82. うつけの計画通り!
スバルから渡された紙を見てレンは、ニヤリと笑った。
その様子を見たマナは、事情を察したようで執務室から出て行った。マホは、何が起こっているか解らないという表情だ。
「レンお兄様!何が起こるのですか??」
「ん~~?『関税の税率の引き下げに関する三国間条約』の別の項目が発動するんだよ!!」
マホはやはり、理解出来ていないようだ。仕方がないことだ。まだ十歳だから仕方ないだろう。
「マホ!次、僕が帰ってくるまでは母上の部屋で過ごしてね?母上には既にお願い済みだから!」
「わっわかった!?」
突然のレンからの申し出に、少し動揺するがマホは同意する。
レンは、自分の部屋に行って予め用意していた荷物を持ち王城の門に行く。
「レンくん!準備出来てるよ!」
「流石!マナ!ありがと!サヨ!僕が、留守の間『首相代理』頼んだよ!」
「かしこまりました!!」
レンは、自身が不在の期間の『首相代理』をサヨに任せて馬車にマナと乗り込みリーヴァンに御者をして貰い王城を出る。
ちなみに、今回コノハはお留守番だ。
レンは、リーナの実家があるリーゼンの街に付いた。リーナが居るであろう屋敷に馬車を直行させた。
突然、屋敷に王族の馬車が入って来たとあってオノフェス家の門番の兵士は慌てて屋敷に入って行った。すると、屋敷から慌てた様子でリーゼンの街の新領主となった、レックスが出てきた。
レンは、馬車から出るとレックスに挨拶をする。
「お久しぶりです!レックス!今や、リーゼンの街の領主様ですね!大出世!大出世!」
「レン第一王子!お久しぶりです!リーゼンの街の領主として王国のために日々励みたいと……」
「ストップ!!」
レンは、レックスの言葉を遮った。レックスは首を傾けている。
「王国のためじゃなく、街の人のために頑張ってね??」
「!!はい!!わかりました!!」
「いい返事!!」
「所で、あの~~??」
「なに?なに?」
「本日はどういったご用件で??」
おっと、いけない!用件を伝えるのを忘れていた。まずは、突然の訪問を謝罪しないとな!
「今日は、突然の訪問申し訳ない!用件というのは……」
「ご用件は……??」
「あぁ!自分の上司が来たのに顔を出さない女の子を拉致しに来ました!!マナを屋敷に入れて拉致しても??」
「はい!!どうぞ、拉致って行ってください!!」
「拉致っても大丈夫なん??」
「はい!大分、落ち着いたのでそろそろレン様の秘書官に復帰させる予定だったので!今日、拉致って貰ってそのまま王城に連れ帰ってください!荷物は、こっちで準備しますので!」
「ありがと!では、早速拉致ります!マナ!ゴー!ハリセンで一発しばいていいよ!」
「らじゃ!」
マナが屋敷に入って行った。
その間、レックスと雑談していると屋敷から一人の女の子の悲鳴に近い声が上がる。
「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「おぉ~~接触成功したようですね!」
「うん!マナのハリセン痛いからねぇ……僕も何度叩かれたか!主に僕が悪い事したんですけどね!!」
「レン様……一体何しでかしたんですか??」
「何だろうねぇ~~あはは!!」
笑って誤魔化しているといると、マナに首根っこ掴まれたリーナが引きずられて出てきた。
「マナ!!自分で歩けるから離してぇ~~!!」
「いや、離したらどっか行くでしょ??」
「いや、私信頼無くない??」
「もちろん!!似た者が近くにもう一人居るとこうなるよね??」
グサッ!レンの心にマナの言葉の矢が刺さった。
「おいコラ!!マナ!!最近の僕は、落ち着いてるじゃん!!」
「えっ?レン!何でここに??」
「いや?マナが居るなら僕も居るでしょ??」
そう言うと、マナは馬車にリーナを乗せて僕とマナも馬車に乗りリーゼンの街を後にする。
「じゃ!レックス頑張ってね~~!!」
「はい!妹をよろしくお願いします!!」
リーゼンの街から出たタイミングでリーナは尋ねてきた。
「何で、私拉致られたのかな??」
「大丈夫!レックスからの許可は貰ってるから!後、リーナは王城に引っ越すことになったからよろしく!」
「えっマジ!?」
「マジも大マジ!」
「って危ない!何で私拉致られたの!!」
レンは、話を逸らせなかったことを残念がった。
「この前に、グリアナ帝国に行った時の『関税の税率の引き下げに関する三国間条約』の一つの条項が発動するから!」
「もしかして?」
「うん!僕たちグリアナ帝国に向かうよ!」
「よっしゃー!」
リーナは、テンション爆上がりといった様子だが現実を突きつける。
「いや、今回は街に訪問出来ないよ??」
「えっ??何で??グリアナ帝国に訪問して会談するんだよね??」
「多分、会談はするだろうけどね?でも、以前のような会談では無いよ!」
ここで、レンは以前グリアナ帝国に訪問した際にリーナがまとめた報告書を取り出し報告書の中の帝都シノバンの地形の報告を読んでいる。
「ねぇ!シノバンの街は、四方を山に囲まれていて一箇所だけが馬車などの人々の通行のための道路が整備されているんだよね??」
「そう!だからこそ、他国の軍が帝城に攻め込もうとすれば、山が自然の要塞になっているので長年の平和が安定しています!」
「へぇー」
ここで、レンは今から向かっている場所をリーナに教えている。
「リーナ!今、僕たちはアクア国軍基地に向かっているよ!!」




