ルミナリアという女の子
ルミナリアはついにフィアナへと真実を語ります。
後半ではルミナリアに女の子としてのあるイベントが来てしまいます……
第44話です。どうぞ。
ルミナリアがアルルメイヤへと真実を語った翌日。ルミナリア達は朝食を食べたあと、フィアナの家へと戻っていた。なお、ルミナリアは、例のドレスからは既に着替えており、簡素なワンピース姿となっていた。
「あのドレスよりはいいよね?」
とはルミナリアの談。未だ完全に調子が戻らないルミナリアを気遣った国王夫妻がゆっくりしていってはどうかとは言っていたが、さすがにそれは申し訳ないとルミナリアが辞退したのだ。決してメイド達が恐かったからではないだろう。きっと。
「ただいまー。お城も素敵な場所だったけどやっぱり自分の家が一番落ち着くわね」
「ん、確かに」
「だねーって、アルルはあっちが自分の家でしょ」
「気にしない気にしない。そう言うルミナも居候」
「うぐ……」
「ふふ、二人ともここが自分の家って言ってくれていいのよ? それで、ルミナちゃん、大事な話があるって言ってたけど何かしら?」
フィアナが椅子に座るのに続き、ルミナリアとアルルメイヤも机を挟んだその向かいに座る。ルミナリアからの大事な話というのはもちろんアルルメイヤにも語ったルミナリア自身のこと。城からの帰り道でフィアナに大事な話があるので聞いてほしい、とルミナリアからお願いしていたのだ。
「うん、お姉ちゃん、聞いてほしいことがあるんだ……」
「ええ、どうしたの?」
緊張と恐怖でルミナリアの身体が震えそうになる。俯きそうになる。しかし、そんなルミナリアの手をアルルメイヤがそっと握る。
「ルミナ」
「……うん、ありがと」
ルミナリアもアルルメイヤの手をそっと握り返す。ルミナリアは、それだけで不思議と勇気が湧いてくる気がした。
「お姉ちゃん、実は今まで嘘をついていたことがあるんだ」
「嘘……? いったい何のこと?」
「初めて出会ったあのとき、記憶喪失だってことにしてたけど、本当は記憶はあるんだ。ルミナリアとしてじゃなく、別の世界で暮らしていた進藤和希としての記憶が」
「……え?」
ルミナリアの口から飛び出して来た話のあまりの突飛さに、フィアナはポカンとしてしまった。それからルミナリアは、自分がこの世界に来た経緯や、どんな思いをもって真実を語ろうと思ったかをフィアナへとゆっくり語った。そして、全てを話し終えるとフィアナは目を閉じて俯いた。
「お姉ちゃん……ごめんなさい……」
ルミナリアが、俯いてしまったフィアナへと再び謝罪をする。すると、フィアナがルミナリアをじっと見つめた。
「ルミナちゃんはルミナちゃんとしてここにいるって決めたのよね?」
「うん、今ここにいるのはお姉ちゃんの妹であり、アルルの友達であるルミナリアとしてここにいる。そうでありたい」
「そっか……ふふ、あははははは!」
ルミナリアの言葉にフィアナが突然大声を上げて笑い始める。
「お、お姉ちゃん!?」
「あーよかった! 途中からルミナちゃんがここから出ていく何て言い出したらどうしようかと思ったのよ? ふふ、それにしても納得したわ」
フィアナがスッキリしたような表情で笑い続ける。
「ん、フィアナ、何がスッキリしたの?」
「あぁ、アルルちゃんは知らなかったわね。ルミナちゃんは自分のことを僕って呼んでた理由とか、可愛い服を嫌がっていた訳がわかってスッキリしたのよ」
「あ……あはは」
そういえばそうだった、とルミナリアが苦笑する。
「さて、これでハッキリしたことがあるわね。これからもルミナちゃんたちを妹として可愛がっていいってことよね! 嬉しいわ……ふふふふふ。元が男の子だからって遠慮何てしなくていいのよね……ふふふふふふ」
フィアナが実に楽しげな笑顔で話すと同時に、ルミナリアとアルルメイヤの背筋に悪寒が走る。
「何か今嫌な予感が……」
「ん、同感……」
「ふふふふふ……楽しみだわぁ……ふふふふ」
こうして、フィアナもルミナリアの真実を知ることとなったのだった。
「ルミナ、よかったね」
「うん、アルル、ありがと」
ルミナリアが、一緒に居てくれると言ってくれたアルルメイヤへと微笑んだ。
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「ん……」
時刻は夕方頃だろうか、窓からは夕日の赤が入ってきていた。ルミナリアは、まだ本調子ではないということで昼食を食べた後からベッドで休んでいたが、眠ってしまっていたのだ。
「寝ちゃってたか」
ルミナリアがベッドから身体を起こし、ベッドの縁に腰かけると、くらりと目眩がした。
「ぅあ……うーん、早く治るといいんだけど……いたた……」
妙に痛むお腹を押さえるルミナリア。一体どうしたんだろうと思いながら立ち上がる。同時に下着に違和感。
「え……」
恐る恐るワンピースのスカート部分を持ち上げる。
「うわぁぁぁ!?」
目に入った光景に思わず大声を出してしまうルミナリア。知識としては知っているものの、自分にそれがくる、なんて考えたことなどなかったため、驚いてしまったのだ。
「なんでってそっか、今は女の子なんだ……そうなることもあるんだ……あー……」
先程の大声が聞こえたのか、一階からどたどたと二人分の足音が響く。
「ルミナちゃん! どうしたの!?」
「ルミナ!?」
部屋のドアが勢いよく開き、フィアナとアルルメイヤが飛び込んでくる。
「あ……いや、そのー……来ちゃったと言うか……」
「あっ! あーなるほど……」
お腹を押さえたルミナリアと、ベッドに残る赤い跡を見つけたフィアナが事態を察して頷く。アルルメイヤも遅れてその事に気付いて頷く。
「お姉ちゃん、アルル、どうしていいか教えて……」
ルミナリア、涙目であった。
「そうね、元々男の子だったって言うならわかんないわよね、色々教えてあげる」
「あ、ありがとう……」
こうして、ルミナリアは初めての女の子の日を迎えることとなったのだった。
(あー……なんというか、すっかり女の子って感じだな……僕はどうなるんだろう……これが来たということはつまり……その……赤ちゃんが作れるようになったってこと、だよね? うわぁぁなんだろうこの感じ)
心の中に渦巻く言葉にできない感情に首をぶんぶん振ってしまうルミナリアなのだった。なお、夜はお祝いということでフィアナがごちそうを用意してくれたのだった。
さて、後半の内容は人それぞれ好みが別れる内容だとは思いますが、書いてみたい話としての早い段階から考えていたものなのでどうしても入れました。
次回、ついにルミナリア達が旅の準備を始める……かも?
感想やご意見、誤字脱字の報告等ございましたらよろしくお願いします。
では、また次回で会いましょう。




