決めました
お待たせしました。キャラ名と話のつなぎ方に悩まされました。
第14話です。どうぞ。
そうそう、皆様のおかげで1万PVとブックマーク100件を突破いたしました。ありがたやありがたや…
ルミナリアたちが魔法の練習を続けていると、玄関のドアがノックされる音が響いた。
「あら? こんな夜遅くに誰かしら? といっても心当たりは一人しかいないけどね、シリル?」
「そうだよ、開けてもらってもいいかな?」
フィアナが玄関を開けると、シリルが中へと入ってくる。
「こんばんわ、ルミナちゃん。服を買ったんだね! とっても似合ってるよ! お、これは魔法の教本?」
「はい。ちゃんと魔法を使ったことがなかったのでお姉ちゃんに教えてもらっていたんです」
「そっかそっか……ん? お姉ちゃん?」
「そうよ、ルミナちゃんは私の妹になったの」
「ルミナちゃん、変なことされそうになったらすぐに私のとこに来なよ?」
「は、はぁ……」
「ちょっと! それどういうことよ!?」
シリルが真剣な顔でルミナリアに声をかけると、隣にいたフィアナが、心外だとばかりに声をあげた。そのまましばらくの間言い合いを続けた二人だったが、お互いその表情は笑顔だった。
「もぅ……それで、今日はどうしたの?」
「うん、神官長と会える日が決まったよ」
フィアナが人数分の紅茶のようなものを準備し、シリルに訪ねてきた理由を問うと、シリルの表情が引き締まったものに変わり、本題を切り出した。
「さっき結界の再構築が終わって、神官長が明日話そうって」
「そう……儀式にはあなたも参加したんでしょう? お疲れ様」
「ありがとう」
「よかった……もし直らなかったらどうしようってちょっと思ってたんです」
ルミナリアとしても、自分が破壊してしまった結界のことは気がかりであったのだ。無事に修復が終わったと聞いてそっと胸を撫で下ろす。
「…………」
「シリル、何かあったの?」
フィアナは、シリルの表情が冴えないことに気がつき声をかけた。
「実はね、ルミナリアちゃんが触った影響かはわからないんだけど……女神像の魔力が弱まってるんだって……」
「え……魔力が!?」
「なんですって!?」
ルミナリアは、シリルのその言葉に、あの光の中で女神であろう人物から何かを受け取ったことを思い出した。
「ルミナちゃん、あのとき……女神像に触ったとき、何があったのか覚えてる?」
シリルが心配そうな表情でルミナリアに問いかける。
(これは話しても信じてもらえるかな……女神像に触ったら女神様から何かをもらいました、なんて……)
ルミナリアが困った表情をしていると、頭の上にフィアナの手がぽんと置かれた。
「ルミナちゃん、何か悩んでるのね? もしかして話しづらいことなのかな?」
「えっと、言いづらいと言うか……正直に言うととてもこんな話信じられないと思う……それでも聞いてもらえる?」
「うん、もちろんよ」
「……わかった。じゃあ聞いて、あのとき何があったのか――」
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ルミナリアが二人に説明を始めるすこし前、ホリティアの城、国王の私室にて。
「これは……これが真実であるのならば大変なことになる……!」
室内には一人の男性が、一枚の手紙を読み、険しい顔をしていた。この男性こそ、このホリティアを、白の国を治めるアストン・ブラン・ホリティアその人だ。先程届いた神官長からの手紙には、驚くべき内容が記されていたのだ。女神像の魔力が弱まっている、という事は、一般的には知られていない大きな意味があったのだ。
――コンコンコン
「おとーさま、お呼びですか?」
「来たか。アルル、入りなさい」
ドアを開けて室内に入ってきたのは、眠たげな眼をした金髪の少女だった。頭の上から飛び出た髪の毛がみょんみょんと揺れている。彼女はアルルメイヤ・ブラン・ホリティア。アストン王の娘であり、この国の第二王女だ。しかし、その姿は王族としての気品や威厳など欠片も感じさせない、だぼっとしたパジャマ姿だった。
「おとーさま、なんですか?」
「アルル、お前には明日神殿に行ってもらいたいのだ」
「どーしてですか?」
「……女神像の魔力が弱っておる、という報告が入った」
「そんな……!?」
アストン王の言葉を聞いた途端、アルルメイヤの眠たげな眼が大きく見開かれた。
「このことに一人の少女が関わっている、という話なのだ。その少女が明日神殿に来るのだ。アルル、お前にもその場に立ち会ってもらいたい」
「そして、その子のことを見定めてくる、そうですね?」
「あぁ、頼むぞ……」
「ん、わかりました。じゃあ、おとーさま、おやすみなさい」
「おやすみ、アルル」
アルルメイヤはぺこりと挨拶をすると、自分の部屋へと帰って行った。
「女神像の魔力が弱まるとは……何事もなければよいが……」
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「私が光の中で見たのはそれで全部……です」
ルミナリアが光の中で体験したこと、女神だと思われる存在から何かを受け取ったことを話し終わると、フィアナとシリルが深くため息を吐いた。
「やっぱり信じられない、よね……」
「ルミナちゃん、正直に言うと、これはとても信じがたいことだと思う。でもルミナちゃんには記憶がなかったり、恐ろしく高い光属性適性があったり……もしかしたら何かがあるのかもしれないって考えさせられるような事情を持ってるわ」
「……フィアナ、これはさすがに私たちだけで答えを出すことはできないと思うんだけど……もしかすると神官長なら何かわかることがあるかもしれない。でもね、女神像の魔力が弱まってるのも事実。もしかするとそれが罪に問われちゃう可能性もある……んだよね……」
「……ルミナちゃんはどうしたい?」
「もし……もし、それで何かがわかるのなら、私は神殿に行こうと思う……」
ルミナリアは、シリルとフィアナの言葉に、神官長に相談することを決めた。
「そっか、わかった。じゃあ明日は一緒に神殿に行きましょう。大丈夫、お姉ちゃんがついてるわ」
「お姉ちゃん……ありがとう」
自分の今後を決定するためにも、情報は必要なのだ。不安はあるけど、頼もしい義姉が付いていてくれている。今はできることをやろう。そう心の中で決意を固めるのだった。
「さて、シリル、今日は遅いし、もう泊まっていっちゃいなさい……というか初めからそのつもりだったんでしょ?」
フィアナが、玄関の横に置かれていたシリルの荷物に目をやりながら呆れたようにシリルに話しかけた。
「だって……もう疲れたんだもん……それに、明日は私も一緒に神殿に行くんだから」
「仕方ないわね……あ、寝る場所がないんだったわね。私のベッドをシリルに貸してあげるわ。ルミナちゃん、今日はまた一緒に寝ましょうか? 姉妹の絆を深めましょう? ふふふふふ」
「ひっ……」
救いを求めてシリルへと視線を向けるルミナリア。しかし、無情にもシリルは視線を合わせることなく、残酷な一言を放つ。
「ルミナちゃん……生きて……」
「シリルさあああああああああああああああああああん!!!」
さっきまで頼りになる存在だった義姉が恐怖の対象へと変貌してしまったルミナリア。彼女に逃げ道などある筈もなかった。
ルミナリアは神殿に向かうことを決意しました。
神殿でルミナリアは何を知るのでしょうか。
というか無事に朝を迎えられるのでしょうか。
ちょっと悩まされた今回ですが、感想やご意見、誤字脱字の報告等ございましたらよろしくお願いします。




