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97. うつけと対面

 グリアナ帝国との戦争を終え、帰国の準備を行っている中とある人物が訪問してきた。


 レンとスズカが、居る場所に向かって近寄ってくる人影を感じ取った二人は警戒態勢を取った。


「ねぇ、スズカ……誰か来てるよね??」

「せやなぁ~~」

「公国側から来てるよな??」

「旧帝国の伏兵か??」

「それは、無いと思うよ??」

「なんで、断言出来るんだ??」

「ハットリ家によって旧帝国の貴族の調略は、既に完了してるかなね!……それに、四万の兵士に挑むに来るには時間が早いよ」

「せやな、旧帝国の兵力のほとんどがシノバンに集結していて戦争終了後に降参の意思を示してるからなぁ~~」

「そそ!取り上げた武器は、半々で公国と帝国で押収して共同で分析でOK??」

「オーケー!!」


 そうこう話していると、人影は段々と近づいていている。


 マテオとオーバは、警戒態勢を敷いている。











 先に、人影の正体に気が付いたのはスズカだった。


「オーバ!まて!マテオ殿も剣を閉まってください!!」


 スズカの申し出に、オーバは剣を鞘に閉まった。マテオはレンに確認の意味を込めた目線を送り、レンもしまえという意味を込めた目線を送る。

 マテオは、レンの意思を確認後に大人しく剣を鞘に閉まった。


「ほんで、スズカ……誰が、来たんだ??」

「……うん、レンが会いたがってた人物が直々にお出ましやで」

「えっ、まさか向こうから来たん??こっちから行かなあかんと思ってたんやけど??」

「まぁ、私は父上の遺伝子を色濃く受け継いでるって言われる位やから、人物像としては私に近いよ」

「ちょっと待て!それは、反応に困るんだけど?スズカに抱いている印象をそのまま言えばいいのか……?!」

「おいコラァ……どんな印象抱いてるのか……行ってみんかい!」

「えぇ~~……自由奔放でアホな女の子??」


 パシン♪


 久しぶりに、マナのハリセンが炸裂した。


「ナイス!マナ!」


 スズカがマナに向かって親指を立てたグットポーズをする。それに対して、マナは一礼する。


「いたぁいよ、マナぁ~~」

「レンくん!」

「はっはい……」

「レンくんが、スズカ様に抱いている印象は、まんまレンくんだよ?……私たちも同じことでどんだけ、振り回されたか」

「あっあの……マナさん?レンよりグサってくるんだけど??」


 レン・マナ・スズカの三人で談笑していると、近寄っていた人影はレン達の目の前にあらわれた。


「仲がいいねぇ~~」

「父上!」


 スズカが、頭を下げて出迎えた。


 レンは、軽く一礼をしマナはレンの隣に移動した。


「お初にお目にかかります、レイノス=オレジアナ様……ラインブルー王国にて『首相』を務めています、レン=ラインブルーと申します」

「これは、ご丁寧にありがとう……オレジアナ公国で大公を務めています、レイノス=オレジアナです」


 レンは怯むことなく一国のトップと話している。


「てか、父上……まさか、ここまで出てくるとは思ってなかったですよ」

「ん~~私に会いたがっている王国の人物が居ると言っていたではないか!!」

「だからって、一国のトップが終わったとは言え、戦争していた地域に赴くなんて!……それに、そのことはまた、日程を決めて会おうって手筈だったんやけど!!」

「ははは!いいではないか!私は君のことに興味があるのだろう!」 



 そこからは、スズカはレイノスの隣に移動してラインブルー王国の『首相』とオレジアナ公国の『大公』の青空対談が始まった。











 最初に口を開いたのはレイノスだ。


「レン殿……スズカとはかなり仲良くして頂いてるようだが、何処で知り合ったのかな??」

「そうですねぇ~~この前ノンアポで、旧帝国を訪問した際に偶然お会いしましてね……何となく話してみたら気が合いましてねぇ~~」

「偶然会ったにしては、今回の作戦含め、『関税の税率の引き下げに関する三国間条約』に関しても、短時間でまとまるとは到底思えない緻密な作戦だが、これはどう説明する」


 レンはこの時感じていた。自身の父上であるトクヤとの格の違いを。


 一国のトップとしての格は断然レイノスが上だ。


 やはりそうだ。王国が取るべき行動は決まった。


「もしかして、気づいてます??」

「なんのことかな??一国の政治のトップが身分を隠して、公国に入国して私の娘と接触して本国では『うつけ者』と噂されている人物が……」

「降参です!確かに、身分を隠して合法的に公国に入国してスズカに接触したことは認めましょう!……けど、一箇所訂正です!……初めて、スズカに接触したタイミングはまだ、父上の見習いだったので、トップでは無いです!」

「細かいなぁ~~」


 雑談は終わり本題に移る。


「ところで、レン殿……公国の一族に接してきた目的はなんなのかね??君の父親とは違い政治家としての才覚がある君のことだ、何か目的があるのだろ??」

「何か、レイノス様の僕に対する評価以外に高くありませんか??」


 レンがそう言うと、レイノスは大きな声で笑った。


「君のことは、評価しているんだよ!!」


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