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図書館と届かない本

風邪ひいてました……というかひいてます……

皆さんも気を付けてくださいね


第12話です、どうぞ。

 洋服店での買い物を終えた二人は、ホリティアの図書館へと向かっていた。見ず知らずの異世界で、知らないことだらけのルミナリアは、少しでもこの世界のことを知ることができれば、と考え、フィアナに図書館がないかと聞いてみたのだ。


「ここが図書館よ」

「大きいですね……」


 図書館の前に着いた二人、ルミナリアは目の前にある三階建ての大きな建物を見上げながら呟く。


「そうでしょう? この時間なら近くの学校に通っている学生たちが主に利用してるの。手続きをすれば本の貸し出しもしてくれるわ。ところでルミナちゃんは図書館にどんな用事があったの?」

「えっと……私って何にもわからないことばっかりだから、いろんなことを知ろうと思って……」

「そうね、どんなことがきっかけで記憶が戻るかわからないし、いいんじゃないかしら」


 ルミナリアは、記憶喪失だと思われている現状ならば、特におかしな理由ではないだろう、と考え素直に答え、フィアナも特に疑問に思うことはなかった。

 図書館に入ると、一階は机が並ぶロビーとなっており、学生だろう同じローブをまとった人々が多く目につく。そして、上を見上げると、そこは吹き抜けになっており、その壁は丁度漢字の「口」の字になるように棚が並んでいた。


「ここの一階から三階は一般市民にも開放されている場所なの。重要な資料なんかは、地下にあるらしいわ。学者や宮廷魔術師って呼ばれるような人たちが手続きをしてから利用してるみたいね」

「へぇ……それぞれ分かれて本を探したほうが早いかな?」

「そうね、本を見つけたらそこのロビーで合流しましょう。……知らない人についていっちゃダメよ?」

「子ども扱いしないでよ……」


 心配そうなフィアナの顔を見ながら苦笑するルミナリア。


「本の場所は、そこの案内板を見れば大体の場所が書いてあるわ。どうしても困ったら受付の司書に聞けばいいわ」

「うん、わかった」


 そういうと、フィアナはまっすぐ階段の方へと歩いていった。


「さてと……まずは女神さまについて調べないとだよね」


 別行動を開始したルミナリアは、歴史や伝承について調べるつもりであった。なお、ルミナリアに自覚はないが、フィアナによって可愛らしい服へと着替えさせられているルミナリアは、周囲の人々の視線をかなり集めていた。


「昨日の女神像に触ったときのあの声……私以外の女神に会えって言ってたよね、ということは、あの声の人も女神さまだったってことだよね……」


 そう、あの時光の中で聞こえた声は確かに私以外の(・・・・)と言ったのだ。そして、その女神から言われた、他の四人の女神に会え、という事だけがこの世界に来てから初めて示された道。その女神に会いに行くとしても、まずはこの世界について知ることは悪いことではないだろう。というのがルミナリアの考えである。


「歴史は……一階だね、よし」


 ルミナリアは、案内板を確認すると、そのまま目当てのコーナーに向かう。そこには、かなりの重さがありそうな本が大量に並んでおり、どれを選んでいいかわからないルミナリアは、適当に何冊か本を選ぶことにした。


「あれとかいいかも? あ、届かない……」


 棚の上にある本をとろうとして必死に背伸びをするルミナリア。


「ぐんぬぬぬぬ……!」


 ルミナリアの努力も空しく、指先は本に掠りもしない。


「……やっ! とぅっ!」


 ついにはぴょんぴょんとルミナリアがその場でジャンプを始め、それに合わせてルミナリアの髪やスカートも跳ねる。スカートを穿き慣れていなかったことも一因だろう。本に夢中になっているルミナリアは、ふりふりと揺れるスカートから、ほっそりとした白い足が覗いてしまっていることに全く気がついていなかった。


「……ごくり」


 それを見ていた誰かが思わず息を飲む。しかし、それも長くは続かなかった。ルミナリアが低くなってしまった己の身長を恨めしく思っていると、横から伸びてきた手が、ルミナリアの目的の本を抜き取り、ルミナリアへと渡したからだ。


