93. うつけは容赦なく残酷に……
今日は、12時30分頃に 92. うつけの本領発揮! 投稿しています!
まだ、読んでいない方は92話からどうぞ!!
日をまたぎ翌日なった。
レンとスズカは、日の入りと同時に起床し高台へ向かう。
高台では、拘束されているミナミが大分ぐったりした様子だ。
「ミナミさん、おはようございます!」
挨拶には、反応を示さない。
レンは気にせず続ける。水に沈んだ帝都を眺めながら。
「うぉ~~ある意味絶景ですね!昨日までは、人々が楽しそうにしていた帝都が一晩で水の底に沈んじゃった!!誰のせいかなぁ~~」
「この……人でなし……」
「ん~~何か言った??」
「誰のせいってあんたたちのせいだろうが!この人でなし!」
ミナミは、レンとスズカの顔を見るとスイッチが入ったのか、レンの発言に噛みつきキレ散らかしている。
「何言ってるんですか??あなたのせいじゃないですか!!あなたが自身の部下をしっかり教育しないから!でしょ!」
「あんたのせいで、沢山の人が死んだ……あんたのせいで……」
「いやぁ!いやぁ!ミナミさん!あなたのせいでしょ?」
「どこがだよ!!」
「えぇ~~帝国の密偵が国家転覆を図らなければ、僕たちだってこんな事しなかったよ?条約を破ったことは許そうと思ってたけど国家転覆を図るという立派な先制攻撃をされたら反撃しないといけないよね??」
ここまで、帝都の方を見ていたレンは、ミナミの顎を掴み目線を無理やり上げさせて眼を睨みつける。
その表情に、リーナ・マテオ・セバス・オーバは、恐怖を覚える程の雰囲気を醸し出した。『鬼』と言われたら信じてしまう程の雰囲気だ。
「先に、うちの国民の命狙ってきたくせに自分の国の人の命狙われたからってキレるなよ??いい加減自分の立場理解したら??」
普段ならマナがここで止めている。
しかし、マナも見て見ぬふりを決め込んでいる。それ程、マナも帝国にはお怒りという事だ。
「僕は、王国の国民の命を狙おうとする人間には容赦しないよ??国内だろうと……国外だろうと……」
「ひいぃぃぃぃぃぃぃ」
余りの恐怖からか、ミナミは奇声を上げた。
続いて、スズカもミナミに近寄った。
「長年、密偵忍ばせて機密情報盗み出しといてさぁ~~それバレて一度譲歩して貰って許してもらったのに、反故にしてさぁ~~さらに、一国を滅亡させようと画策するなんてさぁ~~恩を仇で返すなよ??この『ドブネズミ』がぁ……」
スズカもかなりキレているみたいだ。
まだ関わってそんなに日にちは経っていないが、彼女特有の関西弁口調が完全に消えていて、発せられる声には、憎悪の感情が込められている。
すると帝城の方から、微かな声が響いて来る。
「ミナミ~~!何処だ??」
それにミナミは反応した。
「私はここ!!」
「!!大変なんだ!今すぐお城に帰ってきてくれ!!」
「旦那さん会いたがっているみたいだし、マテオ!ボート持ってきてたよね?」
「はい!」
「じゃそれここに持ってきて!」
「かしこまりました!」
マテオは、ボートを取りに行き、スバルと共にボート一隻持ってきて、湖と化した帝都に浮かべる。
そこに、ヒガシを連れて来た。
「ヒガシ~~君のお父さんが、お母さんに会いたがってるよ??ボート漕いでここまで、連れて来てあげたら??あっ!もし、そのまま帰ってこなかったらお母さんと妹のニシの命は無いかもねぇ~~」
ヒガシの拘束を解きボートに乗せて、父親の基へ向かわせる。
「旦那さん連れて来るかなぁ~~??」
「どっちでもいいよ……」
ミナミは、どうでも良いと言った表情だ。
数十分後、ヒガシは必死にボートを漕いでミナミの旦那の乗せて高台に戻って来た。
「ミナミ!!」
旦那の問い掛けに、ミナミは反応を示さない。変わりに、レンが反応する。
「やぁ~~やぁ~~ミナミの旦那さん!」
「お前か……ミナミや子ども達を拘束してるのは!」
「あっいっけなぁ~~い!ヒガシを拘束して!暴れるようなら腕の一本でも折っていいから」
ヒガシは、抵抗せずに拘束されている。
「おい!無視するな!!」
「おっといけなぁ~~い!今、公国・王国連合と帝国は戦争中なんですよ!だから、敵国のトップを拘束しています!」
「宣戦布告は……」
「そりゃ、宣戦布告と同時に拘束しましたからねぇ~~」
「卑怯だぞ!!」
「先に密偵忍ばせてセコいマネしてたんそっちだろ??」
「それは、他国だってしてるだろ!!」
「するならさぁ~~バレないようにしないとね??密偵が居るという証拠は残さないことが普通だよ??スパイ行為が、バレてる時点でアウトなんだよ!!」
さぁ、戦争も集結させに行こうか。
「さぁ!ミナミさん!敗戦を認めてください」
「誰が、認めるか……認めたとして帝国をどうするつもりだ!!」
「まぁ、取り潰しですよね??旧帝国領は公国と王国で分割して統治になるでしょうね??」
「緩衝地帯となる国を失うことになりますよ……」
「別にいいもん!仲良くすればいいだけだし!むしろ、旧グリアナ帝国領は分割統治という名の緩衝地帯は継続でしょうね??」
「帝国を失うことはデメリットだけでは……」
「う~~ん?むしろメリットだらけだと思うけど??密偵を忍ばされる心配もないし……中抜きされる心配もないし……!!」
「くっ!!」
レンは再び催促する。
「ねぇ~ねぇ~早く降伏してよぉ~~」
「誰がするか!帝国は私が守るんだ……」
「人々を守るには、降伏が一番だよ??」
「早く、帝国から出て行け……」
レンは頭を抱える。全然降伏してくれない。
「あっ!」
レンは閃いた。同時に、マテオはヤバいと感じたようだ。




