゃん)

写真部の4人は

  山廣保志 (B組:ヤヤくん)

  戸上 剛 (D組:ツヨシくん)

  金井 凛 (G組:リンちゃん)

  山根美紀 (G組:ミキちゃん)

ただし、放送部のカナちゃんは、去年まで写真部に在籍し、久我高ヲタの典型と呼ばれ、今はレジェンドとなった、あのT先輩の妹だ。同じ両親から生まれたのに、兄に比べて、妹は幸いにもかなり良い容姿を与えらている。だが、個性の濃さと言う面ではやはりT先輩に軍配が上がる。お兄さんは現在浪人中にも拘わらず、秋葉原や池袋の同人イベントでカメコに没頭しているそうだ。カナちゃんは、『お兄ちゃんは我が家の唯一の汚点です。』と言いつつ、兄を心配して心を痛めている優しい妹だ。


 ともあれ、こんな感じで、特別重大な事件も無く、普通にそして賑やかに、姉ちゃんと俺の高校最後の学年が始まった。これから姉ちゃんと俺は徐々に受験勉強に軸足を移して行く事になるから、おそらく特別な面白い話が少なくなる様な気がする。だが、実を言うと、自分の事ながら、生来の巻き込まれ体質の俺の事だから、きっとまた何かに巻き込まれる予感もしていた。

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