「はい、これが読みたかったんでしょ?」

「あ、ありがとうございます……」


 そう言ってルミナリアに本を渡したのは、ルミナリアの様子を見かねて近づいてきた学生らしきローブをまとった女の子だった。


「あなた、まだこんなに小さいのにお勉強? えらいわね」

「小さい……」

「大丈夫! 身長なんてそのうち伸びるわ、私もそのくらいの頃があったもの」


 女の子は、年齢的にはルミナリアと同じくらいだろうが、ルミナリアの見た目から子どもだと思い込んでいるようだった。


「ふふ、私は行くわ、じゃあね!」


 その女の子はルミナリアに小さく手を振るとそのまま去って行った。ルミナリアは、その女の子を見送った後で気づいた。周囲の人々がなんとなくがっかりしたような様子でルミナリアを見ていたことに。


「急いで選んじゃおう、これとかどうかな……って重っ!」 


 棚から抜き取った本は、見た目通りの重さをしており、非力なルミナリアでは二冊を抱えて机に向かうのがやっとであった。


「よい……しょっと!ふぅ……まさか本を運ぶだけでこの苦労だとはね」

「ルミナちゃん、大丈夫?」

「あ、お姉ちゃん」

「丁度同じくらいになったわね」


 ルミナリアがやっとの思いで机に辿り着くと、すぐ後にやってきたフィアナがルミナリアの横に座った。その手には、ルミナリアが以前使っていた学校の教科書のような本が数冊。恐らく全てまとめてもルミナリアが持ってきた本より軽いだろう。


「ルミナちゃんのそれは?」

「歴史とか伝承について調べようかと思って持ってきたんだけど……これ重い……」

「あー……それならそんな専門的な本じゃなくて、まずは学生たちが使ってるようなこういう本を読んだ方がいいかも……えっと……一緒に取りに行く?」

「……うん」


 ルミナリアは、先ほどの苦労はなんだったのかと思いながらフィアナの案内で参考書をとりに行くのであった。ちなみに、あの重い歴史書は、ふらふらと運ぶルミナリアを見かねたフィアナが元に戻しに行った。




 歴史や女神についての参考書にあったのは、フィアナから聞いていた神界戦争のことや、その後の国々の発展についてというものだった。他の国々の情報を得られたのは大きかったが、これ以上のことを知ろうとするならならば、より専門的な本や、神官に話を聞いた方がいいだろうという結論に至るルミナリアだった。

 窓から夕陽が入り始めた頃に席を立ち、本の貸し出し手続きを済ませてから図書館を後にした。先程の買い物の荷物が届く時間が近づいていたため、寄り道はせずにそのまま帰路に就くのであった。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








 帰宅してから少しする頃、一台の馬車が玄関の前に止まるのが窓の外に見え、玄関のドアがノックされた。


「ん、荷物がきたわね」


 フィアナが玄関を開け、御者の男と話をすると、荷台から現れた体格のいい三人の男たちが次々と家の中に荷物を運び始める。ルミナリアとフィアナも手伝おうと声をかけたが。


「嬢ちゃん、下がってな! せっかく俺の筋肉が喜んでんだ……俺たちに任せときなァ!!!!」


 と、ポージングを決めながら言われてしまったため、おとなしく机でお菓子をつまむのだった。男たちはその後も、荷物を運んでは、ポージングを決めながら荷台へと戻り、次々と仕事を進めていった。


「これで最後だな……洋服は袋に入れたまま部屋に置いてあるぜ、また頼むな!」


 荷物をあっという間に運び終わり、男たちはいい笑顔を残して去って行った。あまりのインパクトに呆然と見送ることしかできないルミナリアとフィアナであった。


「なにはともあれ、一段落したことだし、服を片付けたら夕食にしましょう」

「う……うん……」


 なお、袋の中から次々と現れる可愛らしい服や、三角形の小さな布を見て、がっくりとするルミナリアなのであった。





ルミナちゃんは高いところに手が届きません。ぴょんぴょんします。

さて、次回くらいから魔法の練習が本格的に始まるかも……

というか今のところファンタジー的な要素薄すぎないかと心配になってる今日この頃……

戦闘とかいつ始まるのやら……気長にお付き合いいただけると幸いです。


では、次回で会いましょう。

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