81. うつけの教育改革の目的!
昨日、マナの引っ越し作業を終えて一日が経過した。
今日も今日とて、事務作業だ。
トクヤは、自身の執務室で今日の分の業務やレンの外遊期間中の適当な業務の後始末をさせている。
マホは、今日もレンの執務室に来て書類仕事を手伝っている。レン自身、マホの存在は非常に助かっている。お陰で今日は、レンは『教育相』の仕事に重きを置けるのだ。
「マホ~!今日もありがと!お陰で『教育相』の仕事に手を出せるよ!!」
「ううん!レンお兄様のお役に立てるのが嬉しいです!」
「それで、今日の分の仕事が終わったら政治学の勉強しよっか!先生は、僕とマナの二人!!」
「!!よろしくお願いします!!」
マホは、非常に勉強熱心だ。
レンと二人で、孤児院に行った以前から教育係からの授業も生真面目に受けていた。孤児院に行った後からは、図書館に行きまくっていることもあり、教育係の授業において教育係に質問攻めを繰り返し、教育係が根を上げてしまったのだ。
全く、質問攻めされても答えられるだけの学力を持っとけよ~~とレンは思い、その教育係の王城への出入りを禁止にした。
そりゃそうだ。教育という仕事を放棄した時点で、王城に出入りする資格は無い。それに、『ネズミ』だったしねぇ~~!!
ここ、数日王城で働いていた人間の内何人かは、急に辞職を願い出たのだ。
トクヤ、必死に止めていたがレンは、『こんなにネズミが王城に潜んでいたかぁ』と思った。一応、グリアナ帝国も形だけは、『三国間条約』を履行しようとしてくれているみたいだ。
まぁ、本国まで引き上げてくれるかな??
レンは、教育相の仕事を始める。
初等教育学校の教育方針や年間の教育内容に関しては既に、作成を終えて法案を『首相』権限で通している。ここで、『首相 兼 教育相』の兼務が役に立つ。
「レンお兄様?」
「どした?マホ?」
「新しい学校なんですけど、『初等教育学校』ってことはまた別の学校とか作るんですか??」
来た!マホの質問攻め!いい所、気づいたね~~とレンは感心を寄せる。
「うん!『初等教育学校』では、一般国民が街で生活する上で必要な力を身に付けるための教育を行うよ!!では、問題です!僕は、何のために教育改革を行うでしょうか??」
「国民が豊かに生活出来るようになるためでしょ??」
「正解!後もう一つは??」
「えっ?!もう一つ??」
マホは、考え込んだ。二つあるとは、予想外だったようだ。マナがヒントを挙げた。
「マホちゃん!今の王政内は、深刻な人材不足なんです!!」
「もしかして、王政に関われる人材の育成も視野に入れていると??」
レンは、マホが正解を言い当てたことに頬を緩める。
「そう!マホ、これ読んでみて!」
レンはマホに、さっきまでまとめていた書類を手渡して読ませる。
「えっ……『中等教育学校』に『高等教育学校』……??」
「そう!『初等教育学校』で優秀な成績を残した子どもの中で、希望した子どもはまず『中等教育学校』に進学してそこでも、優秀な成績を残した子どもは、『高等教育学校』に進学する」
「なるほど……年数はどうするんですか??」
「『初等教育学校』は十歳から十四歳の五年間、『中等教育学校』は十五歳から十七歳の三年間、『高等教育学校』は十七歳から二十歳の四年間、の予定」
「なるほど」
そこから、『中等教育学校』と『高等教育学校』の教育目標を伝える。
『中等教育学校』を卒業したら国軍の幹部クラスへの就職を可能とする。『高等教育学校』を卒業したら王政に関われる仕事への就職を可能とする方針だ。
「レンお兄様、そこまで考えていたんですか!!??」
「そうだよ!教育を行うことで、安定してある一定の能力を持った人材の供給をすることが出来るサイクルが完成する!!教育って、非常に大事なんだよ!!」
「でも、レンお兄様?学費はどうされるのですか?」
「もちろん、教育は、『初等』から『高等』まで全て無償だよ??」
「えっ!?全て無償にするんですか?」
「当り前だよ?王国において、必要な人材を育てるためには王国がお金を使わないといけない!それにね……」
「それに……??」
「王国の未来のためには、まず王国が国民に対して投資しないといけない!国民に愛国心を持って、自己負担で王国の役に立てなんて、こっち側の都合でしかないんだよ!むしろ、そんなことしたら国民の愛国心は失い、不満は溜まっていくだけだよ」
レンの言うことを真摯に受け止めるマナ。
「財源に関しては、『初等』と『中等』の二年は、貴族学校の財源をそのまま使えば運営できるけど、残りが厳しいんだよねぇ~~来年から『初等教育学校』の一期生が入学するから一期生が三年生になるまでに、王国内の改革を行って財源を確保する!」
そして、レンはマナとマホに協力を求める。
「二人とも!協力してね??」
「うん!」
「わかった!レンお兄様!」
「マホは、まず書類仕事を覚えようねぇ~~!!」
「はぁ~い!」
書類仕事を進めていると、部屋がノックされてスバルが部屋に入って来た。
「レン様!ハットリ家の者からです」
「ありがとぉ~~!」
レンは、スバルから報告の紙を受け取って読むとニヤリと笑った。




